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注文住宅の失敗事例20選!後悔しないためのポイントも解説
更新日:2024.01.30
この記事では、注文住宅の失敗事例を20選紹介します。
何度も設計して理想のマイホームを計画したにもかかわらず、住んだあとに後悔してしまう人は少なくありません。家づくりは、実際に住んでみないとわからない点が数多くあります。
この記事では、注文住宅で後悔した内容や失敗しないためのポイントを詳しく解説します。家づくりで行き詰まっている人や不安がある人は、ぜひ最後までご覧ください。
【この記事でわかること】
- 項目別の注文住宅で後悔した失敗事例
- 注文住宅で失敗しないためのポイント
注文住宅で後悔した失敗事例1.リビング
家族の憩いの場であり、来客時にもてなす空間でもあるリビングの失敗事例には、以下2点が挙げられます。
- 吹き抜けを設置したら寒かった
- 窓が大きすぎて家具を置きにくかった
それぞれ見ていきましょう。
吹き抜けを設置したら冬が寒かった
開放感を得られる吹き抜けを設置したら、冬に寒くなってしまった失敗事例があります。
吹き抜けとは、二階建て以上の住宅で下階の天井及び上階の床を施工せず、上下階一体の空間にする構造です。メリットとして、建築基準法上の床面積に入らないことや大空間がもたらす開放感を得られること、高窓や天窓によって明るくなることなどが挙げられます。
しかし、吹き抜けのある大空間では、どうしても夏場・冬場におけるエアコンの空調効率が低下します。特に、冬場は暖房によって暖められた空気が上部に溜まってしまい、肝心のリビングはなかなか暖まらないでしょう。
吹き抜けを設置したい場合の対策には、以下3点が挙げられます。
- 家自体の断熱性能をあげる
- シーリングファンで上部に溜まった暖気を撹拌する
- 床暖房で足元から暖める
いずれの方法でもコストアップとなるため、予算との兼ね合いを見て検討してください。
窓が大きすぎて家具を置きにくかった
リビングに大きな窓を設置すると、壁面積が減少して家具やインテリアのレイアウトに苦労するデメリットが生じます。
また、窓は開口部であるため外気温の影響も受けやすく、空調効率の悪化や防音効果の低下を避けられません。保温・防音効果の高いカーテンやシャッターなどが必要になり、結果的にコストアップに影響します。
しかし、大きな窓によりリビングに開放感が出て明るくなったり、日当たりや通風性が良くなったりするなどのメリットもあります。
大きな窓を計画する場合は、事前に採用したい家具やインテリアの寸法を把握しておくことが重要です。リビングの間取り図をレイアウトしながら、窓の大きさや位置を考えましょう。
注文住宅で後悔した失敗事例2.キッチン
ここでは、家事の中で最も使用頻度の高いキッチンにおける下記3つの失敗事例を紹介します。
- 作業台の高さ・広さが適していなかった
- 家電とコンセントの数・位置が対応していなかった
- 奥行きの深い収納で物を取りにくかった
順番に見ていきましょう。
作業台の高さ・広さが適していなかった
キッチンの高さが自分の身長に合っていないと、日々の作業がストレスになるばかりか、腰痛などの健康被害にも影響します。
キッチンの高さは、一般的に「(身長÷2)+5cm」が理想の高さとされています。モデルルームやショールームなどで、実際の高さや使用感を自分でチェックしてください。
また、キッチンの広さを考えるときは、キッチンの横幅・奥行き・通路幅の検討が必要です。生活スタイルに合わせた寸法にしないと、毎日の料理が辛い作業になってしまいます。
それぞれの検討ポイントは以下の通りです。
<横幅(キッチンの間口幅)>
横幅は255〜270cmのサイズが主流です。この範囲であれば、ほとんどの人がストレスなく利用できます。
作業台の幅が90cm程度確保できれば、まな板を置いても余裕を持って作業できます。シンクからコンロまで1歩半程度で移動できるので、料理効率が悪くなることもありません。
<奥行き>
対面式のキッチンでなければ60〜65cm程度が奥行きの目安です。対面のアイランド式やペニンシュラ式なら、80〜100cm確保できれば、リビング側からも利用できるため便利です。
<通路幅>
1人で作業する場合は、背面カウンターとの距離も1歩半(80〜90cm)程度をおすすめします。
後ろを振り返ったときに1歩進んで背面カウンターに手が届く程度の距離を目安に、ショールームなどで体感してみてください。
