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分割融資とつなぎ融資どっちがお得か比較!それぞれ違いをわかりやすく解説
更新日:2021.04.05
本記事では「分割融資」と「つなぎ融資」について、どちらがお得なのか、どのような違いがあるのかなどを紹介していきます。
住宅ローンは、完成した建物を引き渡すタイミングで融資が実行されます。しかし、注文住宅を建てるときは、土地の購入費用や建物の着手金・中間金など、融資が実行される前にまとまったお金が必要になるため、あらかじめ多額の資金を用意しておく必要があります。
そんなときに利用したいのが、住宅ローンの「分割融資」です。金融機関などで聞いたことはあるけど、どんな融資の方法なのかご存じでない方もいらっしゃるかもしれません。また、つなぎ融資と混同している方も少なくないようです。
具体的な内容を知らない人が多く、中には「分割融資」と「つなぎ融資」を同じと考えている人も少なくありません。
そこで今回は、下記について詳しく解説していきます。
・「分割融資」と「つなぎ融資」はどっちが得をするのか
・「分割融資」と「つなぎ融資」のメリット/デメリット
・住宅ローンの分割融資について
・注文住宅で支払いが必要なタイミング
・住宅ローン、分割融資の金利の選択や諸経費
家を建てる時にまとまったお金が必要になるので、知っておいて損はありません。
分割融資とつなぎ融資、どっちがお得?違いをわかりやすく解説
結論、「分割融資とつなぎ融資のどちらがお得か?」というのは、人によって異なるので一概には言えません。
どこの金融機関で融資を受けるのか、はたまた家が完成するまでの期間がどのくらいか、などによって損得が変動します。
自分がどっちの融資を使用したらいいのかを知る前に、「分割融資」と「つなぎ融資」の違いを軽く知っておきましょう。
ここでは、表を用いて解説していきます。
融資制度 | 特徴 |
---|---|
分割融資 | ・土地や建物を担保にする ・住宅ローンを複数回に分けて受け取れる融資 ・家が完成する前に融資が受けられる ・金利は住宅ローンと同じ ・団信がある |
つなぎ融資 | ・無担保で借入可能 ・住宅ローンとは別の融資 ・金利は住宅ローンよりやや高い ・団信がない |
表を見て分かる通り、「分割融資」は土地や建物を担保としますが、「つなぎ融資」は無担保で借入が可能です。
ただし、「つなぎ融資」は住宅ローンとは別の融資扱いのため、「分割融資」よりも金利が高く設定されているので注意が必要。
2つの融資制度は、それぞれメリットとデメリットが存在するので事前に違いを理解しておきましょう。
分割融資とつなぎ融資のメリットとデメリット比較
ここでは、「分割融資」「つなぎ融資」のメリットとデメリットをそれぞれ紹介していきます。
自分にはどっちの融資が合っているのか分からないという人は、それぞれの特徴を把握してしっかりと理解を深めてから契約しましょう。
分割融資のメリット
「分割融資」のメリットは、大きく分けて以下3つが挙げられます。
1.金利は住宅ローンと同じ
2.条件さえ満たせば住宅ローンの控除が受けられる
3.手元に現金がなくても支払いが可能
それぞれチェックしていきましょう。
メリットその1.金利は住宅ローンと同じ
融資には必ず金利というものが存在していますが、原則として「分割融資」は住宅ローンと同じ金利です。
本来なら住宅ローンとは別で金利計算をする必要がありますが、融資を受ける各金融機関によって金利が決まっているので計算をする必要がありません。
そのため、住宅ローン以上の高い金利がつくことはありません。
メリットその2.条件さえ満たせば住宅ローンの控除が受けられる
土地を取得してから2年以内に建物を完成させて住み始めるなど、条件はさまざまですが一定条件さえ満たせば住宅ローンの控除が受けられます。
そのため、経済的負担を極力減らしたいという人には向いている融資制度だといえます。
メリットその3.手元に現金がなくても支払いが可能
「分割融資」は、手元に十分なお金がなくても、しっかりと返済能力があると判断された場合、各金融機関から融資が受けられます。
着手金や中間金などを手元に資金があれば問題ありませんが、多くの人が住宅ローンを組む際に手元資金が不足しています。
そのため家が完成するまでの間、複数回に分けてその都度融資してくれるのが分割融資の大きな特徴です。
分割融資のデメリット
「分割融資」のデメリットは、大きく分けて以下3つが挙げられます。
1.融資実行時の手数料などが割高
2.必ずしも分割融資を取り扱っているとは限らない
3.土地や建物を担保にする必要がある
それぞれチェックしていきましょう。
デメリットその1.融資実行時の手数料などが割高
