Column
コラム
老後は持ち家か賃貸かどちらが良い?メリット・デメリットを徹底比較
更新日:2023.07.31
この記事では、老後の生活において持ち家と賃貸のどちらの選択が適しているか、それぞれのメリットとデメリットなどを中心に解説します。
老後の生活をイメージしたとき、持ち家か賃貸かで迷う人は少なくありません。それぞれの暮らしにはメリットとデメリットがあり、正しく知ることで最適な選択ができるでしょう。
この記事では、選ぶ際のポイントも解説していくので、持ち家か賃貸かで迷っている人はぜひ最後までお読みください。
【この記事でわかること】
● 老後に持ち家で暮らすメリットとデメリット
● 老後に賃貸で暮らすメリットとデメリット
● 老後に持ち家か賃貸かを選ぶ際のポイント
【結論】老後は持ち家と賃貸どちらが良い?
老後の生活において、「持ち家と賃貸どちらが良い」と一概には断言できません。なぜなら、老後の生活をどのように過ごしたいのかによって、状況が異なるからです。
ただし、現在の高齢者がどのような生活をしているのかを知ることで、自身の老後をより明確に想像できるでしょう。
この章では内閣府のデータを基に、高齢者の暮らしぶりを解説します。
- 高齢者のいる世帯の持ち家率
- 高齢者の平均所得や貯蓄
順番に見ていきましょう。
高齢者のいる世帯の持ち家率
内閣府のデータによると、高齢者の持ち家率は70代以上で92.2%です。
なお、40代の持ち家率は79.2%、50代は85.6%であることを考えても、高齢者のいる世帯は持ち家を持つ傾向が強いといえます。
高齢者の平均所得や貯蓄
同データによると、高齢者の平均所得は312.6万円で、貯蓄は2,253万円です。このように、現在の高齢者の多くは持ち家に住み、ある程度の貯蓄を持って生活しているといえます。
老後に持ち家で暮らすメリット
老後に持ち家で暮らすメリットは、主に以下の通りです。
- ローン完済後の負担が軽減できる
- 持ち家が資産として残る
- 自分の暮らしやすいようにリフォームできる
順番に見ていきましょう。
ローン完済後の負担が軽減できる
老後に持ち家で暮らす場合、ローンを完済できていれば毎月の負担が軽減できます。
住宅ローンを組んで持ち家を購入した場合であっても、老後の時期であれば住宅ローンを完済していることがほとんどです。
そのため、住宅費用を気にせず、金銭的に余裕を持った老後の生活を送れるでしょう。
持ち家が資産として残る
賃貸生活はどれだけ長く住み続けたとしても、住居は所有できませんが、持ち家はマイホームを所有でき、預貯金以外の資産として手元に残しておけます。
また、将来相続する際にも、持ち家での相続は現金よりも有利になります。
つまり、持ち家はいつでも換金できる資産として保有できるだけではなく、有効な相続対策にもなることを知っておきましょう。
自分の暮らしやすいようにリフォームできる
持ち家で生活する場合、マイホームを自分が暮らしやすいようにリフォームできる点もメリットです。
老後の生活は体調変化が起きやすく、手すりやスロープの設置などのバリアフリー工事が必要になることもあります。
しかし、持ち家であれば自由にリフォームでき、建て替えに近いリノベーションも可能です。そのため、生活の変化に合わせて快適な住環境を維持できるのが、持ち家の大きなメリットといえます。
老後に持ち家で暮らすデメリット
老後に持ち家で生活するメリットが多い一方で、以下のデメリットもあります。
- 購入後に多額の費用がかかる
- 税金やメンテナンス費用がかかる
- 引っ越しが困難になる
持ち家を選択する際には、デメリットも合わせて考慮することが重要です。
購入後に多額の費用がかかる
住宅金融支援機構によると、岐阜県の住宅購入資金は平均3,830万円であり、諸費用を含めると4,000万円を超える費用を支払わなければなりません。
これほどの費用を金利1%の住宅ローンで35年借入して資金を捻出した場合、返済総額は4,700万円を超えます。
