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注文住宅の外構とは?費用相場やおしゃれに仕上げるポイントも

更新日:2024.06.26

この記事では、注文住宅の外構の特徴や役割などについて解説します。

初めてマイホームを建てた人の中には、建物の外観や間取り、インテリアなどに意識が集中して、庭や玄関アプローチなどは後回しになってしまった人も少なくありません。長年生活していく上では、庭やアプローチなどの外構部分も生活満足度を高める重要な要素です。

この記事では、外構の費用相場や失敗事例、対策を解説していきます。おしゃれに仕上げるポイントも紹介するので、外構づくりで悩んでいる人はぜひ最後までお読みください。

【この記事でわかること】

  • 注文住宅における外構工事の費用相場
  • 注文住宅の外構での失敗事例と対策
  • 注文住宅でおしゃれな外構を実現するポイント
  • 注文住宅の外構の流れ

注文住宅の外構とは?

外構とは、敷地内の建物以外の部分にある庭や植栽、塀や門・アプローチ、車庫などの工作物も含めた建物周りのことです。

エクステリアと呼ばれることもありますが、建物の外観同様にマイホームのイメージを決める重要な役割を担っているので、しっかり考える必要があります。

  • 外構の特徴や役割
  • 外構に関係するゾーニングとは

上記の2つについて、順番に解説していきます。

外構の特徴や役割

外構を充実させることで、マイホームの見た目をさらに美しく際立たせられることが、大きな特徴です。外構は外観を際立たせるだけでなく、以下の役割も担っています。

  • プライバシー・セキュリティ対策
  • 災害対策
  • 駐車場対策
  • 安全対策

敷地の外周を囲う塀やフェンスの作り方によって、プライバシーやセキュリティを強化できるだけでなく、子供を敷地内で遊ばせられるなど、安全性も高められるでしょう。

外構に関係するゾーニングとは

ゾーニングとは、アプローチや庭・駐車場・自転車置き場などの位置とスペースを、目的や用途などによって大まかに区分することです。

ゾーニングした後に外構を計画することで、生活動線の確保や景観、プライバシーやメンテナンス性などを高めやすくなります。

外構は、隣地からの見え方や敷地内の高低差を意識してプランニングすることです。

また、建物内のキッチンにアプローチする家事動線や駐車場からの荷物動線なども、ゾーニングの時点で検討することをおすすめします。

注文住宅における外構工事の費用相場

注文住宅における外構工事の費用相場は、建築費用の10〜15%程度を目安にしましょう。例えば、総工費が3,000万円の場合、外構工事の費用は300万円から450万円程度になります。

また、外周面積(敷地面積−建物建築面積)1㎡あたり×3〜5万円程度が目安といえます。具体的な金額は、敷地の広さや使用する素材、デザインの複雑さなどにより変動するため、建築会社や住宅メーカーと打合せをしましょう。

注文住宅の外構での失敗事例と対策

ここでは、注文住宅の外構での失敗事例と対策について解説します。

  • 駐車・駐輪のスペースが狭くて不便だった
  • 照明が足りずに夜が非常に暗かった
  • 植栽が外観に合わなかった
  • フェンスや植栽で近隣トラブルになった
  • 水栓・コンセントが便利な場所になかった

順番に見ていきましょう。

駐車・駐輪のスペースが狭くて不便だった

駐車場を実際に使ってみたら、想定外に車が出しづらく、入庫も数回切り返しが必要だったとなどの失敗がよく見られます。前面道路を使って出入庫する場合、車庫は寸法通りでも前面道路の幅員が十分でないと出入庫が不便です。

主な対策は以下の通りです。

  • 5m×2.5m程度の十分な駐車場のスペースを確保する
  • 前面道路の幅に応じて駐車場の幅を決める
  • 車庫を作る場合は柱の幅を意識して横幅を大きめにする
  • 車庫を作る場合の天井高はできれば5m程度にする

