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年収300万円で2,500万円の住宅ローンは組めるのか?借入額の目安を解説

更新日:2022.02.28


マイホームの計画を立てる上で、理想の住まいの実現と予算のバランス調整は、多くの方が思い悩むポイントの一つです。住宅の購入では、住宅ローンの利用が一般的であり、年収や毎月の返済額をもとに借入額を決定します。

そこで今回は、年収300万円で2,500万円の住宅ローンを組めるかどうかの検証及び、借入額の目安について解説してまいりますので、ぜひとも最後までお付き合い下さい。

年収300万円で2,500万円の住宅ローンは組める

年収300万円で2,500万円の住宅ローンを組むことは可能です。フラット35ローンシミュレーションを用い、融資金利1.35%で返済期間を35年で計算していますが、返済プランとしておすすめできるものではありません。

以下の項目から理由を説明します。

・年収300万円の手取りは月に約20万円
・返済負担率から考える

上記2点を順番に解説します。

年収300万円の手取りは月に約20万円

年収300万円から税金や社会保険料を差し引くと、手取りの月収換算は約20万円となります。

上記の条件で、毎月の返済金額は約75,000円であり、手取りに占める負担割合は37.5%と、家計に無理のある返済プランといわざるを得ません。

返済負担率から考える

上記条件の返済負担率は約30%であり、返済負担率の観点からもおすすめの返済プランではありません。

家計に無理のない返済負担率は25%以下に留めることが望ましく、返済負担率25%の場合、借入金額は約2,100万円となります。

年収300万円で住宅ローンを組む際は平均いくらまで借りられる?

年収300万円で住宅ローンを組む際に、平均いくらまで借りられるかを見ていきます。ただし、借入可能額=返済可能額ではないことに注意が必要です。

・年収倍率から考えると適正な借入額は平均1800万円
・住宅ローン借入可能額の早見表

順番に解説します。

年収倍率から考えると適正な借入額は平均1800万円

4倍 5倍 6倍 7倍
借入金額 1,200万円 1,500万円 1,800万円 2,100万円

年収倍率は年収に対する住宅購入費用の比率のことで、年収の5〜6倍が適正とされています。
年収300万円の場合、借入金額は1,500万円〜1,800万円までが適正な金額といえるでしょう。

住宅ローン借入可能額の早見表

住宅ローン借入可能額は返済負担率を基準にすると、無理のない返済プランを立てやすくなります。返済負担率とは年収に対する総返済額の割合を指し、25%程度に抑えることで家計に余裕が生まれますが、自分たちに合った割合を決めることが重要です。

【金利1.35%・元利均等返済で算出】
20% 25% 30%
返済期間35年 1,670万円 2,090万円 2,500万円
返済期間30年 1,480万円 1,850万円 2,200万円
返済期間25年 1,270万円 1,590万円 1,900万円

※『フラット35ローンシミュレーション』より引用:https://www.flat35.com/simulation/simu_01.html#kekka

年収300万円の手取りから返済可能額を実際に計算

年収300万円の手取りから返済可能額を実際に計算しています。

返済負担率25%の場合、手取り年収に占める返済額の割合は31.5%です。家計の状況はそれぞれ異なりますので、自分たちに合った返済可能額を見極めなければなりません。

【金利1.35%・返済期間35年・元利均等返済で算出】
借入金額 総返済額 毎月の返済額
年収300万円(返済負担率25%) 2,090万円 2,624万円 6.3万円

※『フラット35ローンシミュレーション』より引用:https://www.flat35.com/simulation/simu_01.html#kekka

また、返済可能額を見極める上で、以下の項目に注意が必要です。

・住宅ローン控除を計算
・地震保険料と固定資産税の概要

順番に解説します。

住宅ローン控除を計算

一定の要件を満たす必要はありますが、入居時から10年に渡り、給与などから収めた所得税や住民税が控除される仕組みです。

上記の条件の場合、10年間で約122万円の負担軽減が期待されますが、住宅ローン控除をあてにして返済プランを立てることはおすすめできません。

地震保険料と固定資産税の概要

火災保険に付帯する形で、地震保険への加入も推奨されています。地域や建物の構造により費用は異なりますが、保険金額1,000万円あたり年間1万円~4万前後です。

また、住宅の購入に伴い、固定資産税の負担が発生します。マイホームの土地や建物には優遇措置があるものの、固定資産税は毎年かかるものなので、入居後に必要なコストとして資金計画に組み込んでおくことをおすすめします。

年収300万円で2,500万円の住宅ローンを組む場合の返済額

年収300万円で2,500万円の住宅ローンを組む場合の返済額を、以下の項目ごとに見ていきましょう。

・フラット35では月々約7.5万円の返済が必要
・支払額は返済方法で変わる

順番に解説します。

フラット35では月々約7.5万円の返済が必要

フラット35を利用した場合、支払利息を含めた3,139万円が総返済額となり、月々約7.5万円の返済が必要となります。手取り月収20万円に占める割合は37.5%であり、もう少し家計に余裕を持たせたいところです。

【金利1.35%・返済期間35年・元利均等返済で算出】
借入金額 総返済額 月々の返済額 返済負担率
2,500万円 3,139万円 7.5万円 30%

※『フラット35ローンシミュレーション』より引用:https://www.flat35.com/simulation/simu_01.html#kekka

支払額は返済方法で変わる

返済方法は「元利均等返済」と「元金均等返済」の2つから選べ、支払額は返済方法によって変わります。元利均等返済は金利が一定であれば、月々の返済額は一定となり、返済当初は利息の支払額が多く、元金の減り方が遅いことが特徴です。

