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建売住宅・注文住宅はどっちを選ぶ?違いやメリット・デメリットで比較
更新日:2024.03.25
この記事では、建売住宅・注文住宅はどちらを選ぶのが良いのかを解説していきます。
建売住宅を購入するか注文住宅を建てるのかで悩む人は少なくありません。建売住宅と注文住宅は、どちらにもメリットとデメリットがあります。理想の住まいを実現できるかどうかをイメージしながら選択することがポイントです。
この記事では、建売住宅と注文住宅のメリット、デメリットもわかりやすく紹介します。建売住宅と注文住宅それぞれに向いている人の特徴も解説していくので、どちらを選べばよいか悩んでいる人は、ぜひ最後までお読みください。
【この記事でわかること】
- 建売住宅のメリット・デメリット
- 注文住宅のメリット・デメリット
- 建売住宅と注文住宅それぞれに向いている人の特徴
住まい選びに関する基礎知識
建売住宅と注文住宅を比較検討する場合は、それぞれの特徴を把握しておく必要があります。
- 建売住宅とは
- 注文住宅とは
順番に見ていきましょう。
建売住宅とは
建売住宅は、建築会社が土地を購入して家を建て、新築戸建として販売されている不動産です。土地と建物、付帯整備などの費用が販売価格に全て含まれているケースが一般的です。
建売住宅は、既に建てられている住宅や建築中の住宅が大半です。水道などのライフラインや住宅設備などが既に配置されている建築済みの住宅では、すぐに住み始められます。
実際に現物を見て購入判断できるのも建売住宅の特徴といえます。
注文住宅とは
建売住宅は土地と建物をセットで販売している一方、注文住宅は土地と建物を別々に契約することが必要です。
そのため、注文住宅を建てるためには建築会社を選定し、土地を選ばなければなりません。
また、外構や住宅設備についても建築会社が用意しているわけではなく、自分で一から設計することになります。
なお、最近ではある程度の間取りパターンの中から選択する「セミオーダー住宅」という注文住宅も増えています。
建売住宅と注文住宅の違いを表で比較
建売住宅と注文住宅については、以下の違いがあります。
項目 | 建売住宅 | 注文住宅 |
本体価格 | ● 土地と建物、外構などが含まれている | ● 建物本体価格のみ含まれる
● 土地代や外構費、諸費用などは含まれていない |
諸費用 | ● 建売住宅にかかる登記費用
● 仲介手数料 ● ローン事務手数料 など |
● 土地と建物それぞれに費用・手数料(※)がかかる
● 建築申請や補助金申請にかかる費用 |
入居までにかかる期間 | ● 完成していれば決済後に当日から入居できる | ● 建物の着工から4〜10ヶ月後に入居できる |
設計の自由度 | ● 建築されている建物をそのまま購入するため、設計変更はできない
● ただし完成していなければ壁紙の色などは変更できる |
● 建築会社によっては一から全てを設計できる自由度がある |
建物のスペック | ● どのような年収層でも購入できるよう安く設計されている
● 断熱性や気密性といった機能性は低い傾向にある |
● 高性能住宅の建築もできる
● 建売住宅よりもハイスペックな住宅が多い |
立地 | ● 立地の選定ができない | ● 自分で土地探しをすることになる
● 希望のエリアで探せる |
メンテナンス性 | ● 10年に1度外壁や屋根の塗装、防蟻処理などが必要になる | ● 大手ハウスメーカーであれば30年以上メンテナンスフリーという住宅も多い |
