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住宅ローンの分割融資とは?つなぎ融資との違いや実行タイミングを解説
更新日:2024.04.24
注文住宅を建てる際に利用する住宅ローンの融資方法として、分割融資があります。このローンは、通常の住宅ローンと異なる特徴があり、家づくりを検討する人は選択肢の1つとして押さえておく必要があります。
また、もう1つの融資方法として「つなぎ融資」があり、2種類にどのような違いがあるのかも把握することが重要です。
この記事では、住宅ローンにおける分割融資・つなぎ融資の特徴だけでなく、実行タイミングについても詳しく解説します。住宅ローンを利用した資金計画に不安が残る人は、ぜひ最後までお付き合いください。
【この記事でわかること】
- 住宅ローンの分割融資とはなにか
- 住宅ローンの分割融資とつなぎ融資の違い
- 住宅ローンの分割融資を受ける主なタイミング
住宅ローンの分割融資とは?
住宅ローンの分割融資は住宅ローンを複数回に分割して支払う方式です。通常の住宅ローンと比較して、金利や返済タイミングが異なります。
- 適用される金利
- 返済タイミング
ここからは、上記2点について詳しく解説します。
適用される金利
分割融資は、実行のタイミングが異なるため一律の金利が適用されるわけではなく、実行時の金利が適用されます。
つまり、金融や経済の状況によっては実行の度に支払い金額が変わる可能性があるといえます。
返済タイミング
返済タイミングは分割融資の目的に応じて決まり、たとえば土地購入のために分割融資を組む場合は、土地購入後の翌月から返済が始まることになります。
また、建物については建築の段階に合わせて支払いタイミングがあり、その数だけ分割融資を実行させる必要があります。このように、どのタイミングでいくらの融資が必要になるのかをあらかじめ把握しておくことが大切です。
住宅ローンの分割融資とつなぎ融資の違い
分割融資とよく似た融資につなぎ融資があり、抵当権が設定されない無担保ローンを指します。
金利分のみを支払うことで、建物の完成までにかかる費用の融資を受けられます。
また、分割融資が1本の住宅ローン契約に対して複数回に分けて融資を受けるのに対して、つなぎ融資は住宅ローンとは別に契約しなければなりません。
このことからも、分割融資とつなぎ融資のどちらが得になるのか金融機関に相談することが重要といえます。
住宅ローンの分割融資を受ける主なタイミング
ここでは、分割融資を受けるタイミングとして、以下が挙げられます。
- 土地を入手した時
- 着手金を支払った時
- 中間金を支払った時
- 建物の引き渡しの時
注文住宅を建てるためには、土地を購入し建物を建築する必要があります。それぞれのタイミングで支払う金額について、この章で解説するポイントをぜひ参考にしてください。
土地を入手した時
土地を購入する際、売買代金の支払いに加えて登記費用や仲介手数料などの諸費用が必要です。
このタイミングで分割融資を受けることで初期費用を賄え、結果的に自己資金の負担を減らせる可能性があります。
つまり、自己資金をなるべく減らしたくない人にとっては適しているといえるでしょう。
ただし、印紙代や一部の手数料は対象外となるケースもあるので注意が必要です。資金計画を立てる際には、事前にしっかりと対象となる項目を確認しましょう。
着手金を支払った時
建築を始める際には通常、契約金(着手金)として建築費用の約1/3を建築会社に支払う必要があります。着手金を分割融資で賄うことで一時的な出費を抑え、自己資金を保てます。
着手金の支払いは家づくりの第一歩ともいえるため、この段階で分割融資を受けることは資金計画を立てる上でも非常に効果的です。
中間金を支払った時
建築が進み、建物の棟上げが完了する”上棟”の段階になると、着手金と同様に建築費用の1/3程度の中間金を支払うことになります。着手金のタイミングと同様に、中間金を分割融資で賄うことで一時的な出費を抑え、自己資金を保てるでしょう。