小型〜普通乗用車であれば、前面道路幅員5mの場合、駐車場の幅は最低5m必要です。道路幅員が狭くなるとその分、駐車場の幅を広く取らないと利用しづらくなります。

また、車庫を作る場合は天井の高さに着目しましょう。キャリアを車に設置すると高さに余裕がない場合、駐車のたびに不都合が生じるおそれがあるので注意してください。

さらに、自転車置き場を作らなかった失敗事例もあります。建物の外壁は傷だらけになり、使い勝手もよくない上に見た目も悪くなってしまいます。

玄関ポーチの横や裏の外壁に沿った隙間に停めると、外壁にハンドルの一部やタイヤが触れて、汚れや傷がつく原因になります。

対策としては以下が挙げられます。

  • 将来増加する台数分も含めて自転車置き場を作る
  • 土間コンクリートにできれば台数分のラックを設置する
  • 道路に出やすい場所に作る

自転車置き場は、最低1.9m×0.6mのスペースを用意することをおすすめします。

また、自転車は通勤や通学のためデイリーユースになることが多く、道路に出やすい場所にあることが必須です。

照明が足りずに夜が非常に暗かった

庭の照明を気にせず、ガーデンライトなど全く設置せず、夜になると真っ暗でセキュリティ面に不安を感じてしまう失敗事例があります。

庭に全く照明がないと、帰宅時にアプローチなどの立ち上がり部分に気付かず、躓いたりする危険性もあります。

主な対策は以下の通りです。

  • センサー付きのガーデンライトや、埋め込み式のガイドLEDなどを設置する
  • 植栽やオブジェとの位置関係にこだわり、照明による癒しの空間を演出する
  • 建物の死角になるエリアを把握し、セキュリティも兼ねてガーデンライトを設置する

照明はセキュリティや安全対策だけでなく、照明の種類や使い方によって庭周りに癒しの空間を演出できます。

計画の際は、夜間に土地を訪れてみて周囲の明るさや暗さをチェックした上で検討するとよいでしょう。

植栽が外観に合わなかった

植栽が建物の雰囲気と全く調和が取れなかったという失敗事例も少なくありません。

例えば、自宅の雰囲気が和風モダンなのに、植栽は耐寒性や病害虫に強く手入れしやすいココスヤシをチョイスすると、統一感のない外観になってしまいます。

対策は以下の通りです。

  • 植栽に関する知識がない場合は、専門業者や住宅メーカーと相談する
  • できる限り常緑樹から選び、管理の手間を省く
  • 成長したらどの程度の大きさになるかを事前に把握し、植樹する位置とスペースを決める

植栽も建物のイメージを決める重要なアイテムであるため、建物外観との調和や照明との位置バランスなどを考慮して計画しましょう。

フェンスや植栽で近隣トラブルになった

フェンスや植栽に関する外構の失敗事例も挙げられます。

例えば、隣人が敷地内に塀を作っている一方で、自身は塀を作らなかったため、地面のコンクリートを隣人の塀に直付けしてしまいトラブルになったケースです。

コンクリートを隣人の塀に直付けしてしまうと、何らかの理由でコンクリートを撤去しなければならないときに、塀を傷つけてしまうおそれがあります。

対策として、コスト面が理由でどうしても塀やフェンスを作れない場合は、隣家の塀との間に縁石(地先境界ブロック)を施工して見切りをつけることを検討しましょう。

地面と同じ高さでブロックを境界に沿って敷地内に埋め込んでおけば、コンクリート壊すときに隣家の塀を傷めません。

また、境界に植えた植栽が越境して隣人トラブルになってしまうケースも少なくありません。対策として以下が挙げられます。

  • 境界部分は塀やフェンスなどの人工工作物を採用する
  • 境界近くに植樹する場合は成長しにくい植樹を選び、その上で定期的に手入れする
  • 道路沿いに植樹する場合も交通に影響がないように管理する

成長が早い植物を道路や隣地との境界近くに植える場合は、こまめな剪定が重要です。

水栓・コンセントが便利な場所になかった

外構に水栓をつけなかった際に、不便を感じてしまうケースは多く見られます。洗車や庭の水撒きをしたいときも、キッチンなどからホースで繋いで水を引っ張らなければなりません。

対策として、洗車や植栽への水やり、庭周りや外壁の手入れなどするための外部水栓を設置することが挙げられます。少なくとも立水栓を1つ、散水栓を1つ設置するのがおすすめです。

