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頭金なしで住宅ローンは組める?メリット・デメリットや後悔しないポイントも

更新日:2025.01.31

この記事では、頭金なしで住宅ローンは組めるのかを解説します。

頭金なしで住宅ローンを組むことは可能です。近年、頭金なしでも住宅購入を実現できるケースが増えています。頭金を用意せずに済むため、まとまった資金を手元に残せるほか、購入のタイミングを逃さずに済むのが大きな魅力です。

一方で、頭金なしの場合、借入額が多くなるため返済総額が増え、月々の返済額も高くなるでしょう。審査に影響するケースもあるので、メリット・デメリットを比較することが重要です。

この記事では、頭金なしで住宅ローンを組むメリット・デメリットや、後悔しないコツもあわせて解説します。

【この記事でわかること】

  • 頭金なしで住宅ローンは組めるのか
  • 頭金なしで住宅ローンを組むメリット
  • 頭金なしで住宅ローンを組むデメリット
  • 頭金なしの住宅ローンで後悔しないためのポイント
  • 住宅ローン審査時に頭金なしを避ける方法

頭金なしで住宅ローンは組めるのか

結論として、頭金なしで住宅ローンを組むことは可能です。

近年では選択肢が広がっており、特に物件価格の全額を借り入れる「フルローン」や、諸費用を含めて融資を受けられる「オーバーローン」などを利用することで、貯蓄が少ない場合でも住宅購入を実現できます。

頭金なしの住宅ローンは、急な転勤や結婚などのライフイベントや、早急に家を購入したい場合などに適しています。

頭金なしの人の割合

頭金なしの人の割合は以下の表のとおりです。

物件種別 頭金なしの人の割合
マンション 14.4%
戸建て 25.6%

※参考:2022年首都圏新築マンション契約者動向調査|株式会社リクルート

※参考:2022年首都圏 新築分譲一戸建て契約者動向調査|株式会社リクルート

上記の表から、住宅の種類によって大きな違いがあることがわかります。

新築マンションは購入価格が高い傾向にあり、金融機関が貸し出すローンの上限額との兼ね合いから、頭金をある程度準備するケースが多いと考えられます。

一方、戸建てでは購入価格が比較的抑えられることが多く、フルローンを組むことで頭金なしでも購入できる選択肢が広がり、結果として頭金なしの割合が高くなっていると推測されます。

また、低金利が続いていることや住宅ローン控除の影響も、頭金なしの選択を後押ししている可能性があります。

頭金なしで住宅ローンを組むことは、有効な選択肢になりつつあることがわかりますが、借入額が増えることで返済負担が重くなる点に注意が必要です。

頭金の平均額

頭金の平均額は以下の表のとおりです。

物件種別 頭金平均 融資金平均
注文住宅 699.0万円 3,040.1万円
土地付注文住宅 473.8万円 4,171.2万円
建売住宅 294.5万円 3,091.9万円
マンション 1,188.7万円 3,888.9万円

※参考:2023年度フラット35利用者調査|住宅金融支援機構

上記の表から、住宅種別によって頭金の平均額に大きな差があることがわかります。

マンションの頭金は約1,189万円と最も高額で、物件価格が高い分、手持ち資金の準備も重要視されていることが伺えます。

一方、注文住宅は約699万円、土地付注文住宅は約474万円、建売住宅は約295万円と、住宅の種類によって頭金の負担が異なります。

特に、建売住宅では頭金の平均額が最も低く、融資に頼る割合が高い傾向です。

頭金なしで住宅ローンを組むメリット

ここでは、頭金なしで住宅ローンを組むメリットを解説します。

  • まとまった資金を手元に残せる
  • 早めに住宅を購入できる
  • 家を買い逃さずに済む
  • 住宅ローン控除の恩恵を受けやすい

順番に見ていきましょう。

まとまった資金を手元に残せる

頭金なしで住宅ローンを組むと、まとまった資金を手元に残せます。頭金を支払わないことで、予期せぬ出費や将来的な大きな支出に備える余裕が生まれるでしょう。

たとえば、子どもの進学費用やご家族の医療費といった急な資金が必要な場面でも、柔軟な対応が可能です。

また、引越しに伴う諸費用や新居で必要になる家具や家電の購入費用にも充てられ、新生活をスムーズに始める助けになります。

早めに住宅を購入できる

頭金なしで住宅ローンを組むと、早めに住宅を購入できるのもメリットの1つです。

頭金を貯める期間が不要になるため、物件を見つけたらすぐに購入手続きを進められるでしょう。新居への引越しや新生活の開始を早められるため、転勤や結婚などで急いで住居が必要な場合にも対応しやすくなります。