このように、持ち家を所有するためには多額の費用がかかり、住宅ローンという債務を抱えるリスクがあることを知っておきましょう。
税金やメンテナンス費用がかかる
持ち家の場合、所有している限りは税金やメンテナンス費用が継続してかかります。
住宅を購入する際には不動産取得税、維持するためには固定資産税がかかります。
これらの税金は賃貸暮らしでは不要となるため、資金計画をする際には忘れず組み込むことが必要です。
また、住宅は築年数の経過によって劣化するため、定期的なメンテナンスが必須です。
10年に1度は屋根塗装や外壁塗装、防水処理、防蟻処理を実施し、木造2階建ての一般住宅であれば約120万円のメンテナンス費用が必要となるでしょう。
引っ越しが困難になる
持ち家はライフスタイルの変化に対応しにくく、引っ越しにくい点もデメリットの1つです。
例えば、子育て世帯が仕事によって転勤となっても、持ち家の場合は移住が難しく、離れて暮らすことになってしまいます。
また、長年住んでいる家を売却し新天地で暮らすことは、豊かな老後の生活にマイナスとなることが少なくありません。
このように、持ち家を持つことで自由に住環境を変えられなくなる点は、大きなデメリットといえます。
老後に賃貸で暮らすメリット
老後に賃貸で生活するメリットは、主に以下の3点です。
- 初期費用が少なくて済む
- 住宅ローン返済のリスクがない
- 引っ越しやすい
順番に見ていきましょう。
初期費用が少なくて済む
賃貸暮らしは一般的に賃料の3ヶ月分あれば住むことが可能なため、初期費用は非常に少なくなります。
岐阜県で持ち家を持つためには、4,000万円を超える費用が必要です。このことからも、老後の生活において金銭的負担を減らしたい人であれば、賃貸暮らしがおすすめです。
住宅ローン返済のリスクがない
賃貸住宅を借りていて住宅ローンを借りていない人は、住宅ローン返済が滞るリスクがありません。
住宅ローンは順当に返済できれば問題ありませんが、返済困難になってしまうと金融機関から催促を受け、最終的には競売によって強制退去となってしまいます。
このように、住宅ローンを組んで持ち家を所有することにはある程度リスクがあります。しかし、賃貸にはこのリスクがなく、万が一賃料が払えない場合には、より安い賃貸に移住するだけで解決できます。
そのため、住宅ローン返済でストレスを感じたくないという点は、賃貸暮らしの大きなメリットといえるでしょう。
引っ越しやすい
転勤や転職による拠点移動をはじめ、気分転換で生活拠点を引越しで変えられる点は賃貸暮らしの大きなメリットといえます。
例えば、賃貸暮らしであれば3年に1度の賃貸借契約更新のタイミングで拠点を変え、心機一転することも可能です。
このように、人生を住環境で縛られたくない人は、賃貸暮らしが向いているといえます。
老後に賃貸で暮らすデメリット
老後に持ち家で暮らすメリット・デメリットがあるように、賃貸で暮らす場合でもメリット・デメリットがあります。
- 契約・更新が困難になるケースがある
- 住んでいる間は家賃が発生する
- 思うようにリフォームできない
賃貸暮らしを検討する際は、前述したメリットと合わせて総合的に判断しましょう。
契約・更新が困難になるケースがある
高齢者になると、契約・更新が困難になるケースがあります。
一般的に、若い頃には賃貸での生活がさほど問題にならなくとも、老後になるとさまざまな要因により状況は変わってきます。
老後に入ると収入が減少することが一般的であり、それに伴い家計の見直しを余儀なくされるケースも少なくありません。このような状況では、賃貸の契約や更新をする際に、収入が不足しているという理由から交渉が難航することが考えられます。
さらに、老後に入ると健康面に不安を抱える人も増えてきます。現在住んでいる賃貸が階段の多い建物であったり、バリアフリーに対応していなかったりする場合、将来的に住み続けることが困難となるでしょう。
