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新築とリノベーションはどちらが良い?メリット・デメリットや費用面で比較
更新日:2022.12.26
家を購入する場合、新築を建てるのか中古戸建てを購入しリノベーションするのかを検討することになります。
どちらも新しい空間で生活できますが、それぞれのメリットやデメリット、費用面の違いなどをしっかり把握することが重要です。
そこで本記事では、新築とリノベーションの違いについて解説します。
【この記事でわかること】
- ・新築のメリット・デメリット
- ・リノベーションのメリット・デメリット
- ・新築とリノベーションの費用比較
そもそもリノベーションとは
リノベーションは大規模な改修工事のことで、家の大部分を新しく造り替えることです。似たような工事に「リフォーム」があり、水回りの交換や畳の張替などの工事はリフォームです。
一方、リノベーションは重要な建材や基礎だけを残して、家中を工事する傾向にあります。
また、リフォームは新築と同じ状態に戻す工事で、リノベーションは新築時よりも良い状態にする工事という定義の違いもあります。
つまり、中古戸建てを購入しリノベーションすることで、中古戸建てのリスクである耐久の劣化を対策し、安全に住むことが可能です。
新築とリノベーションはどちらが良い?
新築とリノベーションに明確な良し悪しはなく、比較検討する必要があります。
具体的には性能面や費用面、設計、デザインなど家づくりで重視するポイントによって新築とリノベーションの選択肢は変わるでしょう。
したがって、それぞれの特徴やメリット・デメリットを事前に比較しながら、自分に合った方を慎重に選ぶことが大切です。
新築のメリット・デメリット
ここでは、新築を建てる際のメリットとデメリットについて解説します。
新築のメリット
新築のメリットは、主に以下4点です。
- ・最新設備が整っている
- ・耐震基準に沿っている
- ・維持費用を抑えやすい
- ・メーカーの保証やアフターフォローが充実している
当然ですが、新築は全てが「新品」であるため、優れた最新設備が整っている点は大きなメリットといえるでしょう。他にも、新築では最新の耐震基準や気密性、断熱性能も優れているため、長期的に見ても維持費用を抑えやすい点もメリットに挙げられます。
他にも、メーカーによっては保証制度やアフターフォローが充実しているケースもあり、長く暮らしていても劣化しない家を実現できるでしょう。
新築のデメリット
一方で、新築のデメリットは主に以下2点です。
- ・設計図や間取り図だけでは暮らしをイメージしにくい
- ・条件の良い土地が見つかりにくい傾向にある
新築の場合、建物が完成していない状態で購入するケースがあるため、設計図や間取り図だけではイメージしにくく、完成後に自分の理想と異なっているおそれがあります。
また、立地条件の良い土地などは、すでに買い手が決まっているケースが多く、希望するエリアで土地を見つけにくいデメリットもあります。
リノベーションのメリット・デメリット
ここでは、リノベーションのメリットやデメリットを解説します。新築のメリット・デメリットと合わせて比較検討しましょう。
リノベーションのメリット
リノベーションのメリットは、主に以下の3点です。
- ・中古戸建てでも自由に設計できる
- ・新築よりもコストを抑えられる
- ・物件の選択肢が増える
リノベーションの場合、中古戸建てであっても自分好みの設計ができるでしょう。
さらに、新築とリノベーションで同じ条件を設定した場合、リノベーションの費用は新築より抑えられます。また、リノベーションを前提とした場合は、中古の戸建てを購入することになるので、物件の選択肢が広がり希望のエリアが見つかりやすいといえるでしょう。
リノベーションのデメリット
一方で、リノベーションのデメリットは主に以下の3点です。
- ・建物の状態によっては費用が高額になるケースがある
- ・耐震性能は新築より劣る傾向にある
- ・入居までに時間がかかるケースがある