早期に住宅を購入することで、賃貸の場合は家賃が発生する期間を短縮することが可能です。

家を買い逃さずに済む

頭金なしで住宅ローンを組むと、家を買い逃してしまうリスクを軽減できます。

頭金の準備に時間がかかると、その間に物件が売れてしまったり、価格が上昇して購入が難しくなったりする場合があります。

特に、条件の良い物件はすぐに契約されるケースが多いので、頭金を気にせずスムーズに契約を進められるでしょう。

住宅ローン控除の恩恵を受けやすい

頭金なしの場合、住宅ローン控除の恩恵を受けやすいといえます。

住宅ローン控除は残高に応じて計算され、借入額が大きいほど控除額も増える仕組みです。

たとえば、2025年入居の場合に控除の対象となるローン残高は最大5000万円で、その0.7%が所得税から控除されます。

頭金なしで借入額を増やすことで、控除を最大限に活用できる可能性があります。ただし、控除額には上限があるため、借入額を増やしすぎると返済負担が増えるリスクもあるでしょう。

頭金なしで住宅ローンを組むデメリット

ここでは、頭金なしで住宅ローンを組むデメリットを解説します。

  • 金利が高くなる場合がある
  • 住宅ローンの審査が厳しくなる
  • 担保割れのリスクが増す
  • 返済総額や月々の返済額が増える

順番に見ていきましょう。

金利が高くなる場合がある

頭金なしで住宅ローンを組むと、金利が高くなる場合があります。たとえば、フラット35では融資率によって金利が異なり、以下のとおり変動します。

融資率 金利の範囲 最も多い金利
9割以下 年1.820%~年3.380% 年1.860%
9割超 年1.970%〜年3.680% 年1.970%

※参考:最新の金利情報:長期固定住宅ローン【フラット35】|住宅金融支援機構

頭金なしで住宅ローンを組む場合、金利が高くなる可能性があります。多くの金融機関では、融資率が高いほどリスクが大きいと判断され、その分金利が引き上げられる仕組みです。

融資率とは物件価格に対する融資額の割合を指し、頭金が少ないほど融資率が高くなるため、金利が上昇するリスクがあるでしょう。

住宅ローンの審査が厳しくなる

頭金が全くない場合、住宅ローンの審査が厳しくなるのもデメリットの1つです。

金融機関は融資のリスクを評価する際、物件の担保価値だけでなく、申込者の返済能力も厳しくチェックします。

特に、頭金なしのフルローンでは融資率が100%となるため、リスクが高いと判断される可能性があるでしょう。

そして、年収や勤続年数、他の借入状況などが細かく審査される傾向にあります。

また、頭金がないことで資金の余力が少ないと見なされる場合があり、審査自体に通らないリスクが高まることもあります。

さらに、希望する借入額が高額な場合は、満額での融資が難しくなる可能性も高くなるでしょう。審査が厳しいだけでなく、手続きに時間がかかることで審査期間が延びることもあります。

担保割れのリスクが増す

頭金がないと、担保割れのリスクが増すのもデメリットの1つです。

担保割れとは、住宅の評価額や売却価格がローン残高を下回る状態を指し、「オーバーローン」とも呼ばれます。

この状態に陥ると、住宅を売却してもローンの残債を全額返済できず、売却後も返済が続く可能性があります。売却が難しくなり、思い通りに資産を処分できなくなるリスクが高まります。

住宅の価値が市場環境の変動や経年劣化によって下がることは珍しくないため、ローン残高と物件価値のギャップが広がりやすくなるでしょう。

返済総額や月々の返済額が増える

頭金がないと、返済総額や月々の返済額が増えるのもデメリットです。

頭金なしで住宅ローンを組む場合、借入額が増えるため、返済総額だけでなく月々の返済額も高くなります。

購入代金の全額をローンで賄うことになるため、支払う利息も増え、結果として家計への負担が長期的に続くことになります。

たとえば、借入額が増加すると、それに伴う利息の負担も大きくなり、想定以上に月々の返済が家計を圧迫する可能性が高いです。

特に、変動金利でローンを利用する場合は注意が必要です。契約当初は低金利であっても、将来的に金利が上昇することで、月々の返済額がさらに増えるリスクがあります。

頭金なしの住宅ローンで後悔しないためのポイント

ここでは、頭金なしの住宅ローンで後悔しないためのポイントを解説します。

  • 無理のない返済計画を立てる
  • 諸費用を考慮して資金計画を立てる
  • 条件が悪化した場合も想定しておく
  • 金利タイプごとに比較検討する
  • 繰り上げ返済も視野に入れる

順番に見ていきましょう。

無理のない返済計画を立てる

頭金がない分、無理のない返済計画を立てるのが住宅ローンの借入を検討するときのポイントです。

計画を立てる際には、家族構成や将来の教育費などの生活変化を考慮し、収入の減少や金利上昇にも対応できる余裕を持つことが求められます。

また、引越し費用や家具購入費、修繕費用などの諸費用も含めた総額を把握し、現実的な返済額を設定することが大切です。

目安として、手取り年収の25%以内を基準に返済額を決め、家賃や維持費を含めた住居費が現在の家計を超えないよう調整するのがおすすめです。

諸費用を考慮して資金計画を立てる

住宅購入時には、ローンの返済額以外にも多くの費用が発生します。諸費用を含めた資金計画を立てることで、資金不足に陥るリスクを減らせます。

主な費用として、不動産取得税や登記費用、仲介手数料などの諸費用があり、これらは物件価格の5〜10%程度を目安に見積もる必要があります。

さらに、引越し費用は業者への依頼で10万〜30万円程度かかることが一般的です。また、新居で必要な家具・家電の購入費用として、すべてを揃える場合は50万円程度かかることもあるでしょう。

