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家の寿命は何年?木造・鉄骨・鉄筋の耐用年数を分かりやすく解説
更新日:2022.05.31
マイホームを持つ人にとって、家の寿命がどのくらい持つかという疑問は、非常に気になるポイントです。
人間と同じように、家にも寿命があり、新築時から年数を重ねるごとに変化を伴います。また、家の構造によっても寿命は異なるものです。
今回は、マイホームを持つ人なら知っておきたい家の寿命について、構造による違いにも着目しながら、分かりやすく解説していきます。
そもそも目安の耐用年数と本当の耐用年数は違う?
そもそも、目安の耐用年数と本当の耐用年数は違うのでしょうか?
結論から言えば、目安と実際の耐用年数は異なります。家を建築する際、目安として耐用年数を示す場合がありますが、この年数が過ぎたからといって居住できなくなるということではありません。
日本では、まだ住める状態にある住宅が解体されるケースも多いのが現状で、実際に解体された家のデータを基に算出された耐用年数は、本当の耐用年数よりも短くなるということです。
減価償却の計算に使われる「法定耐用年数」
家の減価償却の計算に使われる「法定耐用年数」とは、実際に住宅として居住が可能であるという価値が認められる年数のことです。
家の法定耐用年数が経過すると、劣化により修繕の必要性が出てきたり、売却する際の建物に対する額が出せなくなったりすることがあります。
1998年に耐用年数が短縮
1998年に、耐用年数は全体的に短縮されました。理由としては、当初の耐用年数が設定された際に使われていた建築材料や建築技術などが、時代と共に変化したからです。
耐用年数の短縮以前に建築された古い住宅を持つ場合は、建築されてから現在までの年数が耐用年数に比べてどのくらいであるかを確かめておきましょう。
家の寿命は何年?
家の寿命が何年もつのかという疑問は、多くの人が特に気になるポイントです。家の寿命は、家の造りによって異なるので、構造別に解説していきます。
・木造の家の耐用年数
・鉄骨の家の耐用年数
・鉄筋コンクリートの家の耐用年数
上記3つに分けて見ていきましょう。
木造の家の耐用年数
木造の家の耐用年数は、およそ30年と言われています。
日本における一戸建ての家の構造は木造が高い割合を占めていて、実際に30年ほどで解体されるケースが多いです。
ただし、必ずしも住めなくなって取り壊される家ばかりではなく、売却のためにまだ住める状態の家を解体して更地にするケースや、ライフスタイルの変化に合わせた建て替えのために解体するケースもあります。
木造の家でも、30年を超えて住み続けられている場合もあるので、目安として捉えておきましょう。
鉄骨の家の耐用年数
鉄骨の家の耐用年数は、およそ30〜50年です。
木造に比べると寿命は長くなり、丈夫な造りをしていて、大きめの家やアパート、マンションによく採用される構造です。木造に比べて建築にかかる費用も上がります。
鉄筋コンクリートの家の耐用年数
大型のマンションなどでよく使われる、鉄筋コンクリートの家の耐用年数は、40〜90年とされ、長い期間住み続けられる造りになっています。
一戸建ての住宅を鉄筋コンクリートの構造にするケースは多くありませんが、特に寿命を長くして住み続けたい場合は、鉄筋コンクリートの家を建てるのも1つの選択肢になります。
寿命が長い家を建てるためのポイント3選
マイホームを建てる際、寿命が長い家を建てたいと考えるのが通常です。ここでは、寿命が長い家を建てるために押さえておくべきポイントを3つ紹介します。
・リフォームやメンテナンスの計画を立てておく
・地震や台風などの天災に強い家にする
・ライフスタイルの変化を考慮した間取りにする
1つずつ解説していきましょう。
リフォームやメンテナンスの計画を立てておく
家の寿命を長くするには、リフォームやメンテナンスの計画をしっかりと立てておくことがとても重要です。
家は年数と共に劣化が進んでいくのが自然な現象なので、外壁や水回りなどの部位により、だいたい何年後にリフォームを行うべきか、あらかじめ計画を立てておきましょう。リフォームにはそれなりの費用もかかるため、計画を立てることでリフォームにあてる貯金を確保しておくこともできます。
