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こどもエコすまい支援事業とは?申請対象や条件・補助金額も解説
更新日:2023.06.30
この記事では、こどもエコすまい支援事業の概要と受けるための条件、補助金額、申請方法について解説します。
家を購入する際に使えるこどもエコすまい支援事業とは、どのような制度か気になる人は少なくありません。
この制度を利用するためには、受けるための条件や補助金額、申請方法について事前に知っておく必要があります。また、どのタイミングで申請しても受けられる制度ではないことに注意が必要です。
【この記事でわかること】
● こどもエコすまい支援事業の概要
● こどもエコすまい支援事業を受けるための条件
● こどもエコすまい支援事業の補助金額と申請方法
こどもエコすまい支援事業とは?
こどもエコすまい支援事業とは国土交通省による補助金制度で、子育て世帯や若者夫婦世帯が家の購入やリフォーム工事を率先して行えるよう、後押しすることを目的とした制度です。
また、政府が宣言している「カーボンニュートラル」の実現を図る事業でもあるため、国土交通省だけでなく政府も積極的に進めている制度といえるでしょう。
※参考:カーボンニュートラルとは – 脱炭素ポータル|環境省
こどもエコすまい支援事業の申請対象・条件
この章では、こどもエコすまい支援事業の申請対象や条件を解説します。申請対象と条件は以下の種類別に分かれています。
- リフォーム
- 新築の注文住宅
- 新築の分譲住宅
それぞれ詳しく解説していきます。
リフォーム
リフォーム工事の際に、この支援事業を利用する条件は以下の通りです。
- こどもエコすまい支援事業者と工事請負契約などを締結した上でリフォーム工事を行う
- リフォームする住宅の所有者などである
「こどもエコすまい支援事業者」とは、リフォームを依頼するオーナーに代わって交付申請などの手続きを代行する業者のことです。この業者は交付を受けた補助金を工事発注者に還元することについて、予め本事業に登録をしています。
どの業者に発注依頼をしてもこどもエコすまい支援事業を利用できるわけではない点に注意しましょう。また、対象となる工事は国土交通省によって次のように定められています。
- 開口部の断熱改修
- 外壁、屋根・天井又は床の断熱改修
- エコ住宅設備の設置
- 子育て対応改修
- 防災性向上改修
- バリアフリー改修
- 空気清浄機能・換気機能付きエアコンの設置
- リフォーム瑕疵保険などへの加入
上記の工事のうち、1〜3のいずれかは必須の工事であり、4〜8は1〜3と同時に工事することで対象となります。
つまり、4〜8の工事を単体で実施した場合、こどもエコすまい支援事業は利用できなくなる点に注意が必要です。
新築の注文住宅
注文住宅を建てる際に、こどもエコすまい支援事業者を利用する必須条件は以下の2点です。
- こどもエコすまい支援事業者と工事請負契約などを締結した上で住宅を新築する
- 申請時点において子育て世帯もしくは若者夫婦世帯である
子育て世帯とは「申請時点において、2004年4月2日以降に出生した子を有する世帯」のことです。また、若者夫婦世帯とは「申請時点において夫婦であり、いずれかが1982年4月2日以降に生まれた世帯」のことです。
なお、建築する注文住宅は以下の条件を満たしている必要があります。
- 所有者(建築主)自らが居住する
- 住戸の床面積が50㎡以上である
- 土砂災害防止法に基づく、土砂災害特別警戒区域外に立地する
- 都市再生特別措置法第88条第5項の規定により、第3項の規定に基づいた公表がされていない
- 未完成または完成から1年以内であり、人の居住の用に供したことのない
- 高い省エネ性能(ZEHレベル)を有することが確認できる
- 交付申請時、一定以上の出来高の工事完了が確認できる
あらかじめ、建築する注文住宅が該当するかどうかをチェックしましょう。
新築の分譲住宅
新築の分譲住宅を建てる際にこの支援事業を利用する場合、以下の条件を満たしている必要があります。
- 申請時点において子育て世帯もしくは若者夫婦世帯である
