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老後はマンションか一戸建てかどちらを選ぶ?メリット・デメリットを比較
更新日:2023.07.31
この記事では、老後の生活においてマンションと一戸建てどちらを選ぶべきか、メリットやデメリットなどと比較しながら解説します。
老後の生活を考えたときに、生活拠点をマンションにするか一戸建てにするのかで迷う人は少なくありません。マンションか一戸建てかを選ぶ上では、自分の今後のライフスタイルを考えることが重要です。
この記事では老後の生活でマンションと一戸建てでの生活を比較しながら、住み替えを成功させるポイントも解説するので、ぜひ最後までお読みください。
【この記事でわかること】
● 老後にマンションで暮らすメリットとデメリット
● 老後に一戸建てで暮らすメリットとデメリット
● 老後の住み替えを成功させるポイント
そもそも老後の住み替えに適したタイミングは?
住み替えのタイミングは人それぞれですが、ライフステージの変化がきっかけとなるケースが多いといえます。この章では、老後の住み替えを決める4つのタイミングを解説します。
- 子供が独立するとき
- 定年退職するとき
- 介護し始めるとき
- 家に大規模な修繕が必要なとき
順番に見ていきましょう。
子供が独立するとき
老後の住み替えを決めたきっかけの1つに、子供が独立するタイミングがあります。
子供が産まれて成長し、社会人として独立したあとは夫婦2人暮らしになります。この時期になると部屋が余ってしまうケースも少なくありません。
特に子供部屋だった場所は使用頻度が大きく下がり、空き部屋となる期間が長くなってしまいます。空き部屋は掃除の手間がかかるため、快適な暮らしが困難となるでしょう。
この理由から、子供が独立したタイミングは住み替えを検討する時期といえます。
定年退職するとき
長年働いた企業を定年退職するときも、住み替えを考えるのに適したタイミングです。
定年退職して人生の時間に余裕ができると、家の中で過ごす時間が増えます。
そのため、より快適な住環境にするために住み替えし、新しい家で豊かで快適な老後の生活を送るオーナーも少なくありません。
介護し始めるとき
配偶者や親の介護を始めるタイミングも、住み替えに適しているといえます。
配偶者や親の介護をすることになった場合は、現在住んでいる家では効率が悪く、介護に支障をきたすこともあります。
また、家の近くに病院やスーパーがない場合は移動時間が長くなってしまうため、介護しながらの生活は困難といえるしょう。
介護が始まるライフステージになった場合は、住み替えを検討しましょう。
家に大規模な修繕が必要なとき
住んでいる家が老朽化し、大規模な修繕が必要になった際も、住み替えを検討すべきタイミングといえます。
小規模な修繕で済むのであればリフォームで対応できますが、家の傾きや雨漏り、シロアリ被害が発生するほど損傷していた場合、建て替えが必要になります。
しかし、建て替えは高額な費用がかかるため、家を売却して住み替える選択肢も並行して考えるべきでしょう。
このように、家の経年劣化が進んだ時期は、建て替えに加えて住み替えも検討するタイミングとなります。
【結論】老後はマンションか一戸建てかどちらが良い?
