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20代でマイホームの購入は早い?メリット・デメリットや後悔しない対策も
更新日:2023.03.30
20代でマイホームの購入は早い?メリット・デメリットや後悔しない対策も
夢のマイホームを検討する人のなかには、20代で購入を考えている人も一定数います。
実際に、低金利政策が続いている間は住宅ローンの借入金額が低くなるため、賃料とそこまで変わらない月額支払いでも家を購入することは可能です。
そこで本記事では、20代でマイホームを購入することのメリットやデメリット、後悔しないための対策などを解説します。
【この記事でわかること】
● 20代が住む家の選択肢
● 20代でマイホームを購入するメリット・デメリット
● 20代でマイホームを購入して失敗しないための対策
● 20代でマイホームを購入するための資金調達方法
そもそも20代が住む家の選択肢は?
まずは、20代が家を選ぶ際の選択肢を解説します。
- ・戸建て住宅
- ・賃貸住宅
- ・分譲マンション
順番に見ていきましょう。
戸建て住宅
戸建て住宅は、主に注文住宅と建売住宅があります。
注文住宅は自分で間取りや仕様を決定して建てる戸建て住宅であり、建売住宅は完成済み(もしくは完成予定)の建物を土地とセットで販売している住宅のことです。
注文住宅は、自分の要望をほとんど叶えられやすい傾向にあるので、理想のマイホームが実現しやすい一面があります。
注文住宅よりも比較的安く購入できる建売住宅は、立地が良い場所に建築されていることが多く、すぐに住めることから20代の購入者は少なくありません。
また、中古戸建てを購入し好きなデザインや設備にリフォームするという「中古戸建て+リフォーム」は、建売住宅よりもデザイン性が高く、予算を抑えて家を購入したい人に人気です。
このように、戸建て住宅はさまざまな種類があり、要望に合わせてカスタマイズしたり早く購入したり、20代にも向いている選択肢といえるでしょう。
賃貸住宅
「買う」という選択肢だけでなく、「借りる」という賃貸の選択肢もあります。賃貸住宅もマイホームとしての戸建て住宅と同様に、アパートやマンションなどさまざまな選択肢があります。
なかには、戸建て型の賃貸物件やデザイナーズマンションなどもあり、今では購入しなくともおしゃれな家に住むことも可能です。
そのため、賃貸暮らしを一生続けるのか20代で家を購入するのかは、十分に検討する必要があるでしょう。
分譲マンション
分譲マンションと賃貸住宅の大きな違いは、一般的に資産価値と設備にあります。賃貸はどれだけ長く住んでも資産にはなりませんが、分譲マンションは将来売却することで換金可能です。
また、オートロックや受付、託児所、ジムなどマンションに応じた設備が充実しています。
このことから、戸建て住宅よりもマンション暮らしのほうが生活イメージに合う人は分譲マンションの購入がおすすめです。
20代でマイホーム購入は早い?
結論からいうと、20代でマイホームを購入することは早くありません。
30代や40代で家を購入する人の割合が多い傾向にはありますが、20代でマイホーム購入を決断する人は一定数います。
そこで、この章では20代でマイホーム購入した人の割合について解説します。
20代でマイホームを購入した人の割合
住宅金融支援機構が公開している「2021年フラット35利用者調査」によると、マイホームを購入した年齢層は次のようになります。
注文住宅 | 建売住宅 | 中古戸建て | 分譲マンション | |
20代 | 18.9% | 15.7% | 10.7% | 11.1% |
30代 | 43.8% | 37.7% | 29.6% | 31.5% |
40代 | 23.0% | 27.1% | 31.6% | 25.7% |
50代 | 8.7% | 12.3% | 19.2% | 18.5% |
60代以上 | 5.6% | 7.2% | 8.9% | 13.2% |
上記のように、どの不動産種別においても10%以上の割合で20代が占めています。
20代のマイホーム購入者が一定数存在する理由はさまざまですが、最も大きな理由として低金利であることが挙げられます。
低金利の内に住宅ローンを組み、家を購入することで、将来の金利上昇に備えることが可能です。つまり、20代でマイホームを購入することは、資産が形成できるだけではなく将来の金融不安に対応することにもなります。
こういった背景から、20代でマイホームを購入する人はいます。
20代でマイホームを購入するメリット