元金均等返済は元金部分を返済期間で均等に割り、月々の元金返済分に支払利息を上乗せして返済する方法です。返済開始時の負担は多いものの、返済が進むほど支払利息が減りますので、月々の返済額は減っていきます。

【金利1.35%・返済期間35年で算出】
借入金額 総返済額 月々の返済額
元利均等返済 2,500万円 3,139万円 7.5万円
元金均等返済 2,500万円 3,093万円 8.8万円

※『フラット35ローンシミュレーション』より引用:https://www.flat35.com/simulation/simu_01.html#kekka

年収300万円の人が無理なく返済できる金額をシミュレーション

年収300万円の人が無理なく返済できる金額を把握するために、借入金額ごとの返済額を以下の表にまとめました。

【金利1.35%・返済期間35年・元利均等返済で算出】
借入金額 総返済額 月々の返済額
1,800万円 2,260万円 5.4万円
2,500万円 3,139万円 7.5万円
3,500万円 4,394万円 10.5万円
4,000万円 5,022万円 12万円

※『フラット35ローンシミュレーション』より引用:https://www.flat35.com/simulation/simu_01.html#kekka

・年収300万で住宅ローン1,800万円の場合
・年収300万で住宅ローン2,500万円の場合
・年収300万で住宅ローン3,500万円の場合
・年収300万で住宅ローン4,000万円の場合

順番に解説します。

年収300万で住宅ローン1,800万円の場合

借入金額が1,800万円のケースでは、返済負担率は21.6%に留まり、無理なく返済できる金額といえます。予算が限られる分、条件の優先順位を付けた上で、色々な工夫を取り入れて理想のお家を目指しましょう。

年収300万で住宅ローン2,500万円の場合

借入金額が2,500万円のケースでは、返済負担率が30%と上限まで借入しており、無理なく返済できるかどうかは、それぞれの家計次第といえるでしょう。今後の年収アップや、共働きによる世帯収入の増加が見込めるのであれば、問題はありません。

年収300万で住宅ローン3,500万円の場合

年収300万円で住宅ローン3,500万円を借りることは現実的ではありません。共働きの場合、収入合算やペアローンの選択肢はありますが、購入物件の見直しなどプランの変更をおすすめします。

年収300万で住宅ローン4,000万円の場合

4,000万円の場合も、年収300万円では借りることはできません。土地探しや住宅プランなどを練り直し、専門家を交えてゼロから資金計画を作り直して下さい。

年収300万円で住宅ローンを満額借り入れるリスク

年収300万円で住宅ローンを満額借り入れるリスクにも注意が必要です。融資率による金利の優遇を受けられないなどのデメリットに加え、売却の際にオーバーローンとなる可能性が高いことが理由として挙げられます。

ただし、低金利が長く続く現在では、フルローンでの住宅購入も決して珍しいケースではありません。購入費用と家計のバランスを把握した上で、利用することをおすすめします。

年収300万円で住宅ローン審査を通過するポイント

年収300万円で住宅ローン審査を通過するポイントをまとめていますので、自分たちの状況を考えながら見ていきましょう。

・収入合算を検討する
・借りやすいプランや制度を利用する
・なるべく頭金を多く入れて元本の割合を減らす

順番に解説します。

収入合算を検討する

一つ目のポイントは、収入合算を検討することです。親子や配偶者で収入を合算し、住宅ローンを組む方法であり、借入金額を増やせるメリットがあります。

借りやすいプランや制度を利用する

借りやすいプランや制度を利用することもポイントの一つ。勤務先や建築会社の提携ローンなど、優遇を受けられる金融機関があれば、積極的に活用しましょう。

なるべく頭金を多く入れて元本の割合を減らす

頭金を準備して元本の割合を減らすことも重要です。借入金額が減るほど、支払利息の負担も少なくなることが理由に挙げられます。ただし、急な出費に備えるためにも、貯金を全額頭金に回してはいけません。

年収300万円で住宅ローンを組む際のよくある質問

年収300万円で住宅ローンを組む際のよくある質問をまとめていますので、自分たちの状況に置き換えて考えてみましょう。

・年収300万、頭金なしで住宅ローンの借入はきつい?
・40歳、年収300万円で住宅ローンは組める?
・2,500万の住宅ローンを組む際に後悔しないためのポイントは?

順番に解説します。

年収300万、頭金なしで住宅ローンの借入はきつい?

きついかどうかは住宅購入費用次第となります。借入金額1,800万円と2,500万円では、月々の返済額は約2万円の開きがありますので、家計の状況を見極めた上で、借入金額を決めなければなりません。

40歳、年収300万円で住宅ローンは組める?

40歳でも問題なく住宅ローンを組めます。返済期間を35年とした場合、完済時の年齢は75歳となりますので、繰り越し返済などを用いて、返済期間の短縮が求められます。

2,500万の住宅ローンを組む際に後悔しないためのポイントは?

後悔しないためのポイントは、2,500万円の住宅が自分たちに本当に必要かどうかを見極めることです。2,000万円の住宅と比較して、差額に見合った価値があるかをしっかりと検討して下さい。

年収300万円で住宅ローンを組む際は無理のない借入を

ここまで、年収300万円での住宅ローン借入金額について解説してまいりました。重要なポイントは、無理のない返済プランであるかどうかを見極めることです。住宅の購入・完成はゴールではなくスタートであり、快適な暮らしを実現するためも、無理のない借入金額を決めなければなりません。

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