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すまい給付金で確定申告は必要? いつもらえるのか、50万円もらえるのかも調査

更新日:2020.10.07

住宅購入の前後には諸費用も含め、まとまった費用がかかります。
そんな時は少しでも負担を減らしたいものですが、国から最大50万円を受け取れる制度をご存知ですか?

実際に住宅を購入した人に対して用意されている現金給付の制度が「すまい給付金」です。この制度ができた背景も含め、詳しい内容や、すまい給付金は確定申告する必要があるのかについて紹介していきます。

この記事では、下記について詳しく解説。

・すまい給付金とは何か?
・すまい給付金の対象となる条件は?
・いくらもらえるのか?
・すまい給付金の申請方法など

それぞれチェックしていきましょう。

すまい給付金とは?確定申告はいるの?

すまい給付金とは、消費税率の引き上げによって住宅を新たに取得する人の負担を緩和するために生まれた制度です。一定の要件を満たして申請すれば、収入額に応じて国から最大50万円の現金が受け取れます。

住宅取得者に対する負担軽減制度には「住宅ローン減税」があります。しかし、住宅ローン減税は支払った所得税から税金を控除する制度なので、収入が低い人は結果的に減税額が小さくなり、あまり十分に恩恵が受けられませんでした。

そのため収入によって給付額が変わる仕組みとなっており、住宅ローン減税の効果と合わせれば、消費税率引き上げによって生じる負担のほとんどの部分を減らせるよう設定されています。

そんな便利なすまい給付金ですが、確定申告は必要なのでしょうか。

次で詳しく紹介してきます。

すまい給付金を受け取ったら確定申告は必要ない

結論として、すまい給付金を受け取った場合に確定申告は必要ありません。

すまい給付金は1つの収入と同じ扱いであり、所得税はもちろん住民税の課税対象となります。ただし、通常の収入とは異なり「一時所得」に分類されるので特別控除がつきます。

最大50万円の現金が国から給付され、給与以外に申告が必要な収入がないのであれば確定申告の必要はありません。

すまい給付金の対象となる条件は?

すまい給付金を受けるには、申請者に対して次のようにいくつかの要件が定められています。

◎住宅の所有者であること(不動産登記上の持ち分保有者)
◎住宅の居住者であること(住民票での居住状況の確認)
◎収入が一定額以下であること(消費税8%時の目安は510万円以下、消費税10%時の目安は775万円以下)
◎住宅ローンを利用しない場合は、50歳以上であること

所有者として持ち分があれば申請ができるので、例えば夫婦共同名義で所有している物件などでは、夫婦双方が同じ物件に対してそれぞれ給付申請できます。

住宅取得の負担を軽減する目的なので、若いうちから住宅ローンを利用しないで住宅を購入する人は資金に余裕があると判断できるため、制度の対象となりません。

また、物件そのものに対する要件もあります。新築か中古か、住宅ローンを利用するかしないかなどによって求められる要件が変わってきます。

◎床面積が50平米以上
◎(住宅ローンを利用する新築の場合のみ)住宅瑕疵担保責任保険に加入した住宅や、建設住宅性能表示制度を利用した住宅など、施工中の検査を受けた住宅
◎(住宅ローンを利用しない新築の場合のみ)フラット35Sと同等の基準を満たす住宅(以下のいずれかに該当)
・耐震性に優れた住宅
・省エネルギー性に優れた住宅
・バリアフリー性に優れた住宅
・耐久性・可変性に優れた住宅
◎(住宅ローンを利用する中古住宅の場合のみ)住宅の品質について第三者機関からの検査を受けていて、一定の品質が確認される以下のいずれかに該当する住宅
・既存住宅売買瑕疵保険へ加入した住宅
・既存住宅性能表示制度を利用した住宅(耐震等級1以上のものに限る)
・建設後10年以内であって、住宅瑕疵担保責任保険(人の居住の用に供したことのない住宅を目的とする住宅瑕疵担保責任任意保険を含む)に加入している住宅又は建設住宅性能表示を利用している住宅

ご自分の状況に当てはまる要件は何か、確認しておきましょう。

すまい給付金はいくらもらえるのか?すまい給付金の算出方法

すまい給付金でもらえる金額は、「給付基礎額×持分割合」という式で算出できます。例えば世帯主が一人で100%物件を所有している場合の持ち分割合は「1(100%)」になりますが、夫婦で半分ずつ所有している場合の持ち分割合は「0.5(50%)」になります。

消費税率が8%の間は、次の表のような給付基礎額が目安として設定されていました。

収入額の目安 給付基礎額
425万円 30万円
425万円超475万円以下 20万円
475万円超510万円以下 10万円

消費税率が10%になって以降は、次のような給付基礎額が設定されています。

収入額の目安 給付基礎額
450万円以下 50万円
450万円超525万円以下 40万円
525万円超600万円以下 30万円
600万円超675万円以下 20万円
675万円超775万円以下 10万円

給付基礎額は「都道府県民税の所得割額」をもとに決められます。「年収」ではなく「都道府県民税の所得割額」を用いる理由は、扶養家族の有無や医療費のかかり方などの諸条件を反映するためです。もちろん個人事業主の場合は、経費の金額が人によって大きく異なります。

こうした諸条件が反映されるため、この表にある収入額の目安と給付基礎額の関係は決してその通りになるとは限りません。

国土交通省が公開しているすまい給付金のポータルサイトでは、実際の年収や扶養状況などに応じていくらの給付が受けられるかを算出できるシミュレーションが公開されています(すまい給付金シミュレーション)。給与所得を受け取っている会社員だけでなく、個人事業主や会社経営者などの事業主も利用できるシミュレーターです。

細かな条件によって実際の支給額が多少変わってくる可能性もありますが、目安として申請前に一度シミュレーションしておくと良いでしょう。

住宅ローン控除とはどう違うのか?