「分割融資の場合、利用する金融機関によっては1回の申し込みごとに審査が行われてその度に手数料が発生する場合があります。
・融資実行時の手数料
・抵当権設定の費用など
「分割融資」には抵当権の設定が必要です。
手元に現金がなくても融資は受けられますが、手数料などが割高になることを考えると多少経済的負担は生まれる可能性もあります。
デメリットその2.必ずしも分割融資を取り扱っているとは限らない
多くの金融機関では住宅ローンの取り扱いはあります。
ですが「分割融資」を取り扱っている金融機関は、意外に少ない傾向にあります。
以前に比べて取り扱っている金融機関は増えて来ましたが、まだまだというのが現状。
低金利をウリにしているネット銀行は、特に少ないので注意が必要です。
デメリットその3.土地や建物を担保にする必要がある
土地と建物で個別に申し込みが必要になりますが、土地と建物がセットになって初めて融資が受けられるようになります。
ただし、金融機関の中には建物がなくても土地だけで融資してくれるところもあるとのこと。
詳しくはお近くの金融機関までお問い合わせください。
つなぎ融資のメリット
「つなぎ融資」のメリットは、大きく分けて以下3つが挙げられます。
1.抵当権を設定しなくても利用可能
2.登記費用を抑えることができる
3.団体信用生命保険に加入可能
それぞれチェックしていきましょう。
メリットその1.抵当権を設定しなくても利用可能
「分割融資」では土地と建物を担保にする必要がありましたが、「つなぎ融資」では無担保で融資が受けられます。
ただし全額を融資してくれるわけではないので、ある程度の手元資金は必要です。
メリットその2.登記費用を抑えることができる
できる限り経済的負担を減らしたい場合、軽減税率の特例が受けられる「つなぎ融資」の利用で登記費用を抑えることが可能です。
メリットその3.団体信用生命保険に加入可能
住宅ローンと同じで、団体信用生命保険に加入が可能です。
ローン返済中に万が一債務者が死亡してしまった場合、代わりにローンを返済してくれる制度なので、加入する人は意外に多いです。
つなぎ融資のデメリット
「つなぎ融資」のデメリットは、大きく分けて以下3つが挙げられます。
1.金利がやや高い
2.住宅ローン控除対象外
3.金融機関によって条件が異なる
それぞれチェックしていきましょう。
デメリットその1.金利がやや高い
「分割融資」は住宅ローンと同じ金利ですが、「つなぎ融資」は住宅ローンとは別の融資となるのでやや金利が高くなります。
金利が高くなるということは、経済的負担大きくなる可能性があるということ。
つなぎ融資を受けてから住宅ローンの融資実行日までに時間がかかればかかるほど、その分負担も増すので注意してください。
デメリットその2.住宅ローン控除対象外
「つなぎ融資」は「短期融資」の扱いであるため、住宅ローンの控除対象外となります。
なぜなら、住宅ローンの控除対象となる期間は本来、最長10年と決められているからです。
ですが、あくまでも「つなぎ融資」は控除の対象外であり、住宅ローン自体が対象外になるわけではないので安心してください。
デメリットその3.金融機関によって条件が異なる
「つなぎ融資」は、各金融機関によって融資を受ける際の条件が異なります。
たとえば、A社では土地取得時に「土地売買契約書の写し」の提出が義務付けられているものの、B社では提出が不要なところも存在しています。
融資金額に関しても同じことがいえ、中間金は建築工事請負金額の6割以内のところもあれば3割と設定しているところも珍しくはありません。
利用する金融機関に依存するので、複数の金融機関を比較することをおすすめします。
住宅ローンの分割融資について
これまでも紹介してきた通り、「分割融資」はすべての金融機関で取り扱いがあるとは限りません。
金融機関によって契約内容に違いがあり、分割実行の回数などが違ってきます。
1.契約内容
2.分割実行の回数
3.金利
4.返済タイミング
5.契約締結の違い
ここでは、上記5つにして紹介していきます。
契約内容は金融機関によって異なる
おさらいにはなりますが、各金融機関によって以下のように条件が異なる場合があります。
金融機関 | 分割回数 | 利用条件 | 融資金額 |
---|---|---|---|
A社 | 3回まで | ・「土地売買契約書の写し」の提出必須 ・住宅金融支援機構の買取仮承認済 |
中間金は建築工事請負金額の6割以内 |
B社 | 4回まで | ・住宅金融支援機構の買取仮承認済 | 中間金は建築工事請負金額の3割以内 |
他にもまだまだ契約条件は挙げられますが、全てにおいて利用する金融機関に依存するため複数の金融機関を比較することをおすすめします。
分割実行の回数について