この章では、20代でマイホームを購入するメリットを解説します。
- ・住宅ローンの返済期間が長くなる
- ・毎月の返済額が少なく抑えられる
- ・住宅ローン完済後の居住年数が長くなる
- ・将来的な資産として手元に残る
順番に見ていきましょう。
住宅ローンの返済期間が長くなる
住宅ローンの返済期間は、短いほうが有利だといわれていますが、長い場合でもしっかりメリットがあります。
返済期間を長くすることで支払いの完済を後ろにずらせば、貯金や投資に回す資金を確実に貯められます。また、一定期間返済したタイミングで繰上げ返済できますが、繰上げ返済するためには、しっかりと貯金することが必須です。
このように、住宅ローンの返済期間を長くすることで、資産の計画を自由に立てられます。
毎月の返済額が少なく抑えられる
住宅ローンの返済期間を長くすることで、毎月の返済額が少なくなるメリットもあります。
前述した貯金や投資に回す資金を確保できるので、毎月の返済額が少ないと金銭的ストレスを大きく下げられます。
そのため、住宅ローンの支払いで頭を悩ませたくない人にとっては大きなメリットです。
住宅ローン完済後の居住年数が長くなる
例えば、28歳で住宅ローンを組んで家を建てた場合、35年の返済計画では63歳で返済完了となります。つまり、一般的に定年を迎える前後の完済となるため、高齢者になったタイミングでの資金に余裕ができるでしょう。
また、住宅を売却し新天地に移り住む選択ができるのも、20代でマイホームを購入するメリットだといえます。
将来的な資産として手元に残る
賃貸住宅に長年住んでいても所有権を取得できず、老齢者になると退去を余儀なくされることもあります。
その点、マイホームを購入することで資産を得ることになり、住環境で苦労することはなくなります。
20代でマイホームを購入するデメリット
20代でマイホームを購入する際には、メリットだけではなくデメリットもしっかり把握して、検討する必要があります。
- ・将来的な不安要素が多くなる
- ・メンテナンス費用の捻出が苦しくなる
- ・収入が少ないと借入額が少なくなりがちである
ここでは、上記3点のデメリットを見ていきましょう。
将来的な不安要素が多くなる
20代でマイホームを購入すると老後の資金は安定しますが、老後となる前の期間で金銭的な不安を感じることがあります。
例えば、人生の三大支出といわれる支出は、住宅資金以外に「教育資金」と「老後資金」です。教育資金は、子供が大きくなったタイミングで支出が見えてくるため、不透明な部分があります。
このように、家を購入することで支出の割合が住宅ローンに偏ってしまい、十分な教育資金を用意できないこともあります。
メンテナンス費用の負担が大きい
戸建て住宅の場合、10年に1回の外壁塗装や屋根塗装、防水処理などメンテナンス費用の負担が大きくかかります。
一般的に木造2階建ての住宅では、100〜150万円ほどのメンテナンス費用が10年に1回必要といわれています。20代でマイホームを購入すると、年収や金銭的な余裕がないこともあり、メンテナンス費用が用意できないケースもゼロではありません。
そのため、家を購入するタイミングでは目先の費用だけではなく、維持費を含めたトータルコストを事前に把握することが重要です。
収入が少ないと借入額が少なくなりがちである
20代の場合、年収が安定しないことが多いため、借入額も低くなるケースがほとんどです。
例えば、岐阜県では注文住宅の建築費用は約3,830万円であり、住宅ローンの借入額を年収で割り戻した年収倍率は7.2倍となります。
このことから、岐阜県で注文住宅を建てるための資金を全て住宅ローンで捻出する場合、約530万円の年収を維持しなければなりません。しかし、20代でこの年収に到達することは一般的に難しく、仮に年収400万円だと約2,880万円の借入が平均額となってしまいます。
そのため、極端に高額な家は建築できないと判断しておくことが無難といえます。
※参考1:2021年フラット35利用者調査|住宅金融支援機構
※参考2:2021年度集計表|住宅金融支援機構
20代のマイホーム購入で後悔しないための方法
この章では、20代のマイホーム購入で後悔しないための方法について解説します。
- ・現実的な資金計画を立てる
- ・将来のライフプランを設計する
- ・希望条件に優先順位をつける
どの不動産を購入する場合にも共通する重要なポイントのため、しっかり確認しましょう。
現実的な資金計画を立てる
マイホーム購入において、現実的な資金計画を立案することは非常に重要です。
そのため、毎月の収支をしっかり確認し、どれくらいの金額であれば月額の支払いが問題ないのかなど、しっかりと見極めることが重要です。