また、老後になるとパートナーや家族との同居を希望する人も少なくありません。しかし、賃貸住宅の契約条件では、入居者に制限が生じる場合があります。例えば、一人暮らし向けの賃貸では、家族が同居することができず更新時にトラブルが生じるおそれがあります。
住んでいる間は家賃が発生する
持ち家を購入しても、住んでいる間は家賃が発生する点も賃貸のデメリットです。
持ち家は住宅ローンを完済した時点で、翌月から支払いがなくなります。しかし、賃貸は住んでいる間家賃が発生し、生涯支払いは継続しなければなりません。
つまり、賃貸暮らしは家賃の支払いにかかる予算を確保しておく必要があるといえます。
思うようにリフォームできない
長年住んでいる賃貸住宅であっても、所有権を持っているわけではありません。
そのため、リフォームをするためには大家の許可が必要ですが、資産価値が増えるリフォームでない限りは許可を得られないことがほとんどです。
そのため、高齢者になって住むには危険な住宅であっても改修できず、そのまま住み続けなければならない点も、大きなデメリットといえます。
老後に持ち家か賃貸を選ぶ際のポイント
老後に持ち家と賃貸のどちらを選択してもメリットとデメリットがあるため、どちらを選ぶべきか迷ってしまいます。ここでは、持ち家と賃貸を選ぶ際の2つのポイントを解説します。
- 老後も働き続けるかどうか
- 初期費用とランニングコストのどちらを優先するか
- 立地や環境が老後の暮らしに適しているか
- セキュリティや設備が充実しているか
順番に見ていきましょう。
老後も働き続けるかどうか
老後に持ち家か賃貸かを選ぶ際、働き続けるかどうかは非常に重要です。
老後も働き続ける場合、金銭的な余裕が生まれます。そのため、持ち家を所有して住宅ローンを支払いながら自由な生活を送れるでしょう。
ただし、仕事の都合で移住することが多い場合には、賃貸暮らしの人が向いています。
このように、老後も働くのであれば、仕事の勤務先や内容に合わせて持ち家か賃貸かを選択しましょう。
初期費用とランニングコストのどちらを優先するか
初期費用とランニングコストのどちらを優先するかも、持ち家・賃貸を選ぶ際のポイントです。
持ち家は初期費用が高く、賃貸はランニングコストが高くなります。このことからも、老後の生活においてどちらを優先すべきかを家族で話し合い、決めておくことが重要です。
なお、プロの意見を聞きたい場合には、ファイナンシャルプランナーに相談・依頼すると良いでしょう。お金に関する問題を可視化しながら判断してもらう方法もあります。
立地や環境が老後の暮らしに適しているか
持ち家や賃貸の立地や環境が、老後の暮らしに適しているかも重要です。
現在住んでいる住宅の立地や環境のまま老後を過ごすのであれば、資産を保有しながら自由にリフォームできる持ち家のほうが適しています。
このように、老後の生活をイメージしながら持ち家や賃貸を選択しましょう。
セキュリティや設備が充実しているか
セキュリティや設備が充実しているかも、住環境選びには欠かせない観点です。
持ち家は侵入経路が多く、塀やフェンスがある場合には一度侵入されると、外から見えにくいリスクがあります。そのため、防犯を重視したい場合には、賃貸暮らしがおすすめです。
賃貸暮らしであればオートロックや監視カメラといった設備が充実しており、安心して暮らすことが可能です。
一方で、持ち家においても防犯の手段は多くあります。「賃貸であれば必ず防犯面に優れている」というわけではないので、対策を練りながら総合的に判断しましょう。
老後における持ち家・賃貸の選択肢は自分に合った方を選ぼう
老後に住む家を持ち家にするか賃貸にするのかは、将来のライフスタイルに合った選択をすることが重要です。
生涯にわたって同じ住宅に定住したい場合は持ち家が向いているといえますが、引っ越しを検討している人は賃貸での暮らしが向いている場合もあります。
オンリーホームでは、住まい選びにおいて疑問に思いがちなポイントや、不安に感じやすい点など、お客様に寄り添いながら相談を承ります。
老後の住環境で悩みがある人は、お気軽にオンリーホームにお問い合わせください。