※登記費用・仲介手数料・ローン事務手数料など
これからマイホームを検討する人は上記の違いを把握したうえで、納得できる住宅を選択することをおすすめします。
建売住宅を建てるメリット
建売住宅は全国各地で供給されており、多くの人に購入されています。
- 購入にかかる費用が少ない
- 比較的すぐに入居できる
- 物件の状態を実際に確認できる
上記3点のメリットを順番に解説していきます。
購入にかかる費用が少ない
建売住宅の大きなメリットとして、注文住宅に比べて購入にかかる費用が少ない点があります。
住宅金融支援機構が公開しているデータによると、2022年度に全国でフラット35を利用した人が住宅購入に使用した金額は以下の通りです。
項目 | 建売住宅 | 注文住宅 |
購入費用 | 3,719万円 | 4,694万円 |
※参考:2022年度 フラット35利用者調査|住宅金融支援機構
上記表の通り、注文住宅を比較して1,000万円近くコストダウンできるのが、建売住宅のメリットです。
比較的すぐに入居できる
建売住宅は完成している物件が多く引渡し後すぐに入居できます。内覧時に、保有している家具が設置できるかどうかの寸法を測ることも可能です。
つまり、なるべく早く入居したい人に建売住宅は向いているといえます。
また、建売住宅はオーナーと間取りや外構の打ち合わせをすることもありません。大量発注した建材を使用して建築するため、工事期間が短くなります。
注文住宅に比べてすぐに入居できるという魅力に惹かれ建売住宅を選ぶ人も多くいます。
物件の状態を実際に確認できる
完成した物件を直に確認できる点は、不動産を購入するうえでの大きな安心材料です。
注文住宅は完成するまでイメージ通りの建物になっているか確認できませんが、現地に建っている家自体を購入する建売住宅は隅々までチェックできます。
そのため、完成後の家屋に関するトラブルが少ないのが建売住宅のメリットです。
建売住宅を建てるデメリット
建売住宅の設計は建築会社が実施しており、さらに完成した物件を購入することになります。注文住宅にはないデメリットがあるので、事前に確認しましょう。
- 完全に希望通りの家にはならない
- 似た家が多い傾向にある
- 家が建つ過程を見られない
順番に見ていきましょう。
完全に希望通りの家にはならない
建売住宅は、間取りや外構などをすべて希望通りには決められません。完全に理想とする家にはならないため、妥協して購入することになるケースも多くあります。
注文住宅のようにこだわり抜いた家を建てにくい点は、建売住宅の大きなデメリットです。
似た家が多い傾向にある
建売住宅は分譲地に建てられるケースが多く、似た家も多い傾向にあります。
同様の間取りにすることで建物の価格を抑えられるメリットもありますが、種類が限られていることからどうしても同じような建物になってしまいます。
特に、分譲地の場合は似た家が横並びに建築されており、オリジナル性の高い家に住みたい人には向いていないといえるでしょう。そのため、建売住宅を中心に探した結果納得のいくデザインの物件を見つけられない人も少なくありません。
家が建つ過程を見られない
マイホームを手に入れるのであれば、どのようなステップで家が建てられているのか気になる人もいます。建売住宅は既に完成している場合も多く、建築過程を見られないでしょう。
また、建築前の物件も現地確認は可能ですが、その時点では所有権を得ていないため敷地内に入って細かくチェックできるわけではありません。
注文住宅のように家の過程を確認しながら完成を待つ楽しみを感じられない点は、建売住宅のデメリットといえます。
注文住宅を建てるメリット