老後の生活でマンションと一戸建てのどちらが良いのか、明確な優先順位はありません。
なぜなら、理想の住環境はその人のライフスタイルによって異なり、どちらの環境もメリットとデメリットがあるからです。
ただし、現在の高齢者がどのような生活をしているのかを知っておくことは、将来の老後生活を決める際の参考にできます。
ここでは、以下2点のデータを紹介します。
- 高齢者の平均所得や貯蓄
- 高齢者のいる世帯の持ち家率
なお、上記は内閣府のデータをもとに紹介します。
※参考:1 就業・所得|令和3年版高齢社会白書(全体版) | 内閣府
高齢者の平均所得や貯蓄
内閣府が公開しているデータによると、平均世帯人員が1.56人の世帯では平均所得が312.6万円です。また、50代、60代、70代の貯蓄は以下の通りです。
年代 | 50代 | 60代 | 70代 |
貯蓄額 | 852万円 | 2,330万円 | 2,253万円 |
このことから、退職金が貯蓄に大きく影響しているといえます。
高齢者のいる世帯の持ち家率
内閣府が公開しているデータによると、高齢者の持ち家率は90%を超えており、40代でも80%近くなっています。
そのため、高齢者は賃貸暮らしではなく持ち家に住む意識が非常に強いといえ、今後もその傾向は継続されることが予想されます。
老後にマンションで暮らすメリット
ここでは、老後にマンションで暮らすメリットを詳しく解説します。
- 駅近・バリアフリーが多く生活しやすい
- メンテナンスの手間がかかりにくい
- セキュリティ性が高い
順番に見ていきましょう。
駅近・バリアフリーが多く生活しやすい
マンションの資産価値は立地で決まる部分が大きく、多くの場合では駅近に住めるメリットがあります。
さらに、車椅子が入れるエレベーターやスロープなど、バリアフリーに特化した設備が充実しています。
このように、老後に健康面で不安が生じた場合でも、ライフスタイルを維持しやすい点がマンションのメリットです。
メンテナンスの手間がかかりにくい
マンションに住む場合、メンテナンスは住んでいる部屋の中だけに限られるため、手間がかかりにくい点がメリットです。
持ち家は定期的なメンテナンスが必要であり、日常的に掃除や庭の草むしりなどを実施することになります。
その点、マンションはそれらを全て管理会社に委託できるため、メンテナンスは住んでいる部屋の中だけに限られるメリットがあります。
セキュリティ性が高い
マンションはオートロックや監視カメラがあるため、セキュリティ性が高い住環境といえます。
安心・安全に老後の生活を送るためには、セキュリティ性が高いことが重要です。そのため、老後の生活で防犯を万全にしたい場合は、マンション暮らしがおすすめです。
老後にマンションで暮らすデメリット
老後にマンションで暮らすメリットがある一方で、以下のようなデメリットもあります。
- 面積が比較的小さい
- 管理費などの維持費が毎月かかる
- 騒音や生活音が気になることがある
- 高層階は災害時のリスクがある
順番に見ていきましょう。
面積が比較的小さい
マンションは、一戸建てよりも居住面積が比較的小さい点がデメリットの1つです。一戸建てからマンションに住み替えした場合には不便さを感じる可能性があります。
このことからも、荷物の量によっては暮らしにくい環境になってしまうケースがあります。
管理費などの維持費が毎月かかる
マンションは、管理費などの維持費がかかる点もデメリットの1つです。
定期的なメンテナンスや日常的な掃除、草むしりをしなくて良いのがマンションのメリットですが、その代わり管理費がかかります。
この維持費はマンションに居住する限り継続するため、生涯の資金計画が成り立つのかを把握しておく必要があるでしょう。
騒音や生活音が気になることがある
マンションは「集合住宅」のため、一戸建てよりもさまざまな生活音が聞こえます。また、マンションが駅近だと騒音は比較的大きく、窓を閉める機会が多くなるでしょう。
このように、マンションでの生活は「音」にストレスを感じるおそれがあり、大きなデメリットといえます。
高層階は災害時のリスクがある
マンションの高層階は、災害時の避難に時間がかかる点もデメリットです。
火事や自然災害が発生した場合、エレベーターが停止してしまうと非常階段を使って降りなければなりません。
マンションで暮らす場合は、高層階ほど災害時の避難が遅れてしまう傾向にあることを押さえておきましょう。
老後に一戸建てで暮らすメリット
老後の生活で一戸建てを選択した場合には、以下のメリットがあります。
- リフォームで自分好みの住まいにできる
- プライバシーを確保できる
- 庭などで趣味に没頭できる
- 静かな環境で生活できる
順番に見ていきましょう。
リフォームで自分好みの住まいにできる
一戸建てのメリットとして、自由にリフォームできる点があります。