また、日常的にメンテナンスすることも大切です。日々のメンテナンスをしっかり行うことで、家の不具合や異常の早期発見に繋がります。
修理の手遅れによる家の寿命短縮を防ぐためにも、計画的なメンテナンスを心がけましょう。
地震や台風などの天災に強い家にする
地震や台風などの天災は、家の寿命に大きく影響するため、天災に強い家にしましょう。
地震の揺れにより、家の目に見えない部分が傷んでしまうこともあるので、寿命を長くするためには、耐震性を重視して家を建てることがポイントです。
ライフスタイルの変化を考慮した間取りにする
ライフスタイルの変化により、住むのに不便が生じ、家を解体せざるを得なくなるケースもあるので、将来的なライフスタイルの変化を考慮した間取りにすることも大切です。
例えば、車いすでも生活できるように廊下の幅を広くしたり、段差を少なくしたりすれば、高齢になってからも長く住み続けられます。
また、子供の人数の変化や成長に合わせて部屋数を増やし、逆に独立して家を出ていく際にも間取りの調整ができるよう、可動式の間仕切りを取り入れておくのも良い方法です。
家の寿命を長くするために、長い将来を見据えたライフスタイルの変化を考慮して家づくりしましょう。
今の家の寿命を長くするポイント3選
すでに今住んでいる家の寿命を長くしたいという場合、以下の3つのポイントを押さえることで、寿命を延ばせます。
・外観・内観の日常的なクリーニングを行う
・メンテナンス次第で建物の実際の寿命は変わる
・火災保険や地震保険に加入する
内容を1つずつ詳しく見ていきましょう。
外観・内観の日常的なクリーニングを行う
今の家の寿命を長くするための基本として、外観と内観の日常的なクリーニングを行うことがとても重要です。
外観は、外壁や雨どいなどをきれいに保つことを心がけ、こまめなクリーニングをきちんとすることで、家の外観を長持ちさせられます。また、日常的にクリーニングしていれば、外壁の傷や雨どいの詰まりにも早く気付き、素早い対処ができます。
内観は、浴室やトイレなどの水回りのクリーニングを特に重視しましょう。水回りは、水漏れや詰まりなどの異常が出やすい箇所でもあり、日常的なクリーニングを怠ると、家本体の構造にまで影響を及ぼすケースもあります。内観のクリーニングを日常的に行えば、家全体の寿命を長くすることに繋がります。
メンテナンス次第で建物の実際の寿命は変わる
家の寿命は、メンテナンス次第で大幅に変わります。メンテナンスがきちんとされていれば、家の異常や不具合に対する処置も早くなり、良い状態を保てますが、メンテナンスが不十分な場合、異常や不具合が放置され、家の状態の悪化が早まります。
例えば、壁紙のはがれや傷、床の軋みや変形を見つけた場合は、早めに張り替えなどの処置をしましょう。また、水回り設備の部品の劣化に気付いた際も、早めに部品交換するなど、メンテナンスをしっかりと行いましょう。
建物が古くなってきても、メンテナンス次第で家を長持ちさせることは可能です。
火災保険や地震保険に加入する
通常の居住による家の劣化に関しては、日々のクリーニングやメンテナンスで寿命を長くできますが、火災や地震による家の傷みに備えるためには、保険に加入しておくことも大切なポイントです。
火災や地震などの天災の影響を受けた場合、家の修繕には高額な費用がかかることが多くあります。火災保険や地震保険など、補償の内容には様々な種類があるので、家の寿命を長くするためにも、内容をよく確認した上で保険に加入しておきましょう。すでに加入している場合も、補償内容を見直し、必要があれば内容の変更も検討しましょう。
家の寿命を延ばすためのメンテナンス方法3選
家の寿命を延ばすために行うべきメンテナンス方法は、築年数によって異なります。
・築10年を迎えた家の場合
・築15年を迎えた家の場合
・築20年を迎えた家の場合
上記3つの場合に分けることで、築年数に応じて求められるメンテナンス方法が分かりやすく見えてきます。それぞれの具体的な方法を解説していきます。
築10年を迎えた家の場合
建築から10年が経つと、外壁や床下、室内の壁紙など、主に家の構造に関わる部分のメンテナンスが必要になります。