注文住宅を建てるメリットは以下の通りです。建売住宅とは異なるメリットがあるため、比較し検討してください。
- 希望通りの住まいにできる
- 予算に合わせてローコストの住まいも実現できる
- 家を建てる場所・建築会社を自由に選べる
順番に見ていきましょう。
希望通りの住まいにできる
注文住宅は一から設計することが可能であるため、こだわりの住まいを建てられる点がメリットです。
例えば、建売住宅では外壁や床材の材質や色を変更できませんが、注文住宅であれば世の中に公開されている建材から選択できます。
また、建築会社専属のコーディネーターや設計士から間取りに関するアドバイスを受けられ、理想の住まいを手に入れやすくなる点も魅力の1つです。
予算に合わせてローコストの住まいも実現できる
注文住宅は建売住宅よりも予算が高くなる傾向にありますが、予算に合わせて建築会社をローコスト住宅の中から選び、土地の優先順位を上げる方法もあります。
また、ローコスト住宅といっても間取りの自由度は高く、建売住宅よりもこだわった家づくりができる建築会社は多くあります。
予算と設計の自由度のバランスを取れる点が、注文住宅のメリットです。
家を建てる場所・建築会社を自由に選べる
希望のエリアから土地を選び、理想の住宅を建てる建築会社を選べる注文住宅は、オリジナル性の高い家を所有したい人におすすめです。
例えば、鉄骨の平屋や高低差のある土地を活用したインナーガレージなどは、建売住宅ではあまり見かけることがないデザインです。
一方で、注文住宅であれば多くのケースで実現できます。
また、郊外は駅近よりも需要が少ないため建売住宅の総数も少なくなりますが、自由に土地を選べる注文住宅であれば郊外で広い土地を持てるでしょう。
注文住宅は、家づくりの選択肢を広げられるといえます。
注文住宅を建てるデメリット
注文住宅には以下のデメリットがあるため、メリットと合わせてチェックしてください。
- 資金計画が複雑になりやすい
- 希望条件が多すぎると費用が嵩みやすい
- 完成イメージがつきにくい
順番に解説していきます。
資金計画が複雑になりやすい
注文住宅は、資金計画が複雑になりやすいデメリットがあります。
建売住宅は販売価格に諸費用を足すだけで総額を把握できます。しかし、注文住宅の場合は土地と建物それぞれに諸費用がかかり、さらに建物は本体価格以外にも付帯工事や造成費などが必要です。
また、付帯工事や造成費は土地と建築会社によって変動することから、検討している土地と建築会社の組み合わせ次第で何パターンもの資金計画が必要になります。資金計画の複雑さが大きなデメリットといえます。
希望条件が多すぎると費用が嵩みやすい
不動産は、以下のように希望条件を挙げていくとキリがなく、条件の数だけ選択肢は狭まってしまいます。求める条件が多いほど費用が嵩みやすいのも注文住宅のデメリットです。
- 駅近
- ハザードマップにかからない
- 間口が8m以上
- 前面道路が6m以上
- 小学校まで徒歩10分以内
また、好立地であるほど土地は高くなる傾向にあるため、予算オーバーにならないよう希望条件を精査することが重要といえます。
完成イメージがつきにくい
注文住宅の打ち合わせはVRや3Dデザインを使いながら進めていきますが、実際にイメージ通りの家が建つかどうかは完成してみなければわかりません。
そのため、少しの勘違いでイメージとは異なる家になることも多くあります。どれだけ打ち合わせを重ねてもリスクをゼロにはできません。
注文住宅は、建売住宅のように完成イメージを先に確認できないので注意が必要です。
建売住宅と注文住宅はどっちを選ぶ?