特に、老後はバリアフリーリフォームなどを実施し、安全に暮らせるよう家を改修する必要があります。そのため、リフォームで自分好みの住まいにできる点は非常に大きなメリットです。
プライバシーを確保できる
一戸建ては人の目を気にする必要がなく、プライバシーを確保できるでしょう。
一戸建てはマンションのような著しい集合住宅ではないため、敷地内を自由に使用できます。
そのため、塀やフェンスを設置することで人の目を気にすることがなくなり、マンションよりも静かな空間で生活できます。
このように、老後に自分や家族だけの空間で暮らしたい人には、一戸建てがおすすめです。
庭などで趣味に没頭できる
庭やガレージを採用すれば、趣味の場所を確保できます。
庭があれば、盆栽やバーベキュー、ゴルフの練習などさまざまな趣味に没頭できます。このことからも、老後の生活を趣味に費やしたい人にとっては、広いスペースがある点は大きなメリットです。
静かな環境で生活できる
一戸建てに住めば、マンションより静かな環境で生活できるでしょう。
マンションは上下左右に他人が住んでいるため、生活音が大きいといったデメリットがあります。その点、一戸建ては敷地内全てが所有しているスペースであるため、当然ながら他人は住んでいません。
つまり、マンションよりも他人の生活圏が遠いため、一戸建ては静かな環境で暮らせる点がメリットといえます。
老後に一戸建てで暮らすデメリット
この章では、老後の生活で一戸建てを選択した場合のデメリットについて、解説します。
- 利便性が悪いケースがある
- 日常的な掃除やメンテナンスの費用がかかる
- 災害時に莫大な修繕費がかかる
老後に一戸建てで暮らす場合もデメリットがあるため、前述したメリットと合わせてチェックしましょう。
利便性が悪いケースがある
一戸建ては、自然に利便性は悪くなる傾向にあるといえます。
駅近や商業施設の近くは雑踏としており、マンションが立ち並ぶエリアであるケースがほとんどです。
一方で、一戸建ては郊外に建築されている傾向にあります。そのため、一戸建てを検討する際には周辺環境を確認し、利便性をチェックする必要があります。
日常的な掃除やメンテナンスの費用がかかる
一戸建ては日常的に掃除や定期的なメンテナンスが必要です。快適な住環境を保つためには、日常的に駐車場の掃除や庭の草むしりなどを実施しなければなりません。
また、定期的なメンテナンスは、一般的に10年に1度の頻度で行われます。メンテナンスのタイミングで外壁塗装や屋根塗装、防水処理、防蟻処理などを実施するため、専門業者に工事を依頼することになるでしょう。
このように、一戸建て住宅を適切に管理するための工数がかかる点がデメリットの1つです。
災害時に莫大な修繕費がかかる
地震や洪水が発生し、家に住めないほどの被害状況になると莫大な修繕費がかかるでしょう。
万が一、全壊レベルの被害を受けてしまった場合は、建物を完全に建て替えすることになり費用がかさみます。
建物の構造にもよりますが、一戸建てはマンションよりも災害に弱いデメリットがあるため、注意が必要です。
老後の住み替えを成功させるためのポイント
この章では、老後の住み替えを成功させるためのポイントを詳しく解説します。
- 老後の資金状況を把握する
- 住環境や生活の利便性を考慮する
- 将来介護が必要になることを想定しておく
順番に見ていきましょう。
老後の資金状況を把握する
老後の住み替えを成功させるためには、老後の資金状況を把握しておくことが重要です。一戸建て・マンションどちらに住むにしろ、金銭的に困らない老後生活にする必要があります。
もし、不安がある場合にはファイナンシャルプランナーなどに相談し、適切な資産状況になるように早い段階で準備しましょう。
住環境や生活の利便性を考慮する
住環境や生活の利便性を考慮することも、老後の住み替えを成功させることにつながります。
老後になると足腰が弱くなり、病気が長引くことも多くなります。
このことからも、駅近やスーパー、病院が近いなどの条件は、安心して老後の生活を送るためにも十分に検討すべきでしょう。
将来介護が必要になることを想定しておく
将来、介護が必要になることを想定して住み替えを検討することも重要です。現在は元気でも、将来は体調が悪化し、最終的に介護を受けるケースが多くあります。
近隣に家族が住んでいなかったり、介護施設が存在しなかったりすると、訪問介護だけで生活しなければなりません。また、自分だけでは生活できないほどの状態になると、最悪のケースでは家を維持できなくなることもあります。
このように、自身の介護についても想定した上で、一戸建てかマンションかを選ぶ必要があるでしょう。
マンション・一戸建ての選択肢は老後に重視するポイントから決めよう
老後に快適な生活を送るためには、マンションか一戸建てかを選ぶ際に自分の優先順位を明確にしておく必要があります。
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