将来のライフプランを設計する
将来的なライフプランを設計することも、20代のマイホーム購入で後悔しないために重要です。
自分だけでは困難なケースもあるため、ハウスメーカーやファイナンシャルプランナーなどに相談し、将来のライフプランを設計しましょう。
現実的な資金計画を立てる際にプロのアドバイスがないと、どうしても厳しい資金計画になってしまいます。最悪の場合、希望の家を購入できなくなるケースもゼロではありません。
将来にわたって、どのタイミングでどのくらいの費用がかかるのかを把握し、最適な資金計画を立てることが必要といえます。
希望条件に優先順位をつける
希望条件を全て実現することは困難といえるため、優先順位をつけることも重要です。
希望条件を全て取り入れたマイホームが購入できれば問題ありませんが、現実では難しいケースがほとんどです。
そのため、全ての要望をフラットに検討するのではなく「絶対に入れたい要望」と「できれば入れたい要望」に分けて検討することをおすすめします。
20代のマイホーム購入で資金を確保する方法
20代でマイホームを購入する場合、資金の調達方法がポイントになります。
そのため、この章で解説する方法をうまく組み合わせ、最適な調達方法を選択しましょう。
- ・住宅ローン
- ・親からの援助
- ・その他の方法
順番に解説していきます。
住宅ローン
最も主流な資金調達の方法は住宅ローンです。
車やフリーローンよりも遥かに金利が低く、住宅ローンを組むことで死亡時に残債が完済となる団体信用生命保険(団信)にも入れます。
資金調達はまず、住宅ローンを基準として検討することをおすすめします。
親からの援助
住宅ローン以外にも、親から援助を受ける人も少なくありません。
20代ではなかなか頭金も用意できず、無理して自分の貯金で完結しようとすると、日々の生活が一気に苦しくなることがあります。
このようなリスクを避けるためにも、マイホームを購入する際には親に相談し、援助の有無を確認しましょう。
その他の方法
住宅ローンと親からの援助以外には、フリーローンなどがあります。
フリーローンは自分の好きな目的でお金が使えるため、趣味のショッピングや引っ越し費用、家具の購入など使い道が幅広い点が大きなメリットです。
ただし、フリーローンを借りて頭金にした場合、住宅ローンの借入審査が非常に厳しくなるため、マイホームを検討している人にはおすすめできません。
そのため、前述した住宅ローンや親からの援助などで資金調達し、足りない場合は自己資金から捻出できるかどうかを検討することをおすすめします。
20代のマイホーム購入に関するよくある質問
最後に、20代のマイホーム購入に関するよくある質問について解説します。
- ・20代でマイホームを購入する際の理想的な年収は?
- ・頭金なしで家を買うのは難しい?
- ・家を買ってはいけない年齢は?
20代でマイホームを購入する際の理想的な年収は?
理想的かどうかは資金計画によりますが、20代でマイホームを購入する際、年収は最低でも400万円程度を確保する必要があります。
前述したように、岐阜県で注文住宅を建てる場合には約3,830万円が必要となり、資金を全て住宅ローンで捻出する場合、約530万円の年収を維持しなければなりません。
ただし、不動産で最も費用が高くなる注文住宅の資金を確保できれば、年収530万円以下でも問題なく購入できるといえます。
資金計画に余裕を持ちつつマイホームを購入するためには、年収に見合った住宅ローンを借入しながら、足りない資金は親の援助や自己資金で賄うことが理想です。
頭金なしで家を買うのは難しい?
頭金を用意せず、フルローンで購入することは可能です。無理に頭金は用意せずに住宅ローンだけで資金を用意する方法も検討しましょう。
ただし、頭金なしの場合は住宅ローン審査などに通りにくいなどのデメリットがあるため、資金に余裕があれば用意することをおすすめします。
家を買ってはいけない年齢は?
家の購入に年齢制限はありませんが、20代前半で収入が不安定な時期や、転職したての時期での購入は控えましょう。
しっかり年収が安定し、収入の見通しがついた時点で検討することをおすすめします。
20代のマイホーム購入は資金計画とライフプランが重要
20代でマイホームを購入することには、他の世代にはないメリットとデメリットがありますが、特に「資金」に関するリスクを抱えることがほとんどです。
そのため、購入を検討し始めた段階でしっかり資金計画とライフプランを設計しましょう。
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