上記でも挙げた通り、分割実行の回数には利用する金融機関によってさまざまです。
・土地取得資金
・着工金
・中間金
・引渡金
上記それぞれをすべて1回ずつ実行してくれる金融機関もあれば、上記の中から特定の費用以外をそれぞれ1回ずつ実行してくれる金融機関もあります。
タイミングに併せて施工業者へ支払いが行える金融機関がおすすめです。
金利について
住宅ローンの金利に関しても、利用する金融機関によって異なるものの、実行される度に金利が変わってしまう場合があります。
もちろん一括して同じ金利に設定しているところもありますし、場合によっては融資の実行タイミングに合わせて金利を選びなおせるところもあるので慎重に選びましょう。
返済タイミングについて
結論、住宅ローンの返済タイミングはさまざまです。
たとえば、A社では融資実行の翌月から返済が開始され、B社では建物の引き渡し直前までは利息のみの返済で、引き渡し完了後に元金分の返済が開始されるなど。
したがって、住宅ローンの返済タイミングは金融機関によって異なります。
契約締結の違いについて
住宅ローンの契約締結の違いについて解説します。
住宅ローンを手続きする際は、各金融機関と必ず「金銭消費貸借契約」を結びます。
契約は分割融資だと1本ですが、利用する金融機関によってはサイド契約を結びなおすところも少なくありません。
ただし、諸費用は増えるものの1度契約を結んでいるので2回目以降に関しては非常に簡易的です。
金利の選択や諸経費
上述のように、分割融資の適用金利は金融機関によっても異なります。なかには、融資が実行されるごとに変動金利か固定金利かを選択できる金融機関もありますし、最初の実行で決めた金利タイプを変えられないところもあります。選択ができれば、その都度トータルの返済額を抑えるチャンスもありますから、金融機関の金利タイプも確認しておきたいところです。
分割融資を実行する際には、諸費用も考えておきましょう。実行するたびに契約を結ぶスタイルの金融機関であれば、その都度、融資手数料や印紙代などが必要になります。また、通常の住宅ローンでは土地と建物をあわせて抵当権を設定登記しますが、分割融資の場合は、それぞれに設定するため、登記費用が二重になることもあります。このように、諸費用が必要になるタイミングも、あらかじめ確認しておきましょう。
注文住宅で支払いが必要なタイミング
ここまで諸々のお金事情について紹介してきましたが、具体的にどのタイミングで費用の支払いが発生するのでしょうか。
1.土地を購入する時
2.着手金を支払う時
3.中間金を支払う時
4.引渡しの時
上記4つのタイミングごとに紹介していきます。
土地を購入する時
土地を購入する時に発生する支払いを「土地取得金」といい、建物よりも先に土地を優先して探したい人がまず初めに訪れる支払いタイミングです。
土地代の支払いがここに当てはまるので、土地の広さや所在地によって価格は変動します。
着手金を支払う時
工事着工時に発生する支払いを「着手金」といい、施工業者と工事請負契約を結んだあとが支払いタイミングです。
金額に関しては建物の価格に依存するので、およそ建築費用の3分の1程度だといわれています。
中間金を支払う時
建物の建築段階で発生する支払いを「中間金」といい、施工業者が棟上げ工事をする前後が支払いタイミングです。
金額に関しては着手金と同じで、およそ建築費用の3分の1程度だといわれています。
ただし、施工業者によっては中間金を支払う必要がないところもあります。
引渡しの時
物件が完成して引渡し段階で発生する支払いを「残金」といい、建築費用の残金をこのタイミングで清算します。
ただし、残金に関しては住宅ローンで賄うのでしっかりと覚えておきましょう。
住宅ローン、分割融資の金利の選択や諸経費
「分割融資」を利用する場合、金融機関によって分割回数や条件などが異なります。
そのため、金利の選択や諸経費などのコストも大きく変わってきます。
固定金利、もしくは変動金利のどちらかで諸経費も変わってくるので注意が必要です。
その差は数十万円から始まり、人によっては数百万も異なるため返済計画をしっかりと把握しておくことが重要です。
まとめ
本記事では、「分割融資」と「つなぎ融資」について紹介してきました。
注文住宅は、基本的に自分たちで完成まで持って行かなければならず、さまざまな工程を踏むためまとまったお金が必要なります。
ですが自分たちが住む家なので、妥協をしたくないという方がほとんどです。
家づくりのことでお悩みの方はオンリーホームにご相談ください。
家づくりはどうすれば良いのか、各制度はどう使えば良いのかなど、住宅に関するご相談はお客様に寄り添って対応させていただきます。
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