公園で遊んで帰ってきた子供や散歩後のペットの手足を洗えるので、非常に便利です。

また、屋外コンセントをつけなかったために使い勝手が悪かったケースも考えられます。外壁を掃除するのに高圧洗浄機を利用したい場合でも、屋外コンセントをつけないと利用できないでしょう。

対策は以下の通りです。

  • 屋外コンセントを複数箇所設置する
  • 使用するシーンをイメージして屋外コンセントを設置する場所を決める

高圧洗浄したい場合などは、庭周りだけでなくバルコニーにコンセントがあったほうが便利でしょう。また、庭でバーベキューを楽しみたい場合なども屋外コンセントがあると便利です。

注文住宅でおしゃれな外構を実現するポイント

ここでは、注文住宅でおしゃれな外観を実現するポイントについて解説します。

  • 目的や用途によってゾーニングする
  • 建物との統一感を持たせる
  • 外置きの設備を外から見えにくくする
  • 建築会社の担当者と詳細に相談する

順に見ていきましょう。

目的や用途によってゾーニングする

ゾーニングする際は、自分たちの目的に応じて用途を整理し、優先順位をつけましょう。

ゾーニングする際に検討すべき主な用途を、優先度の高い順に挙げると以下の通りです。

  1. アプローチ(門〜玄関)
  2. サービスヤード(キッチン勝手口周り・洗濯物干し場など)
  3. 駐車場・自転車置き場
  4. メインガーデン(LDKからのアウトリビング・子供の遊び場)

アプローチは、門から玄関にいたるアプローチは建物の顔になる部分です。玄関周りには、シンボルツリーなどを植えておしゃれに演出しましょう。

サービスヤードは、洗濯物干し場や手洗い水栓、購入したものの搬入など日々の生活に必要不可欠なユーティリティスペースです。夜間に利用することも多いので、センサー付き照明の設置なども忘れず検討しましょう。

駐車場や自転車置き場も日々の移動手段、荷物の輸送手段として必要になるスペースです。荷物の搬入動線など、サービスヤードとの行き来も考慮して検討してください。

メインガーデンのレイアウトは、LDKからのアウトリビングになる場合がほとんどでしょう。癒しのスペースにもなるので、照明や植栽を上手に計画して自分好みの空間を演出してください。

また、子供の遊び場としても利用する機会の多い場所であるため、段差を無くしてバリアフリーにする配慮も必要になります。

建物との統一感を持たせる

建物の外観と外構によって、建物のイメージはほとんど決まってしまいます。そのため、色彩とスタイルは徹底的に調和を計りましょう。

外構に使用する素材や色を建物と揃えることで、統一感を演出できます。例えば、建物の外壁と同じ素材や色を使った門柱やフェンスを設置することで、美しい外構が実現します​。

また、周囲の景観に配慮することも大切です。周囲の風景や街並みに調和するデザインを選ぶことで、地域全体の美観にも貢献できます。エントランスやアプローチのデザインにも反映させると効果的です。

リゾート風スタイルや和風モダン、アール・デコ調など、好みのスタイルが決まったら、コーディネーターと相談しながら色合いやアイテムを決めることをおすすめします。

外置きの設備を外から見えにくくする

注文住宅の外構を計画する際には、外置きの設備を見えにくくする工夫が重要です。エアコンの室外機やゴミ置き場など、生活には欠かせない一方で、外観を損なう原因にもなりがちです。

エアコンの室外機やエコキュート、プロパンガス庫などは、なるべく外から見えない位置に置きましょう。どうしても見えてしまう場合は、目隠しフェンスやパネル、植栽を設置して隠す方法もあります。

建築会社の担当者と詳細に相談する

建築会社の担当者に相談することで、おしゃれで使いやすい外構を実現しやすくなります。

外構は建物のイメージを決める役割と、生活必需スペースを確保する役割を同時に満たさなければなりません。これから初めてマイホームを建てる人にとっては難易度が高いでしょう。

建物のイメージが決まったら、調和する外構計画になるべく建築会社の担当者と綿密に打合せすることをおすすめします。建築会社の担当者やコーディネーターの情報量をうまく引き出すことで、理想的なマイホームの実現に近づけるでしょう。

注文住宅の外構工事の流れ

ここでは、注文住宅における外構工事の流れを紹介します。

工程 業者 施主
業者選定:約1ヶ月(※1)
1 事前準備 現地調査
2 打合せ ゾーニング

パーツ・仕様の決定

3 見積り 積算書提出 折衝
4

 