家電とコンセントの数・位置が対応していなかった
コンセントの数が足りないと、調理器具を使用する都度コンセントの差し替えなければならなくなり、使い勝手が悪くなります。
また、コンセントの位置が悪いと、調理器具が届かなかったり別の家電や家具に塞がれて使用できなかったりなどの不都合が生じ、ストレスを感じるでしょう。
対策として、計画時に以下の手順を実行してみてください。
- キッチンにおきたい調理器具をリストアップする
- 作業をイメージしてよく使う調理家電とコンセントの位置を決める
- 同時に使用する可能性が高い場合は、回線を分けて蛸足配線にしない
コンセントは多ければ良いわけではないので、位置と必要な数をチェックしましょう。
奥行きの深い収納で物が取りにくかった
キッチン周りの用具は小ぶりサイズの物が多いため、奥行きが深すぎると奥の物が取り出せなくなってしまいます。
可能な限り、収納部分が引き出しタイプのものを選びましょう。引き出しタイプは比較的奥の物でも取り出しやすく、限られた収納スペースを無駄なく活用できます。
注文住宅で後悔した失敗事例3.浴室
ここでは、1日の疲れを癒すリラックススペースともいえる浴室での失敗事例を解説します。
- 浴室のテレビは不要だった
- メンテナンスのかかる素材を使用してしまった
- 窓は不要だった
それぞれ見ていきましょう。
浴室のテレビは不要だった
浴室にテレビを設置したものの、ほとんど見ずに不要になった失敗事例があります。
バブル期以降、浴室テレビなどのオプションの需要が高まった時期がありました。2024年現在は、若年層におけるテレビ需要の低下やメンテナンスコストの負担が増えたことから、浴室テレビの需要はそれほど高くありません。
今後、浴室にテレビを設置する必要性はさらに低下するでしょう。
メンテナンスの手間がかかる素材を使用してしまった
思い通りの浴室になったものの、住んでみるとメンテナンス費用で苦労したケースもあります。
人工大理石やタイル、木材などは見た目や質感が良い反面、傷が付きやすく汚れが付着しやすい傾向にあります。
自分好みの素材を選択する際は、耐久性やメンテナンスについて、建築会社や設計士としっかり打ち合わせましょう。
窓は不要だった
浴室に窓を付ける1番のメリットは、自然に換気できることです。しかし、窓を設置したことで以下のように不都合を感じるケースがあります。
- セキュリティに不安を感じた
- プライバシーに懸念があった
- 外の湿気が流入した
- 入浴はほぼ夜間で外の景色が楽しめなかった
- 冬場の浴室が寒かった
換気性能の向上や、水はけの良い素材が普及したおかげで、多くの浴室は常時クリーンな状況をキープできます。窓の設置を考える際は、本当に必要かどうかをしっかり検討しましょう。
注文住宅で後悔した失敗事例4.玄関
ここでは、マイホームの顔ともいえる玄関で後悔した失敗事例を紹介します。
- 玄関が狭く使いにくかった
- 収納スペースが不足していた
- 照明スイッチが遠かった
上記3点をそれぞれ見ていきましょう。
玄関が狭く使いにくかった
マイホームを計画するうえで、玄関は優先度が比較的低く考えられがちです。1人が使用できる程度の大きさしかなく、複数人が同時に出入りできないなどの失敗が起こりやすいでしょう。
大きな荷物がある場合に少しの距離移動でも苦労するほか、来客時も1人ずつしか対応できないため不便に感じられます。
計画の際は、少なくとも大人2人が同時に靴を脱ぎ履きできるスペースを確保しましょう。
収納スペースが不足していた
玄関収納は靴だけを収納する場だと考えていると、実際に住んでからほとんどの人が後悔します。家の中に持ち込まずに玄関周りで片付けたいアイテムは下記のように多くあります。
- 傘
- 子供の部活動用品
- 自転車
- ベビーカー
- ゴルフクラブ等のアウトドアグッズ
- カー用品
- 車椅子等の介護用品
可能な限りシューズボックスとは別に、シューズクロークなどの設計を検討しましょう。
照明スイッチが遠かった
照明スイッチが遠いと、以下のような不満を感じます。
- 夜間スイッチの場所がわかりづらい
- 荷物を両手に抱えているとスイッチが押しづらい
- 鍵穴が見つからない
照明スイッチが遠いと、転倒などの原因にもなりかねません。スイッチは玄関ドアの近くに設置するとともに、可能であれば人感センサー付きにしましょう。
注文住宅で後悔した失敗事例5.外構
