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注文住宅に太陽光発電を設置すべき?デメリットや費用対効果も解説
更新日:2024.10.30
この記事では、注文住宅に太陽光発電を設置すべきか解説します。
太陽光発電は、光熱費の節約につながるほか、災害時も電気を利用できるなどのメリットがあります。ただし、初期費用が大きいなどのデメリットがあることには注意が必要です。
また、注文住宅の太陽光発電には活用できる補助金がいくつか存在します。費用面で不安がある人は、確認してみるのがおすすめです。
ここでは、注文住宅に太陽光発電は設置すべきか、太陽光発電のメリットやデメリット、費用対効果などについても解説するのでぜひ参考にしてください。
【この記事でわかること】
- 注文住宅に太陽光発電を設置すべき?
- 注文住宅に太陽光発電を設置するメリット
- 注文住宅の太陽光発電で活用できる補助金
- 注文住宅に太陽光発電を導入する上でのポイント
注文住宅に太陽光発電を設置すべき?
注文住宅に太陽光発電を設置するのは、費用面や環境面から大きな効果があるといえます。
なぜなら、太陽光発電は光熱費の削減や環境保護、災害対策や住宅価値の向上など、多くのメリットをもたらすからです。特に、注文住宅であれば設計段階から最適な配置を考えられるため、効果を最大限に引き出すことが可能です。
注文住宅に太陽光発電を設置するメリット
注文住宅に太陽光発電を設置するメリットは、以下のとおりです。
- 光熱費の節約につながる
- 売電すれば収益になる
- 災害時も電気を使用できる
- 環境負荷の軽減に貢献できる
順番に見ていきましょう。
光熱費の節約につながる
太陽光発電を導入する最大の利点の1つが、光熱費の削減です。昼間に自家発電で作られた電力を利用することで、電力会社から購入する電力量を減らせます。
夏場などの日照時間が長い時期には、エアコンなどの電力消費が大きくなる一方で、太陽光での発電量も増えるため、大きな節約効果を感じやすくなります。
また、近年の電力料金の値上がりも考慮すると、太陽光発電を設置することで、将来の電力コストの上昇リスクを軽減可能です。初期投資は必要ですが、太陽光発電を導入すれば長期的に電気料金の削減によってそのコストを回収できます。
売電すれば収益になる
太陽光発電システムで生成した電力が家庭内の消費を上回った場合、余剰電力を電力会社に売電できます。光熱費の節約だけでなく、売電収入という新たな収益源を得ることが可能です。
かつては固定価格買取制度(FIT)が非常に高い価格で電力を買取っていましたが、現在もなお売電によって安定した収益が期待できる点が魅力的です。
蓄電池を導入して夜間や曇りの日に発電量が少ない場合でも、昼間に蓄えた電力を効率的に使えます。自家消費率を上げることで、電気代のさらなる節約が期待できます。
災害時も電気を使用できる
日本は、地震や台風など自然災害の発生リスクが高い国であり、災害時の電力供給は重要な課題になるでしょう。
太陽光発電と蓄電池を組み合わせることで、停電時にも自宅で電力を確保できる大きな利点があります。
太陽光発電で発電した電気を蓄電池に貯めておけば、停電が発生しても照明や冷蔵庫、スマートフォンの充電といった最低限の生活インフラを維持できます。
環境負荷の軽減に貢献できる
太陽光発電は、クリーンエネルギーとしての位置づけが強く、環境への負荷を大幅に軽減することが可能です。
従来の化石燃料を利用した発電では、CO2の排出が避けられず、地球温暖化の要因となっています。しかし、太陽光発電は再生可能エネルギーの1つであり、発電過程で二酸化炭素を排出しないため、地球環境への影響を抑えられます。
注文住宅に太陽光発電を設置するデメリット
ここからは、注文住宅に太陽光発電を設置するデメリットを解説します。
- 天候によって発電量が大きく変動する
- 初期費用が大きい
- メンテナンスの手間・費用がかかる
順番に見ていきましょう。
天候によって発電量が大きく変動する
太陽光発電の大きな課題は、天候や季節によって発電量が変動することです。晴天の日には多くの電力を発電できますが、曇りや雨の日、特に冬季には発電量が大きく減少します。
日本のように梅雨の季節がある地域では、長期間発電量が安定しないことがあり、期待していたほどの発電量が確保できないのは、大きなデメリットです。
日照時間が短い地域や、周囲に高い建物や樹木が多い場合は、発電効率が落ちるおそれがあります。このような場所では、太陽光発電を設置してもその効果を十分に発揮できない場合があるため、事前に設置場所の環境や日照条件をしっかりと確認することが重要です。
初期費用が大きい