業者決定 工事請負契約書締結
契約時金支払い
1次工事:約1週間
1 既存工作物撤去(※2) 現場チェック
2 土留工事 施工
3 整地 施工
2次工事:2〜3週間
1 インフラ等配管工事 水栓

照明

現場チェック
2 エクステリア建材設置工事 建材品を設置

● ブロック塀

● フェンス

● 門扉

● カーポート

3 地盤工事 地盤工事を施工

● コンクリート

● 芝(人工芝含む)

● タイル

● インターロック

● コンクリート

● 敷石

4 植栽 植樹
竣工
1 引渡し 現場チェック チェック後支払い

※1:外構工事を建築業者に依頼する場合は不要

※2:更地でも障害物がある場合は撤去する

上記は一般的な流れであり、建築会社や施工状況などによって異なります。そのため、あくまで目安として押さえておきましょう。

注文住宅の外構に関するよくある質問

ここでは、注文住宅に関してよくある質問に回答します。

  • 費用をかけずにおしゃれな外構を実現するコツは?
  • 外構の中で特にお金をかけたほうがいいものは?
  • 予算200万円で注文住宅の外構工事はどこまでできる?

疑問の解消にお役立てください。

費用をかけずにおしゃれな外構を実現するコツは?

費用をかけずにおしゃれな外構にするには、以下の方法があります。

  • 汎用性の高いシンプルな素材を使う
  • シンプルなレイアウトを心がけ、曲線などは採用しない
  • オープン外構にする

シンプルな素材として、フェンスは汎用性の高いメッシュフェンスやアルミフェンスを採用するのがおすすめです。コンクリートもスタンプコンクリートのようなデザイン性のあるものではなく、土間コンクリートを使用するとシンプルな見た目になります。

また、機能性や使い勝手を優先して、搬入や家事の動線は最短距離をなるべく直線で結び、シンプルなレイアウトにするのもおすすめです。

さらに、隣家の塀や軒並を利用して、なるべくオープン外構を採用し、フェンスや塀を作らないように計画してみるのも選択肢の1つです。

外構の中で特にお金をかけたほうがいいものは?

外構でお金をかけたい場所は、主に以下の通りです。

  • 玄関周り・アプローチ
  • フェンスと塀
  • 照明設備

玄関周りとアプローチは、建物の外観と合わせてイメージを決める重要なパーツです。高品質な素材を使用し、デザインにこだわることで、美しい外観を実現できるでしょう。

またフェンスや塀は、プライバシーの確保と防犯において重要な役割を果たします。耐久性のある素材を使用し、デザイン性にも配慮することで、長期的に安心して暮らせる環境を整えられます。

さらに、外構の照明も防犯面で非常に重要です。夜間の視認性を高めるために、アプローチや駐車場、玄関周りに十分な照明を設置することをおすすめします。

モーションセンサー付きの照明を導入すれば、無駄な電力消費を抑えつつ、防犯効果を高められるでしょう。

予算200万円で注文住宅の外構工事はどこまでできる?

外構工事にかかる費用の目安を建築総額の10〜15%程度とすると、予算200万円の場合は2,000万円程度の住宅であれば十分な外構が実現できます。

パーツ別の予算の目安は、以下の通りです。

  • 玄関アプローチ:20〜30万円
  • 門扉:20〜25万円
  • 塀・フェンス:10〜15万円
  • テラス・デッキ:15〜20万円
  • 庭周り・植栽:30〜40万円
  • 照明:5〜10万円
  • 車庫・ガレージ:15〜30万円
  • 物置:10〜30万円

上記の予算目安で業者と相談して、満足できる外構にしてください。

注文住宅の外構工事で後悔しないためには

注文住宅の外構工事で後悔しないためには、建物同様に予算やプランの計画をしっかり立てることが重要です。建物の間取りや設備、デザインに意識が行き過ぎて、外構の予算が捻出できなくなる人も少なくありません。

専門性の高い外構の計画は、これから初めてマイホームづくりをする方にとって、かなり高いハードルでしょう。効率的で無駄のない外構工事をしたい場合は、建築会社や住宅メーカーに相談することをおすすめします。

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