ここでは、外構部分に関する以下3つの失敗事例を紹介します。
- 駐車場の大きさが足りなかった
- 庭の手入れが大変だった
順番に見ていきましょう。
駐車場の大きさが足りなかった
駐車するのみの場合、小型普通車であれば「奥行き5.0m×幅2.6m」程度のスペースで十分です。
しかし、左右のドアをストレスなく開けて乗り降りしたり洗車スペースを確保したりしたい場合、奥行きは「6.0m×幅3.0m」程度必要です。
ライフスタイルの変化によって、車の大きさが変わる可能性もあるので、余裕を持った駐車スペースを確保しましょう。
また、駐車場が玄関から離れすぎていると、雨の日や荷物の多い日はストレスを感じてしまいます。そのため、玄関までの動線に注意して計画してください。
庭の手入れが大変だった
庭は家のくつろぎ空間である反面、以下のような声が挙げられます。
- 雑草が生えて手入れが面倒になった
- ち葉の処理に負担を感じら
- 植樹の定期的な剪定にコストがかかった
対策として、防草処理を施工したり植栽は針葉樹から選んだりするほか、剪定が必要な植樹を極力選ばないなどが挙げられます。計画時に建築会社と十分に打ち合わせましょう。
注文住宅で後悔した失敗事例6.収納
ここでは、生活するうえで重要度の高い収納に関する失敗事例を解説します。
- 使う場所の近くに収納が設けられていなかった
- 屋根裏収納は使わなかった
- ウォークインクローゼットに収納し切れなかった
上記3点をそれぞれ見ていきましょう。
使う場所の近くに収納が設けられていなかった
実際の生活動線を意識せずに収納スペースだけをこだわって計画すると、必要時にすぐ取り出せないストレスを感じるでしょう。
例えば、調味料をストックしておきたいのに、パントリーを作っておかなかったなどの失敗があります。また、浴室近くにバスタオルや下着を収納しておきたいのに、浴室収納がなかったり、あっても充実していなかったりなどの失敗もあります。
その都度必要になるアイテムを保管するスペースが確保されていないと、実際に住んでから使い勝手の悪さに後悔してしまうでしょう。収納は、実際の生活動線に沿って計画してください。
屋根裏収納は使わなかった
屋根裏収納の多くは引き出しの階段で昇降するものが多く、その不便さから後悔する人が多くなっています。
季節物や重くて嵩張る物を持って階段を昇降するのは、かなりのストレスです。
また、屋根裏スペースは最大高1.4mまでしか確保できないため、上がれるだけのスペースを確保しても移動しにくくなります。
ウォークインクローゼットに収納し切れなかった
無計画にウォークインクローゼットを設けて、失敗した人もいます。失敗が起こる原因は、ウォークインクローゼットを効果的に利用する方法を理解していないことです。
対策としては以下が挙げられます。
- 歩くスペースを確保しておく
- 収納するアイテムを決めておく
- ウォークイン内でやりたい作業があれば事前に決めておく
ルールを決めないと物置状態になってしまい、出し入れしにくくなります。
また、ウォークインクローゼット本来の機能を生かすためには、ある程度の広さも必要です。
ウォークインクローゼットを計画する際は、本当に必要かどうかを判断することが重要です。
注文住宅で後悔した失敗事例7.住宅性能
ここでは、住宅性能を軽視してしまった場合の失敗事例を解説します。
- 断熱性能が低かった
- オール電化に向いていなかった
上記2点をそれぞれ見ていきましょう。
断熱性能が低かった
自分で住宅性能を決められない建売住宅にありがちな失敗として、断熱性能が低い事例が挙げられます。建売住宅に限らず、注文住宅を計画する際も、建物の気密性を測るC値や断熱性能を示すUA値をチェックすることが重要です。
断熱性能がアップするとエアコンの使用頻度が下がり、光熱費を節約できる効果もあります。
建築会社や設計士と打ち合わせする場合は、事前に断熱性能や気密性能の説明をしっかりと受けましょう。
オール電化に向いていなかった
自身のライフスタイルが、オール電化に向いていない失敗事例もあります。
オール電化のメリットは、電気代の安い夜間電力を利用することで光熱費を下げられることです。しかし、在宅ワークや働き方改革などで日中の在宅時間が増えると、電気代の高い昼間の電力をメインに利用することになり、光熱費が逆に高くなりかねません。
また、オール電化の場合、寒い冬場にお湯が一時的に使えなくなることがあります。オール電化住宅のエコキュートでは、電気代の安い夜間にタンク内のお湯を沸かしておいて、そのお湯を日中利用します。そのため、お湯を使い切ってしまうとすぐに沸かせません。