建物の築年数や劣化状況によっては、リノベーションの費用が高額になるケースがあります。例えば、1981年より前に建築された建物は耐震基準を満たしていないことが多く、新築と比べると耐久性に不安が残り、その分で修繕費なども発生するでしょう。
また、中古戸建ての購入に加え、引き渡しまでの間に建物の検査、設計などの工程が加わるため、入居に時間を要する点も注意が必要です。
新築とリノベーションを費用面で比較
ここでは新築とリノベーションでどのくらい費用が変わるのかを解説します。
イチから造り上げる新築と既存建物を活かすリノベーションでは本体価格(工事価格)だけでなく、それ以外の建物に関する諸費用や税金についても違いがあります。
- ・本体価格(工事価格)
- ・諸費用
- ・税金
トータルコストでは新築よりもリノベーションの方が安くなる傾向にありますが、それぞれの項目でどのくらいの価格差があるのかを把握しておきましょう。
本体価格(工事価格)
ここでは、新築を建てる際の本体価格とリノベーションする際の工事価格について、住宅面積100㎡の2階建て住宅をベースに解説します。
〈新築の本体価格〉
種類 | 本体価格(平均) |
木造2階建て | 1,800万円(60万円/坪) |
鉄骨2階建て | 2,500万円(83万円/坪) |
上記の価格は、国土交通省が公開している「2021年建築着工統計調査」に記載されているデータを基に算出しています。
ハウスメーカーには、ローコスト住宅を主要商品としているケースもあり、その場合は本体価格が1,000万円以下となる場合もあります。一方、ハイグレードな家を建てるハウスメーカーであれば、3,000万円を超えることもあります。
このように、新築を検討する場合は上記の平均価格と合わせて、自分が依頼するハウスメーカーの本体価格も把握しておきましょう。
〈リノベーションの工事価格〉
工事項目 | 内容 | 概算価格 |
建物解体 | 不要な部分を解体、廃棄処分する工事 | 約100万円 |
仮設工事 | 足場やゴミを入れるコンテナの設置工事 | 約30万円 |
内装工事 | 壁紙、床、畳などの改修工事 | 約60万円 |
設備工事 | 水回りや電気設備、太陽光の設置工事 | 約300万円 |
外観工事 | 屋根塗装、外壁塗装、駐車場などの工事 | 約200万円 |
接続工事 | 電気、ガス、水道の接続工事 | 約70万円 |
販管費 | 養生や道路の誘導員設置などの費用 | 総額の20%前後 |
リノベーションの見積は大きく分けて上記の構成であり、内訳が細かく設定されています。どれも必要な項目ですが、初めて聞く内容も多いため詳細がわからない人も多いでしょう。
そのため、全ての項目が理解できるまで担当者に質問することをおすすめします。
また、リノベーションの工事スケジュールを知ることで工事の進捗を確認できます。
万が一、工事が遅延していた場合は引っ越しのタイミングにも影響が出てしまうため、各工事の実施状況はなるべく確認しましょう。
諸費用
新築とリノベーションの諸費用は共通する項目もあるため、どのような項目があるのかをしっかり把握しましょう。
該当有無 | 諸費用内容 | 概算価格 |
新築のみ | 地盤改良費 | 約150万円 |
外構工事 | 約100万円 | |
インテリア工事 | 約50万円 | |
ライフライン工事 | 約120万円 | |
共通 | 住宅ローン保証料 | 借入額の0.2% |
住宅ローン事務手数料 | 約5万円 | |
仲介手数料 | 土地代金×3%+6万円+消費税 | |
火災保険料 | 約50万円(※) |
※:火災保険10年、地震保険5年の契約とした場合の初回費用。
なお、上記の仲介手数料は、土地代金が400万円を超える場合の計算式です。400万以下の場合は以下の通りです。
● 200万円以下:土地代金×5%+消費税
● 200万円を超え400万円以下:土地代金×4%+2万円+消費税 |
新築を建てる場合、あとから費用が追加にならないように、あらかじめ予算を多めに設定して進めるのが一般的です。例えば、地盤改良費は諸費用のなかでも最も高くなりますが、土地によっては不要となるケースもあります。
また、外構についてもDIYしたり他の安い業者に外注したりすることで、費用を抑えることも可能です。このように、最終的な金額は選んだ土地や、ハウスメーカーによって大きく変わるため注意しましょう。
