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家の建て替えにかかる費用はいくら?建て替えとリフォームお得なのはどちら?
更新日:2022.03.30
今住んでいる家が古くなってきた場合、建て替えやリフォームが選択肢に入ってきます。
しかし、家の建て替えにはいくらかかるのか、どの様に進めるのかがわからないという方方も多いのではないでしょうか。
建て替えはどのような建物か、どのような土地なのかといった条件によって費用が大きく異なります。
そこで今回の記事では家の建て替えの流れや費用、相場、注意点や対策などについて解説します。
リフォームやリノベーションとの比較もまとめましたので是非参考にしてください。
建て替えの前に確認しておくこと
建て替えを行う場合には、下記の3つを確認する必要があります。
・再建築の可否の確認
・登記の再確認
・仮住まいの確保
再建築の可否の確認
家の建て替えをする前に再建築の可否を確認する必要があります。
物件には「再建築不可物件」とよばれるものがあります。
再建築不可物件の場合、そもそも建て替えができません。
なかでも、接道義務を果たしていないものは再建築不可物件といわれ、たとえ解体したとしても建て替えはできません。
その一方、住居が建つ位置を後退させるセットバックを行った場合は例外として再建築可能物件として扱われます。
家の建て替えを行う際には、最初に再建築の可否を確認しておきましょう。
登記の再確認
不動産はそれぞれの物件ごとに不動産登記というものが行われます。
不動産登記には該当の土地や建物がどこにあり、どのような状態なのかが記載されています。
併せて所有者や住宅ローンなどの情報も記載されているのが特徴です。
これらを建て替える前に一度、確認してトラブルを未然に防止しましょう。
仮住まいの確保
家の建て替えを行う場合、当然ながら建て替えが終わるまではその物件に住み続けることは出来ません。
仮住まいの候補としては実家・賃貸・その他の宿泊施設などがあります。
予算に余裕のない方は実家がおすすめですが、短期間でも可能な賃貸マンションや賃貸アパートもおすすめです。
近年は、ウィークリーやマンスリーの賃貸物件も多く、1週間単位~1ヵ月単位で借りられる物件もありますので、そういった賃貸物件を活用しましょう。
建て替えの流れ
ここからは家の建て替えの流れについて見ていきましょう。
対応する工務店やハウスメーカーによっても異なるものの、大まかな流れは同じです。
以下、その流れについてまとめます。
1.建築業者の選定
2.建築計画の決定
3.住宅ローンの申請
4.解体業者の選定
5.仮住まいの選定
6.引っ越しの実行
7.地盤の調査と改良
8.解体工事の実行
9.新築住宅の着工と竣工
建築業者の選定&建築計画の決定
まずは工務店やハウスメーカーなどの建築業者を選定し、建築計画を決定していきます。
これらはインターネットで探す他、住宅展示場やモデルルームを実際に見て探すのがおすすめです。
その後、建築業者が決まったら具体的に建築計画を進めていきます。
住宅ローンの申請
どのような住宅になるのか方向性が決まったら金融機関に住宅ローンの申請を行います。
この際、無理のない返済計画を立てていないと審査に落ちる可能性があるほか、審査に通ったとしても生活が苦しくなる場合もあります。
そのため、住宅ローンの申し込みの際には金融機関とよく相談して決めましょう。
解体業者の選定
家の建て替えは土地を選定する必要がないものの、既存の建物の解体が必要となります。
旧居が残っている状態では新居を作ることもできないので、必ず解体業者を挟まなくてはなりません。
工務店やハウスメーカーの中には解体工事から請け負ってくれるところもあるため、事前に相談してみることをおすすめします。
仮住まいの選定&引っ越しの実行
解体の予定が決まった段階に入ったら引っ越しの準備です。
前述のように仮住まいが必要となるため、実家に帰るなり集合住宅を契約するなり、自分たちに合った方法を選ぶ必要があります。
地盤の調査と改良