太陽光発電の設置には、かなりの初期費用がかかります。パネルやインバーター、工事費用などを含めると、数百万円規模の投資が必要となります。
特に、注文住宅においては家全体の建設費用に加えて太陽光発電システムを導入するため、予算オーバーになりやすい点はデメリットです。
また、売電収入や光熱費の削減で初期費用を回収することは可能ですが、それでも回収には10年〜15年程度かかることが少なくありません。
この期間内にシステムが故障した場合や、ライフスタイルの変化で発電量が期待通りでない場合、思ったよりも費用対効果が低くなる場合があります。
そのため、長期的な視点で初期投資を回収する計画を立てることが重要です。
メンテナンスの手間・費用がかかる
太陽光発電システムはメンテナンスフリーではなく、定期的な点検やメンテナンスが必要です。
パネルの表面に汚れやほこりが積もると発電効率が低下するため、定期的なクリーニングや点検が重要です。
また、長期間使用するとインバーターなどのシステム部品の交換が必要になる場合があります。
メンテナンス費用も発生するため、設置にかかるコストの一部として考慮しなければなりません。特に、設置してから数年後に故障が発生した場合、修理費用が高額になることもあります。
注文住宅の太陽光発電で活用できる補助金
注文住宅の太陽光発電で活用できる主な補助金は、以下のとおりです。
補助金 | 制度の概要 | 対象者 | 補助額 | 申請期限 |
ZEH補助金 | ZEHを新築する際に、省エネ性や創エネ性、断熱性などの基準を満たした住宅を対象に補助金が支給される。
|
ZEH住宅を新築・購入する個人、または販売業者。 | ZEH:55万円/戸
ZEH+:100万円/戸 さらにPVTパネル最大90万円、蓄電池最大20万円の追加補助あり。 |
2025年1月7日17:00まで(予算額に達し次第終了) |
東京ゼロエミ住宅補助金 | 太陽光発電や高断熱設備を導入したエネルギー効率の高い住宅に対して補助金を支給する。
東京都内での再生可能エネルギーの普及を目的とする。 |
東京都内で新築または既存住宅に太陽光発電を導入する個人や事業者。 | 1kWあたり12万円(上限36万円) 3.6kW超の太陽光パネルの場合、1kWあたり10万円
|
2024年12月27日まで(予算額に達し次第終了) |
家庭用太陽光発電設備等普及促進補助金 | 岐阜市が提供する補助金で、家庭用の太陽光発電システムの導入に対して支援する。
市内での太陽光発電設備の普及促進を目的とした制度。 |
岐阜市内において、太陽光発電設備を設置する個人。 | 最大出力に1kW当たり7万円 を乗じた額(1,000円未満切捨・上限5kW 35万円) | 予算額に達した時点で申請受付を終了。 |
※参考2:東京ゼロエミ住宅補助金|東京都
※参考3:家庭用太陽光発電設備等普及促進補助金|岐阜市脱炭素ポータルサイト
上記のほかにも、補助金はいくつか存在します。自身の居住している地域の補助金など、チェックするのがおすすめです。
注文住宅に太陽光発電を設置する費用対効果や相場
ここでは、注文住宅に太陽光発電を設置する際の費用対効果について解説します。
- 初期費用・ランニングコスト
- 補助金・節約効果・売電収入
- 太陽光発電によって得する金額
具体的な数値を用いて、どれくらい得するのかを確認しましょう。
初期費用・ランニングコスト
太陽光発電における1kWあたりの設置費用は約25万円〜35万円が相場です。
一般的な家庭向けには5kWのシステムが推奨されており、設置費用はおおよそ125万円〜175万円程度になります。
太陽光パネル自体はメンテナンスフリーといわれますが、インバーター交換などが10年〜15年後に必要です。インバーター交換の費用は約20万円〜30万円程度。
また、清掃や点検を業者に依頼する場合は、年間で1万円〜2万円の費用が発生します。
補助金・節約効果・売電収入
前述したZEH補助金(最大100万円)や、地方自治体の補助金(例:東京都では最大50万円程度)を利用可能です。補助金を考慮すると、実際の初期費用は125万円〜175万円のうち、50万円〜100万円程度軽減される可能性があります。
日本の一般家庭では、年間約5,000kWhの電力を消費すると仮定しましょう。
5kWのシステムは年間5,000kWh〜6,000kWhを発電できるとされており、これにより家庭内の電力消費のほとんどをまかなえることになります。1kWhあたりの電力料金を30円とすると、年間の電気代節約額は15万円〜18万円程度となります。
余剰電力を売電する場合、2024年の売電価格は約17円/kWhです。発電量の約50%を売電に回した場合、年間で約2,500kWhが売電されると仮定すると、年間売電収入は約4.25万円となります。