結論からいうと、建売住宅と注文住宅のどちらか一方が優れているわけではなく、人によって判断が異なります。
ただし、それぞれに向いている人の特徴はあるため、これからマイホームを検討するのであれば押さえておきましょう。
- 建売住宅に向いている人の特徴
- 注文住宅に向いている人の特徴
ここからは、それぞれに向いている人の特徴を解説します。
建売住宅に向いている人の特徴
建売住宅に向いている人の特徴は、主に以下の通りです。
- 即入居を希望する人
- 建築に関する知識が少ない人
- 予算が限られている人
- 手間をかけたくない人
- 立地やデザインにこだわりがない人
建売住宅は完成しているか、建設が進行中で完成日が決まっている物件が多くあります。そのため、「すぐにでも新居に引っ越したい」と考えている人には適しています。
また、注文住宅の場合は、設計に関する知識が必要になることがありますが、建売住宅の場合はその必要がありません。選ぶだけであり、建築について詳しくない人にも向いています。
建売住宅は一般的に、注文住宅よりもコストが抑えられる傾向にあります。価格が明確であるため、予算計画を立てやすいでしょう。
また、注文住宅は土地の選定から設計、建築までの過程で非常に手間がかかります。建売住宅を選ぶことで、手間を省けるでしょう。
建売住宅は既に建設されているため、立地やデザイン、間取りなどを自由に選べるわけではありません。そのため、特定の条件にこだわりがない人にも適しています。
注文住宅に向いている人の特徴
注文住宅に向いている人の特徴は、主に以下の通りです。
- 自分の理想とする家を実現したい人
- 立地を選びたい人
- 環境に配慮した住宅を求める人
- 時間と労力をかけられる人
- 予算を柔軟に設定できる人
注文住宅は、間取りやデザイン、使用する材料など、細部にわたって自分の希望を反映させられます。自分だけのオリジナルなマイホームを建てたい人には最適です。
注文住宅の場合、理想の立地に自分の家を建てられます。自然が豊かな場所や都市部の利便性の高い地域など、立地にこだわりたい人にも適しています。
また、注文住宅は、環境への負荷が少ない素材の使用や省エネ設備などが設置可能です。環境に配慮した家を建てたいと考えている人にも注文住宅は向いています。
注文住宅は計画から完成までに時間がかかります。設計や建築の各段階において意思決定を行う必要があるため、時間と労力をかけられる人にも最適です。
さらに、注文住宅は建築にかかる費用をある程度柔軟に設定できます。特別な設備を選ぶとコストが上がることもありますが、予算に応じて計画を変更できるので費用に柔軟性を持たせたい人に向いています。
建売住宅か注文住宅かを選ぶうえで重視すべきポイント
ここでは、建売住宅か注文住宅を選ぶうえで重視しておくべきポイントについて解説します。
- 理想の住まいのイメージを持つ
- マイホームをいつまでに欲しいか考える
- 家づくりに使える予算・手間を把握する
順番に見ていきましょう。
理想の住まいのイメージを持つ
理想の住まいは家族間でも異なるため、まずは家族全員で話し合い、理想の暮らしについて方向性を固めておくことが重要です。
例えば、効率の良い生活がしたい場合、土地は駅近が良く建物は平屋がおすすめです。
一方、将来ライフステージが変化し居住場所が移動する可能性がある場合は、建売住宅のほうが売却しやすいメリットがあります。
今後の人生において、どのような家がベストかをイメージすることがポイントです。
マイホームをいつまでに欲しいか考える
マイホームの計画は10年でも20年でも可能ですが、その間に物価は上昇し子供も成長します。
また、40歳を超えると住宅ローンの返済期間を最大では組めず、月々の返済額が高くなってしまうでしょう。
そのため、いつまでにマイホームへ引っ越したいのかを決め、逆算して計画をスタートすることをおすすめします。
家づくりに使える予算・手間を把握する
建売住宅と注文住宅のどちらを選択した場合であっても、資金計画と工数は重要です。
なぜなら、資金計画によって家を建てた後の返済額が明確になり、より具体的な生活をイメージできるからです。
そもそも家づくりにかける時間がないのであれば、一から設計するタイプの注文住宅はあまり適していないといえます。
このように、予算と工数の把握はマイホームを手に入れるうえで大切です。
建売住宅か注文住宅かは基準をもって判断しよう
建売住宅と注文住宅のどちらにするのかで悩む場合は、まずは理想の住まいを具体的にイメージしましょう。理想の住まいを叶えられる可能性が高い住宅を選択することが重要です。
オンリーホームでは、建売住宅と注文住宅のメリットとデメリットを実際に建築された住宅を使って説明し、さらにお客様に合った資金計画を提案しています。
マイホームに関する悩みをお持ちの方は、オンリーホームの展示場までご相談ください。