例えば、外壁塗装やサイディングのメンテナンスや、床下のシロアリ対策、壁紙の張り替えなどが該当します。
築10年の時期は、メンテナンスについての意識が薄く、家の劣化を気にせず住み続けられてしまうケースも多いですが、この時期のメンテナンスをするかしないかで、将来の家の状態に大きく影響します。
家の寿命を延ばすためには、築10年の段階で適切なメンテナンスを行いましょう。
築15年を迎えた家の場合
築15年を迎えると、特にメンテナンスが必要となるのは水回り設備です。
浴室やトイレの設備、キッチンの換気扇、給湯設備などが劣化により不具合を発生させやすい時期なので、異常が見られた場合は、さらなる劣化が進む前に対処することが大切です。
水回り設備は、長く住む上で必要性の高い大事な部分なので、費用がかかってもきちんとメンテナンスしましょう。
築20年を迎えた家の場合
築20年を迎えると、全体的に本格的なリフォーム工事を要する箇所が増えてきます。
具体的には、キッチンや浴槽の本体交換や、フローリングの張り替え、ドアなどの建具交換が必要となる時期になります。メンテナンスに伴う費用も、比較的高額な場合が多くなります。
築20年を迎える前までに適切なメンテナンスをしたかどうかで、修繕が必要となる箇所も大幅に変わってきます。
後になって大量のメンテナンスの必要性が一気に押し寄せて来ないよう、早い段階から適切にメンテナンスしておくことが大切です。
家の寿命に関するよくある質問
家の寿命に関して多くの人が疑問を抱く、よくある質問を3つ紹介します。
・寿命が近づいた家はどうすればいい?
・寿命を迎えた家は売却できる?
・今の家に長く住み続けるコツは?
それぞれ回答と合わせて見ていきましょう。
寿命が近づいた家はどうすればいい?
家の寿命が近づいてきたら、売却して引越しをするか、一度解体し建て替えをして住み続けるかの2通りのケースが主に考えられます。
売却を検討する場合、家の価格がどのくらいになるのか査定しましょう。
寿命が近い家は、一般的に経年劣化のため価格が安くなるケースが多いということは、事前に頭に入れておくべきポイントです。家の古さによっては、建物には価格がつかず、土地代のみとされる場合もあります。
家の建て替えを検討する場合は、解体費用や新たな家の建築費用などのコストがかかりますが、その時点での理想を新しい家の間取りに反映できるというメリットもあります。
建て替えの最中には仮住まい用の住宅を探し、2回の引越しが必要となるので、それなりの手間がかかる点も踏まえた上で検討しましょう。
さらに異なる選択肢として、家の骨組みなど構造部分だけを残した大規模リフォームすることも、1つの方法です。建て替えに比べかかる費用も安く済むので、寿命が近づいた家にコストをあまりかけずに住み続けたい人にはおすすめです。
寿命を迎えた家は売却できる?
寿命を迎えた家でも、売却は可能です。ただし、築年数が経ち経年劣化しているため、売却時の家の価格はあまり高くならないケースが多いことを理解しておきましょう。
売却を検討する際は、査定額を確認した上で売るかどうかを決めるのが重要です。家の査定は複数の不動産会社へ依頼し、査定額を比較しましょう。
不動産会社によって特色が異なるので、古めの家の売却を得意とする会社を見つけて依頼するのがおすすめです。
今の家に長く住み続けるコツは?
今住んでいる家に長く住み続けるには、日々のメンテナンスを怠らないことが重要です。
日常生活の中で家の設備や外観に意識を向け、何かしらの異常や不具合が発生したら早めの対処を心がけましょう。
今の家を大切に思い、きちんとしたメンテナンスを継続することが、長く住み続けるコツです。
まとめ:家の寿命を長持ちさせられるようにメンテナンスの計画を練ろう
家の寿命を長持ちさせるためには、しっかりとしたメンテナンスが必要不可欠です。
メンテナンスに手をかけることで、家の寿命は大幅に変わってきます。築年数を目安に、今後行うべきメンテナンスの計画を練って、家の寿命を長持ちさせましょう。
オンリーホームでは、コストを抑えながらも高性能な設備を導入した、長く快適に住める家の提供を大切にしています。良質な設備の整った寿命の長い家づくりをご検討の際は、ぜひお気軽にご相談ください。