税金
新築とリノベーションでは支払う税金の内容に違いはありませんが、税額は変わります。
そのため、どのタイミングで幾ら支払う必要があるのかを次の表で把握し、支払い遅れがないようにしましょう。
税金の種類 | 新築 | リノベーション |
不動産取得税 | 建物:評価額×3% 住宅:評価額×3%×1/2(2024年3月31日まで) | |
固定資産税 | 評価額×1.4%×1/3(3年間)
長期優良住宅であれば5年間 |
評価額×1.4% |
都市計画税 | 評価額×0.3%(市街化区域以外のエリアでは課税されない) | |
登録免許税 | 建物:評価額×0.4%
土地:評価額×0.2% 抵当権設定:借入額×0.4% |
建物:評価額×2.0%
抵当権設定:借入額×0.4% |
※参考:総務省|地方税制度|不動産取得税
上記の税金のうち、不動産取得税は新築とリノベーション共に軽減税率が設定されています。したがって、どのくらい税金が下がるのかを不動産決済時の司法書士に確認しましょう。
新築とリノベーションがおすすめの人
新築とリノベーションはどちらにも魅力があるため、選ぶのに悩んでしまう人も多いでしょう。ここからは、新築とリノベーションそれぞれに向いている人について解説します。
- ・新築がおすすめの人
- ・リノベーションがおすすめの人
新築を建てるか中古戸建てを購入しリノベーションするのかを悩んでいる人は、是非参考にしてください。
新築がおすすめの人
新築の良い点は耐久性、耐震性、気密性、断熱性に優れており、保証期間がないという点です。
そのため、住んでいる家の資産価値を長期間担保でき、いつまでも快適な住環境に住みたい人には新築がおすすめです。
リノベーションがおすすめの人
中古戸建てをリノベーションする場合は、新築に比べ不動産の購入費用を抑えられるので「予算を抑えつつ、こだわりの間取りや家づくりを実現したい」という人におすすめです。
また、土地探しよりも中古戸建て探しの方が簡単なケースが多く、立地にこだわりたい人はリノベーションが適しているといえるでしょう。
新築とリノベーションに関するよくある質問
ここでは、新築とリノベーションに関するよくある質問を紹介します。
- ・リノベーションと新築はどちらが安い?
- ・築40年の場合はリノベーションか建て替えどちらが良い?
- ・新築をリノベーションした人の具体的な事例は?
順番に見ていきましょう。
リノベーションと新築はどちらが安い?
リノベーションと新築では、リノベーションの方が安くなる傾向にあります。ただし、中古戸建ての状態が悪く、耐震補強する必要がある場合はローコスト住宅と同等の費用が必要です。
したがって、リノベーションを検討する場合は、なるべく築浅物件を選びましょう。
築40年の場合はリノベーションか建て替えどちらが良い?
築40年の戸建ては、建て替えすることをおすすめします。
なぜなら、築40年の中古戸建ては耐震補強が必要となり、リノベーションの中でも大掛かりな改修工事が必要であるからです。
また、基礎や重要な部分の損傷が多い場合はリノベーションしても耐久性に不安が残るため、築40年の戸建てであれば建て替えがおすすめです。
新築をリノベーションした人の具体的な事例は?
新築を建てたあとにリノベーションするケースもあり、次のような事例があります。
- ・大きな部屋を間仕切りし、子ども部屋を造作
- ・和室を洋室に変更し、1階で完結できる間取りに変更
- ・子どもの独立に伴い、1階部分に部屋を増築し2人暮らしに最適な家に仕様変更
上記はあくまで一般的な事例のため、新築を建てる際の参考程度にしましょう。
新築をプチリノベするという選択肢もある
新築を建てるのか、リノベーションするのかは、本記事で挙げたそれぞれの特徴やメリット・デメリットを踏まえて検討しましょう。
また、新築を建てた数年後にプチリノベし、より良い住環境とする選択肢もあります。オンリーホームでは、新築を建てたあとのリノベーションについても、親身に相談を承っています。
新築を建てるかリノベーションで悩む人は、ぜひ一度オンリーホームへお問い合わせください。