オール電化を選択する際は、自分の生活スタイルと照らし合わせて検討してください。
注文住宅で後悔した失敗事例8.資金計画
ここでは、資金計画の段階で失敗した事例を紹介します。
- 毎月の負担が想像より大きかった
- ランニングコストを考慮していなかった
上記2点をそれぞれ見ていきましょう。
毎月の返済負担が想像より大きかった
土地と建物だけの金額でマイホームを購入してしまうと、月々の返済額が予想外に大きくなってしまいます。
実際に居住するには、土地・建物以外に以下の諸経費がかかることを覚えておきましょう。
<諸費用>
- 税金(不動産取得税・登録免許税・印紙税)
- 精算金(固定資産税・都市計画税)
- 仲介手数料
- 登記費用(司法書士手数料)
- ローン保証料
- 融資事務手数料
- 火災保険料
<初期経費>
- 家具
- 家電
- 引越し費用
※上記の項目はあくまで一般的な例
諸費用や初期経費は、物件価格の6〜10%程度であり、土地・建物に加算しましょう。
ランニングコストを考慮していなかった
賃貸住宅で生活していた人は、マイホームに住み始めてから発生するランニングコストを失念しがちです。マイホームにおける金銭的負担は、賃貸住宅の頃より大きくなる場合が多いので、注意しましょう。
事前に押さえておきたいランニングコストは、主に以下の通りです。
- 固定資産税・都市計画税
- 光熱費(住宅性能によって差が生じる)
- 修繕積立金
- 維持管理費
- ローン金利
※上記の項目はあくまで一般的な例
光熱費以外の項目は、賃貸住宅にはないマイホームだからこそ必要になる費用です。年間で30〜50万円、月額3〜4万円は見込んでおく必要があります。
注文住宅で後悔しないためのポイント
ここでは、注文住宅で後悔しないためのポイントを以下4つ解説します。
- 理想のマイホームをイメージする
- 設備や仕様の優先順位を明確にする
- すぐに妥協しない
- 担当者と信頼関係を築く
順番に見ていきましょう。
理想のマイホームをイメージする
まずは、自分の住みたいマイホームをイメージしましょう。建築事例を見たりモデルハウスを訪れたりして、マイホームのイメージを膨らませます。
次に、イメージに近づけるポイントを具体的にリストアップします。さらに、リストアップした具体策について予算的な目処をつけておくことも大切です。
最後に、トータルの予算または月々の返済額が収入の20%程度であるかをチェックしておいてください。
設備や仕様の優先順位を明確にする
実現したい設備や仕様は、リストアップしてかかる費用も明確にしておきましょう。失敗しないコツは、一般的に以下の通りです。
- 実現したい要望を全てピックアップする
- 全てのアイテムについて価格をチェックする
- 全体の予算から絶対に外せないもの・外せるものに分別する
予算的に厳しいときは、あっさり諦める割り切りも必要です。
すぐに妥協しない
マイホームで失敗しないための重要なポイントは、わからないことや欲しいものが見つからないときにすぐに諦めないことです。
妥協しないためのポイントには、主に以下の2つがあります。
- 納得できるまでリサーチする
- 建築会社や設計士、インテリアコーディネーターと納得が行くまで打ち合わせる
上記2点により大抵の問題は解決し、解決できなくても理由が明確になりやすいため、納得して次の方向性を決められます。
担当者と信頼関係を築く
家づくりは、素人ではわからない専門知識が必要です。そのため、建築会社の営業担当者や設計担当者とは良い信頼関係を築きましょう。
営業担当者には、設備の専門家やプロのコーディネーター、ローンや税金の専門家など、頼りになる人脈があります。
担当者と良い人間関係を築くことが、要望通りのマイホームを完成させるポイントの1つです。
注文住宅で後悔しないために失敗事例を学ぼう
注文住宅は自分の要望通りに作れることが最大の醍醐味です。しかし、何も考えずに計画を進めてしまうと、間違いなく失敗して後悔することになります。
マイホームは、人生の中で最も負担の大きい買い物といえます。過去の失敗事例を学んで、自分の購入計画を具体的に立てていきましょう。
また、マイホームで必要な専門知識については、専門家の力を借りるのが重要です。
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