ただし、最初に融資を受けた時期と比べて金利が変動しているケースがあるケースがあります。
そのため、金利の確認と見直しはしっかりと実施することが重要です。
建物の引き渡しの時
建物が完成し引き渡しとなれば、残りの金額を支払い分割融資は完了です。
ここから全ての支払いが始まるので、資金計画通りの返済額になっているかチェックすることをおすすめします。
住宅ローンの分割融資のメリット
この章では、住宅ローンの分割融資のメリットを解説します。
- 住宅ローンの金利で利用が可能
- 住宅ローン控除を受けられるケースがある
順番に見ていきましょう。
住宅ローンの金利で利用が可能
分割融資はあくまで住宅のための融資であり、金利の安い住宅ローンが適用されます。その一方で、つなぎ融資は無担保ローンのため金利が高く、支払う金利の総額が高くなってしまいます。
つまり、結果的に金利を抑えられる点が分割融資の大きなメリットだといえます。
住宅ローン控除を受けられるケースがある
分割融資では、土地の取得から2年以内に居住するなどの条件を満たすことで、住宅ローン控除を受けられるケースがあります。
そのため、住宅ローン控除を受けるのであれば分割融資がいつまでに完了し、居住できるのかを見据えておくことがポイントです。
住宅ローンの分割融資のデメリット
分割融資にはメリットだけでなく、デメリットもあります。
- 登記費用や手数料が高い
- 取り扱いがある銀行が少ない
ここからは、上記2点について解説します。
登記費用や手数料が高い
分割融資は土地の抵当権を設定する必要があり、登記費用や手数料などが負担になります。融資のたびに申込と審査が繰り返されることで高額な手数料がかかる場合もあるでしょう。
また、抵当権の設定費用も、建物の完成前に軽減措置が適用されないことなどが負担を大きくする要因となります。このように、通常の住宅ローンよりも登記費用や手数料などの諸費用が高くなる点がデメリットです。
取り扱いがある銀行が少ない
そもそも分割融資を取り扱っている金融機関は少なく、比較検討できない点もデメリットの1つです。どうしても分割融資を利用したい場合は、限られた金融機関の中から選択することになるでしょう。
住宅ローンの分割融資に関するよくある質問
最後に、住宅ローンの分割融資に関するよくある質問をまとめました。
- 分割融資の途中にカーローンなど他のローンは組める?
- 分割融資は受ける度に審査がある?
- 分割融資の途中で転職するとどうなる?
順番に見ていきましょう。
分割融資の途中にカーローンなど他のローンは組める?
分割融資に影響がでなければ、他のローンを組むことは可能です。ただし、厳密には融資の承認時と審査内容が異なるため、金融機関によって契約違反になってしまうリスクがあります。
その場合は融資の一括返済を要求されることもあるので、他のローンを組みたいのであれば金融機関に相談することをおすすめします。
分割融資は受ける度に審査がある?
分割融資は、審査基準を踏まえて最初の本審査によって完結します。つまり、本審査さえ通れば、最後まで融資を受けられます。
分割融資の途中で転職するとどうなる?
分割融資の途中で転職すると再審査が必要になるので、あまりおすすめできません。
転職後の状況次第では、返済が困難と判断されるリスクもあります。最悪のケースでは、融資を受けられないおそれもあるでしょう。
住宅ローンの具体的な審査基準は、公表されていません。一部の金融機関では勤続年数を基準に設けていない金融機関が存在するものの、確実とは言い切れません。
このように、分割融資の途中で転職すると手間や費用が発生するので、慎重に判断する必要があります。
住宅ローンにおける分割融資の特徴を理解しよう
住宅ローンを組む際に分割融資を検討するのであれば、メリットやデメリット、融資のタイミングなどを正しく把握することが重要です。
オンリーホームは多くの金融機関と提携しており、通常の住宅ローンと分割融資の違いを踏まえた提案も可能です。住宅ローンを踏まえ、最適な資金計画を立てたい人は、ぜひ一度オンリーホームにお問い合わせください。