地盤の強度については、基準を満たしているかどうか調査してもらわなくてはなりません。
そのなかで万が一、強度が不十分であるということであれば改良も必要となってくるでしょう。
それら建築に取り掛かるまでの期間が長引くとコストもさらに増していくので、これら地盤関連の調査や改良も前もって進めておくことが大切です。
解体工事の実行
諸々の予定が決まったらいよいよ解体工事の実行となります。
これにより、旧居を取り壊し、新居を作るためのスペースを確保するわけです。
ただ、解体工事は騒音や振動が発生するだけではなく、粉塵や瓦礫も発生します。
そのため、近所への挨拶も必要となるでしょう。
さらには電気や水道、ガスなども一時停止の対応も必要です。
その間、解体業者は足場や養生を設置するなど、作業に必要な準備を進めてくれます。
無事に解体工事が終われば、新築住宅の建築へと進みます。
新築住宅の着工と竣工
解体工事によって更地になり地盤も整ったら、建築業者が新築工事に入ります。
最後に完成して引き渡しが済めば、家の建て替えは完了です。
建て替えにかかる費用
ここでは家の建て替えで必要となる費用を一覧にしてまとめます。
解体費用 | ・木造住宅:1坪あたり2~3万円 ・鉄骨住宅:1坪あたり3~6万円 ・鉄筋コンクリート住宅:1坪あたり4~7万円 |
登記費用 | ・約5万円 |
測量費用 | ・約30万円 |
地盤費用 | ・地盤調査:約5~25万円 ・地盤改良:約3万円 |
引越費用 | ・約10~15万円 |
建築費用 | ・1坪あたり約50万円 |
税金 | ・不動産税:建築価格×1/2×3% ・登録免許税:不動産価格×0.4% |
解体費用は約30坪の住宅であれば最低60~100万円以上かかることもあります。
併せて登記費用が約5万円、測量費用が約30万円、地盤費用が約30坪の住宅で約100万円かかります。
さらに引越費用や建築費用、税金などもかかるため、総じて約200万円前後の建て替え費用がかかる計算です。
それらに加えて新築住宅を建てる際のコストが上乗せされるため、最低でも3,000~4,000万円ほどの建て替え費用がかかる計算となります。
ただし、これらは坪数によっても異なります。
坪数ごとの建て替え費用相場
建て替えは数千万円単位でお金が必要となるわけですが、それらは坪数によっても大きく変動します。
原則として建て替えする坪数が広くなるほど高く、狭くなるほど安くなると覚えておきましょう。
一般的な家庭を想定し、30~50坪の費用相場をまとめます。
30坪 | 約2,653万円 |
40坪 | 約3,537万円 |
50坪 | 約4,421万円 |
全国の平均建て替え費用相場は約3,392万円となります。
あくまでもこれらは相場に過ぎませんが、これから家の建て替えを計画している方は「おおよそ3,000万円はかかる」と覚えておきましょう。
建て替え費用の注意点と対策
建て替えをする際には注意点と対策をあらかじめ知っておきましょう。
ここからは建て替え費用の注意点と対策をまとめていくので、より賢く建て替えしたいという方は併せてご確認ください。
1.解体工事と新築工事はまとめて依頼する
建て替えの際、解体工事と新築工事を別々の業者に依頼することができます。
解体工事は解体業者、新築工事は建築業者、それぞれのプロに依頼した方が良いと考える方も少なくありません。
しかし、別々に契約して話を進めていくのは大変です。
解体工事と新築工事はまとめて依頼しましょう。
特に、工務店やハウスメーカーによってはどちらも請け負ってくれるところもあるので、依頼するならまとめて任せられるところがおすすめです。
2.地盤工事が必要となることがある
解体工事後には地盤工事が必要となることもあります。
地盤がゆるい場合は強化しなくてはなりませんし、埋設物がある場合は撤去してもらわなくてはなりません。
これらを依頼するとなるとさらに追加で費用がかかります。
何も問題ない場合は良いのですが、地盤工事が必要な場合もあるということを念頭におきましょう。
3.優良住宅だと別途費用がかかる