すまい給付金と同じく住宅取得者の負担を軽減する制度に「住宅ローン減税(住宅ローン控除)」があります。

住宅ローン減税は、所得に対して課される所得税や住民税など、自分が支払っている税金から税額の控除が受けられる制度です。収入が多く、たくさんの税金を支払っている人は多くの恩恵が受けられますが、収入が低いともともと課される税金の金額が少ないため、住宅ローン減税で受けられる恩恵も少なくなってしまいます。

つまり住宅ローン減税は、収入が多いほど得をする制度ということです。一方すまい給付金は、収入が低いほど多くの給付が受けられるよう設定されています。

住宅ローン減税とすまい給付金制度を組み合わせることで、収入が低い世帯の税率アップによる負担を軽減し、恩恵が受けられるよう組み立てられています。

すまい給付金の申請方法-もらうための流れ-

ご自分の状況がすまい給付金の申請要件に当てはまる場合、申請手続きを行いましょう。手続きは基本的に住宅取得者本人が行いますが、ハウスメーカーに代行してもらうこともできます。

給付金の受取人も基本的には住宅取得者となりますが、ハウスメーカーに代理受領してもらうことも可能です。

基本的に、住宅の引渡しから1年以内に手続きを行いましょう。2020年9月現在では申請期限が1年3ヵ月に延長されていますが、この延長がいつまで適用されるかははっきりしていません。早めに手続きを済ませておけば安心です。

物件の引渡し、入居後に「給付申請書」およびその他の確認書類を、すまい給付金事務局に郵送します。すまい給付金申請窓口に持参しても良いでしょう。

申請に必要な書類

申請には次のような書類が必要となります。書類の種類が多いので、整理して早めに用意しておきましょう。住宅取得に関する書類はすべて一ヵ所にまとめておくようにすると、手続きがスムーズになります。

これらの書類の多くは住宅ローン減税の申請時にも必要になります。

【共通で必要】
必要なもの 取得場所
すまい給付金の申請書 国土交通省のすまい給付金サイト(すまい給付金サイト

上記から必要事項を入力すれば、記載された申請書がダウンロードでき、ご自宅のプリンター等で入力が可能です。印刷後、空欄に手書きで記入したあと押印し、提出してください。すべて手書きする場合は、下記のサイトからダウンロード・印刷してください。
申請書類のダウンロード

住民票の写し 市区町村役場の窓口
建物の登記事項証明書・謄本 法務局への交付請求(法務局

登記関連の書類は法務局で交付請求しますが、上記のサイトからならオンラインでの交付請求が可能です。ご自宅や会社へ郵送してもらうこともできますし、最寄りの登記所や法務局証明サービスセンターで受け取ることもできます。窓口での交付申請より若干手数料が安く抑えられます。窓口よりも業務取扱時間が長い(~17:15のところ、~21:00)ので、平日なかなか忙しくて窓口に行けないという人にもお勧めです。

個人住民税の課税証明書
(または非課税証明書)
市区町村役場の窓口
工事請負契約書または不動産売買契約書のコピー 契約時にハウスメーカー、もしくは不動産業者から受け取る
振込先口座が確認できる書類 銀行の通帳のコピー
売買時等の検査実施が確認できる書類 検査機関が発行(新築・中古、ローン有無などで申請書が異なる)
【新築住宅で必要】
必要なもの 取得場所
住宅瑕疵担保保険法人検査実施確認書 検査機関が発行
【中古住宅で必要】
必要なもの 取得場所
中古住宅販売証明書 売主(宅地建物取引業者)
【ローンを利用する場合に必要】
必要なもの 取得場所
住宅ローンの金銭消費貸借契約書のコピー 住宅ローン借入先金融機関等
【ローンを利用している場合(新築のみ)に必要】
必要なもの 取得場所
フラット35S基準の適合が確認できる書類 適合証明書の交付を行う適合証明機関

すまい給付金はいつもらえる?50万円もらえるのは本当?

急な申請をしても翌日には振り込まれませんので、ある程度余裕を持って申請するようにしましょう。

すまい給付金がもらえるのは1ヵ月半~2ヵ月後

書類を入手するにも時間がかかるので、提出から実際にすまい給付金が指定の口座に振り込まれるまでにおよそ1ヵ月半~2ヵ月かかるといわれています。

すまい給付金だけでなく、住宅ローン控除の申請も行う人は余裕を持って申請しましょう。

50万円もらえるのは本当

50万円をもらえるのは本当ですが、申請した全員が満額もらえるとは限りません。

先ほども紹介した通り、収入額によって貰える金額は異なるので注意が必要です。

すまい給付金は一時所得

すまい給付金は一時所得にあたりますが、一時所得には50万円までの特別控除があるため、すまい給付金のみでは課税対象となりません。最高でもちょうど50万円までだからです。

ただし、すまい給付金以外にも一時所得があった場合は、確定申告で申請しましょう。この場合はサラリーマンであっても申告手続きが必要です。

まとめ

こちらではすまい給付金の概要や、具体的な手続きの方法について詳しくご紹介しました。マイホームを取得する人の負担軽減のために生まれた制度なので、必ず期限内に申請を済ませて恩恵を受けましょう。

実際の給付額は収入だけでなく、住宅の持ち分割合や扶養家族の有無、医療費のかかり具合などの条件によって違ってきます。「自分の給付額が知りたい」と思ったら、まずはシミュレーターで計算してみましょう。

それでも、まだ不安が残る方は「オンリーホーム」にご相談ください!

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