太陽光発電によって得する金額
太陽光発電によって得する金額を、以下のとおりシミュレーションしました。
● 初期費用+ランニングコスト:100万円 + 30万円 = 130万円
● 収益(節約額+売電収入):150万円 + 42.5万円 = 192.5万円 ● 差額:192.5万円 – 130万円 = 62.5万円 |
このシミュレーションでは、10年間で約62.5万円の利益を得られたことになります。
また、長期的に見れば太陽光発電システムは家計への負担を軽減し、電力価格の高騰にも備えられるため、経済的なメリットが期待できます。
注文住宅に太陽光発電を導入する上でのポイント
ここからは、注文住宅に太陽光発電を導入する上でのポイントについて解説します。
- 太陽光発電に適した屋根を設置する
- 蓄電池の購入も選択肢に入れる
- 信頼できる施工会社に依頼する
順番に見ていきましょう。
太陽光発電に適した屋根を設置する
太陽光発電に最も適した屋根の向きは南向きです。
これにより、1日を通じて最も多くの日光を浴びられます。東西向きでも発電は可能ですが、南向きに比べると効率が落ちることがあります。
また、屋根の傾斜角度も重要です。日本では30度前後の角度が最適とされていますが、地域によって最適な角度は異なります。設計段階でこの点を考慮し、効率の良い屋根の形状を選ぶことが求められます。
また、太陽光パネルの重量を支える耐久性のある屋根材を選ぶことも重要です。
蓄電池の購入も選択肢に入れる
蓄電池があれば、発電量が少ない夜間や雨天時でも、昼間に発電した電力を使用できるため、より自給自足に近い生活が実現します。
災害による停電時に、蓄電池に蓄えた電力を使用できるため、ライフラインとしての機能を果たします。特に日本のような災害の多い地域では、非常用電源としての価値が大きいです。
信頼できる施工会社に依頼する
施工実績が豊富な会社を選ぶことも重要です。
太陽光発電は長期にわたり運用されるので、品質の高い施工が求められます。事前に施工例や口コミを確認し、信頼性をチェックしましょう。
また、システムは長期間にわたり運用されるため、定期点検やメンテナンスが不可欠です。アフターサポートが充実している会社を選ぶことで、安心して運用できます。
注文住宅の太陽光発電に関するよくある質問
ここでは、注文住宅の太陽光発電に関するよくある質問を紹介します。
- 新築に太陽光発電が義務化されるのはいつ?
- 太陽光発電は注文住宅に後付けできる?
- 太陽光発電を導入するならオール電化とガス併用どっちがいい?
順番に見ていきましょう。
新築に太陽光発電が義務化されるのはいつ?
2025年から、東京都で特定の新築住宅に対して太陽光発電の設置が義務化されます。
主に、延べ床面積が2000平方メートル以上の大規模建築物を対象としています。一般住宅で太陽光発電が義務化されるかは未定です。
太陽光発電は注文住宅に後付けできる?
太陽光発電は後付け可能です。
ただし、新築時に設置するよりも後付けには追加の工事費がかかることが多いため、できるだけ新築時に検討するのが理想的といえます。後付けする際は、屋根の強度や設置スペース、日照条件などを考慮し、事前にしっかりと調査を行う必要があります。
太陽光発電を導入するならオール電化とガス併用どっちがいい?
太陽光発電を最大限活用したい場合はオール電化がおすすめです。
太陽光発電で発電した電気を効率的に活用でき、昼間の発電を夜間にも蓄電池で利用できるため、光熱費の削減効果が大きくなります。
また、ガス代がかからないため、ランニングコストもシンプルです。特に昼間に家にいることが多い家庭には最適です。
ガス併用の場合、特に冬場の暖房や調理にガスを使うことで、電力消費のピークを分散できるため、電力の使用量をコントロールできます。
太陽光発電の自家消費を重視する一方で、電気代の高い時間帯にガスを使用できるため、季節や時間帯によって柔軟に対応できるのが強みです。
結論として、太陽光発電を最大限活用したい場合はオール電化が有利ですが、季節ごとの電力消費を分散したい場合や、ガスの利便性を重視するならガス併用も有効な選択肢です。
注文住宅に太陽光発電を設置すると得するのかを計算しよう
この記事では、注文住宅に太陽光発電を設置すべきか解説しました。
注文住宅に太陽光発電を設置する際には、最適なシステムの選択や設置場所、コストの計算などの専門的なサポートが必要です。初期費用だけでなく、メンテナンスなどのランニングコストも考慮するのが重要です。
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