人によっては老後のことを考えてバリアフリーを導入したり、環境のことを考えて省エネを導入したり、いわゆる優良住宅にする場合は別途費用がかかります。
育児や介護でバリアフリーにする世帯があるのはもちろん、省エネで節約しながら生活する世帯もあります。
これらには多くのメリットがありますが、設備や機材を取り入れるとなると、別途費用がかかることも忘れてはなりません。
4.完全分離型2世帯住宅は割高になる
もし2世帯で住居空間を完全に分けている場合、工事にかかるコストが割高になるケースもあります。
特に完全分離型の住宅は設備や機材も2世帯分が必要となるため、その分割高になってしまうのです。そのため、2世帯の方はコストの概算も多めに設定しなくてはなりません。
2世帯住宅にするために建て替えたいという方は注意が必要です。
5.支払いの順番に気をつける
建て替えをする場合、工事ごとに支払いが発生するわけですが、実はそれぞれの支払いごとに支払うタイミングが異なります。
たとえば、契約金は契約時に支払いますが、着工金は着工時、竣工金は竣工時にそれぞれ支払わなくてはなりません。
引き渡し時にもお金がかかることもありますので、それら支払いの順番にも気をつけておきましょう。
建て替え費用を抑えるポイント
では、建て替え費用を抑えるにはどうすれば良いのでしょうか。
これらに関しては以下のポイントを押さえておきましょう。
・見積もりは複数の業者に依頼する
・デザインや素材は慎重に厳選する
・シンプルな構造や間取りにする
・エクステリアにこだわらない
・タイミングを見計らう
まずは見積もりを複数の業者に依頼しましょう。
それによって安い業者と高い業者が主観的にも客観的にも判断できます。
また、コストをより抑えたい場合はデザインや素材を慎重に選ぶことも大切ですし、シンプルな構造や間取りにすることも重要です。
もしベランダやバルコニー、ウッドデッキなどのエクステリアを設置する場合も、あまりこだわらないことが重要といえます。
それだけではなく、建て替えする際はタイミングを見計らうことも重要です。
建て替えはもちろん引っ越しなどには繁忙期と閑散期があり、どちらかというと繁忙期よりも閑散期の方が割安です。
そのため、より費用を抑えたいなら、あえてタイミングをずらしてみるのもおすすめといえるでしょう。
建て替えかリフォームか迷ったときはどう決める?
もしも建て替えすべきかリフォーム・リノベーションすべきか迷った場合は、両者のメリット・デメリットを比較検討して決めましょう。
それぞれのメリットとデメリットをまとめるので、ぜひ参考にしながらどちらにすべきか考えてみましょう。
建て替えのメリット・デメリット
建て替えのメリット | ・間取りを自由に決められる ・最新の設備や機材を導入できる ・住宅ローンを組みやすい |
建て替えのデメリット | ・コストが高い ・工期が長い |
建て替えは間取りを自由に決められて最新の設備や機材を導入できるため、生活をまったく新しいものにしたい方が選ぶべきです。
ただし、コストが高くなりがちで工期も長いため、その点を受け入れられるかどうかが判断基準となります。
リフォーム・リノベーションのメリット・デメリット
リフォーム・リノベーションのメリット | ・コストが安い ・工期が短い |
リフォーム・リノベーションのデメリット | ・間取りを自由に決められない ・改修できる範囲が限られる ・追加補修が必要となる ・地盤の工事ができない |
リフォーム・リノベーションはコストが安くて工期が短いので、少しでも生活を良くしたいという方が選ぶべきです。
ただし、間取りは自由に決められないことが多く、改修できる範囲も限られてしまうので、その点は慎重に判断しましょう。
まとめ
家の建て替えにはいくらかかるのか、その費用相場は約3,000万円です。
しかし、これらは坪数によっても変動し、主に2,000~4,000万円が相場となってくるでしょう。
これらは新築住宅の取得とあまり費用は変わりませんが、節約できる部分もあります。
建て替えを進める途中で後悔することがないように、是非参考にしてみてください。