- こどもエコすまい支援事業者と不動産売買契約を締結し、新築分譲住宅を購入する
ただし、新築分譲住宅の購入は宅地建物取引業の免許を有する事業者が売主である場合に限られることに注意しましょう。
なお、新築の分譲住宅を購入する際にこの支援事業を利用するためには、購入する住宅が次の条件を満たしている必要があります。
- 所有者(建築主)自らが居住する
- 住戸の床面積が50㎡以上である
- 土砂災害防止法に基づく、土砂災害特別警戒区域外に立地する
- 都市再生特別措置法第88条第5項の規定により、第3項の規定に基づいた公表がされていない
- 不動産売買契約締結時点において未完成または完成から1年以内であり、人の居住の用に供したことのないもの
- 高い省エネ性能(ZEHレベル)を有することが確認できる
- 交付申請時、一定以上の出来高の工事完了が確認できる
これらの条件を満たしているか、事前に確認しましょう。
こどもエコすまい支援事業の補助金額
この章ではこどもエコすまい支援事業の補助金額について、種類別に解説します。
- リフォーム
- 新築の注文住宅・分譲住宅
順番に見ていきましょう。
リフォーム
リフォームの補助金額は、工事内容と工事によって異なり、補助金額が5万円を超えると対象となります。工事内容と補助金額の詳細は、以下の表の通りです。
工事内容 | 補助金額 |
開口部の断熱改修 | 3,000円~45,000円 |
外壁、屋根・天井又は床の断熱改修 | 20,000円~151,000円 |
エコ住宅設備の設置 | 太陽熱利用システム:27,000円/戸
高断熱浴槽:27,000円/戸 高効率給湯器:27,000円/戸 蓄電池:64,000円/戸 節水型トイレ:19,000円~20,000円/戸 節湯水栓:5,000円/戸 |
子育て対応改修 | ビルトイン食器洗機:21,000円/戸
掃除しやすいレンジフード:11,000円/戸 ビルトイン自動調理対応コンロ:14,000円/戸 浴室乾燥機:21,000円/戸 宅配ボックス:11,000円/戸 |
防災性向上改修 | ガラス交換:6,000円~15,000円/枚
外窓交換:15,000円~37,000円/箇所 |
バリアフリー改修 | 手すりの設置:5,000円/戸
段差解消:6,000円/戸 廊下幅などの拡張:28,000円/戸 衝撃緩和畳の設置:18,000円/戸 |
空気清浄機能・換気機能付きエアコンの設置 | 2.2kW 以下:19,000円
2.2kW超〜3.6kW未満:22,000円 3.6kW 以上:25,000円 |
リフォーム瑕疵保険などへの加入 | 7,000円/契約 |
リフォーム工事を発注する前に補助金額を確認することをおすすめします。
また、原則、補助金額の上限は1戸あたり30万円です。ただし、一定の条件を満たせば補助上限が引き上げられる場合があるため、詳細は国土交通省のサイトを確認しましょう。
新築の注文住宅・分譲住宅
新築の注文住宅を建てた場合、こどもエコすまい支援事業の補助金額は一律100万円/戸です。
また、新築の分譲住宅を購入した場合においても、こどもエコすまい支援事業の補助金額は100万円/戸と一律となっています。
そのため、新築の家を購入、もしくは建てた場合には補助金額が100万円となることを、把握しておきましょう。
こどもエコすまい支援事業の申請方法
この章では、こどもエコすまい支援事業の申請方法について、解説します。
- 申請の流れ
- 申請期間
順番に見ていきましょう。
申請の流れ
申請は主に次のような流れで行われます。こどもエコすまい支援事業の事務局と施工会社、消費者でそれぞれ役割が異なるため、注意しましょう。
ステップ | 概要 | 対象者 |
1 | アカウントの作成・登録申請 | 施工会社 |
2 | こどもエコすまい支援事業に登録 | 事務局 |
3 | 工事請負契約及び共同事業実施規約の締結 | 施工会社と消費者・建築主 |
4 | 工事着手 | 施工会社 |
5 | 交付申請の予約 | 施工会社 |
6 | 工事の完了と引渡し | 施工会社 |
7 | 工事費の清算 | 消費者・建築主 |