その他にも修繕費用が必要で、物件価格の0.3%〜1%程度が相場とされています。

条件が悪化した場合も想定しておく

頭金なしで住宅ローンを組む際には、条件が悪化することを想定してシミュレーションすることが重要です。

返済額の目安として「手取り年収の25%以内」が一般的とされていますが、収入が減少する可能性や、支出が増加するケースも考慮する必要があります。

子どもの進学による教育費の増加や、転勤・退職などによる収入の減少などが生じた場合、今後返済が継続できるかを検討することが大切です。

金利タイプごとに比較検討する

住宅ローンを選ぶ際には、金利タイプの違いを理解し、自分のライフスタイルや返済計画に合ったものを選ぶことが大切です。

金利タイプには、主に以下の3種類があります。

  • 変動金利
  • 固定金利
  • 期間選択型固定金利

変動金利は、金利が市場の動きに応じて変化するため、当初の金利は低く抑えられます。しかし、将来の金利上昇などにより、返済額が増加するリスクがある点に注意が必要です。

固定金利は借入時に金利が固定され、返済額が変わらないので計画的に返済がしやすい点がメリットです。ただし、当初の金利は変動金利よりも高くなる傾向にあります。

期間選択型固定金利は、一定期間だけ金利を固定し、その後は変動金利に移行するタイプです。固定期間中の安心感と、期間終了後の金利変動リスクの両方を考慮する必要があります。

それぞれの金利タイプについて、将来の収入変動や金利上昇リスクなどを考慮しながらシミュレーションを行うことで、自分に合った金利タイプを選ぶことが可能です。

繰り上げ返済も視野に入れる

繰り上げ返済は、住宅ローンの負担を軽減する効果的な方法です。借入残高を減らすことで、返済期間を短縮し、支払う利息を抑えられるため総返済額の削減につながります。

頭金は購入時に必要となる資金ですが、繰り上げ返済は任意のタイミングで実施可能です。ボーナスや臨時収入が入ったときなど、自分のペースで進められる点も魅力です。

無理なく返済を進めるためにも、繰り上げ返済を検討することで、長期的な家計の負担を軽減することが期待できるでしょう。

住宅ローン審査時に頭金なしを避ける方法

ここでは、住宅ローン審査時になるべく頭金なしを避ける方法を解説します。

  • 家計を見直す
  • 親族に贈与を相談する

順番に見ていきましょう。

家計を見直す

頭金なしで住宅ローンを組むのを避けるためには、家計の見直しから始めることが重要です。収支を見直し、貯蓄を進める時間を確保することで、計画性のある家づくりが可能になります。

無計画で住宅を購入するのではなく、家計の見直しなどを行うことで、無理のない返済計画を立てやすくなるでしょう。時間をかけて頭金を準備することで、住宅購入後の家計にも余裕が生まれ、安心してローン返済を進められます。

無理のない資金計画を目指すためにも、まずは家計の見直しに取り組むことが大切です。

親族に贈与を相談する

親族に贈与を相談することで、住宅ローン審査時に頭金の準備につながります。

住宅購入時には、一定額まで贈与税が非課税となる特例が適用されるため、資金援助を受ける場合に負担を軽減できます。

具体的には、省エネ性能を満たす住宅であれば最大1000万円、それ以外の住宅では最大500万円までが非課税の対象となります(2026年12月31日まで適用)。

特例を活用することで、頭金を準備しやすくなり、借入額を抑えて返済負担を軽減することが可能です。

親族からの贈与を検討する際は、事前に非課税措置の条件をしっかり確認し、適用されるかどうかを把握することが大切です。

【比較】住宅ローンの返済額を頭金あり・なしでシミュレーション

ここでは、住宅ローンの返済額を頭金あり・なしでシミュレーションし比較します。

なお、シミュレーションは以下の条件をもとに行います。

● 物件価格:3,000万円

● 頭金:300万円

● 返済期間:35年

● 金利:フラット35のそれぞれ最も高い金利を適用

これらの条件を踏まえると、住宅ローンの返済額は以下のとおりです。

項目 頭金なし 頭金あり
借入額 3,000万円 2,700万円
金利 1.970% 1.860%
毎月返済額 9.9万円 8.8万円
総返済額 4,155万円 3,676万円

上記の表から、頭金を用意することで借入額が減少するだけでなく、金利負担も軽減されていることで総返済額を抑えられることがわかります。

300万円の頭金を支払うと、頭金なしの場合と比較して総返済額が約479万円少なくなる計算です。また、毎月の返済額が1万円程度低くなることで、家計への負担も軽減されます。

頭金なしの住宅ローンは慎重に判断しよう

頭金なしで住宅ローンを組むこと自体は可能ですが、返済負担の増加や担保割れ、審査の厳格化などのリスクも伴います。金利が高くなる可能性や長期的な家計への影響も注意が必要です。

無理のない返済計画を立てるためには、長期的なライフステージを想定することや、実際にシミュレーションすることが重要です。

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