8 | 交付決定と通知 | 事務局 |
9 | 実績報告 | 施工会社 |
10 | 補助金額の決定 | 事務局 |
11 | 補助金額の交付 | 事務局 |
契約締結と工事費の清算以外は全て事務局と施工会社の間で手続きが進みます。進捗が気になる場合には、施工会社に随時確認しましょう。
申請期間
こどもエコすまい支援事業の申請期間は、2023年3月31日から予算上限に達するまでとされています。完了報告期間は戸建てと共同住宅によって次のように分かれています。
住宅の種類 | 期間 |
戸建て | 交付決定 ~2024年7月31日 |
共同住宅などで階数が10以下 | 交付決定 ~ 2025年4月30日 |
共同住宅などで階数が11以上 | 交付決定 ~ 2026年2月28日 |
このように、こどもエコすまい支援事業は申請条件をクリアした時点で必ず補助金を受け取れるわけではなく、申請期間内に受理されることが必須となります。
そのため、この支援事業を利用する場合には、なるべく早く打合せを進めることをおすすめします。
こどもエコすまい支援事業の注意点
補助金額の大きいこどもエコすまい支援事業ですが、利用する際には次のような注意点があります。
- 施工会社がこどもエコすまい支援事業に登録しているか確認する
- リフォームの場合は1申請あたりの補助額に下限がある
- 申請が期限前に締め切られる可能性がある
順番に見ていきましょう。
施工会社がこどもエコすまい支援事業に登録しているか確認する
施工会社を選ぶ際は、施工会社がこどもエコすまい支援事業に登録しているか確認しましょう。
前述したように、施工会社がエコすまい支援事業に登録していなければこの支援事業を利用できません。そのため、この事業を利用したい場合は事前に確認しましょう。
リフォームの場合は1申請あたりの補助額に下限がある
リフォームの場合は、1申請あたりの補助額に下限がある点に注意しましょう。
リフォーム工事においてこどもエコすまい支援事業を利用する場合には、補助金額が5万円を超える必要があります。場合によっては支援事業を利用するために複数の工事を発注することになりかねないため、注意しましょう。
申請が期限前に締め切られる可能性がある
申請が期限前に締め切られる可能性があることにも注意が必要です。
こどもエコすまい支援事業に限らず、多くの補助金制度は予算達成と同時に打ち切られます。
さらに、打ち切りになるタイミングは施工会社も消費者も知る方法がないため、補助金を受け取れない可能性も考慮して打合せを進めるべきでしょう。
こどもエコすまい支援事業に関するよくある質問
最後に、こどもエコすまい支援事業に関するよくある質問を紹介します。
- こどもエコすまい支援事業の補助金はいつもらえる?
- こどもエコすまい支援事業は他の補助金と併用できる?
- こどもみらい住宅支援事業との違いは?
順番に回答していきます。
こどもエコすまい支援事業の補助金はいつもらえる?
こどもエコすまい支援事業の補助金は、事務局が金額を確定して施工会社に交付したあと、振り込まれます。
そのため、施工会社にいつ交付されるのかによって、振り込みのタイミングは変化します。
こどもエコすまい支援事業は他の補助金と併用できる?
こどもエコすまい支援事業は、住宅の取得や工事に関する他の補助制度と併用できません。他の補助制度と比較して、最も得できる補助制度を利用しましょう。
こどもみらい住宅支援事業との違いは?
こどもみらい住宅支援制度は2022年11月28日をもって終了した制度です。こどもエコすまい支援事業は後継としての制度といえます。
省エネ性能の高い家にするならこどもエコすまい支援事業を活用しよう
注文住宅を建てたり新築の分譲住宅を購入したりする場合、省エネ性能の高い家を選択する人は、こどもエコすまい支援事業を活用しましょう。
また、リフォームでも家の性能向上や安全性向上に繋がる工事は、こどもエコすまい支援事業の対象となります。
オンリーホームではこどもエコすまい支援事業をはじめとする、さまざまな補助金制度を紹介しています。補助金制度を最大限活用して家づくりを進めたい人は、ぜひオンリーホームへお問い合わせください。