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棟上げとは?上棟式の流れや準備・マナーを徹底解説
更新日:2024.09.27
この記事では、棟上げとは何かについて、流れや上棟式との違いを解説します。
棟上げとは、建物の骨組みが完成し、屋根の最も高い部分が上がる工事のことです。棟上げ後の上棟式では、これまでのことに感謝し、これからの工事の安全を祈願します。準備を十分に行い、感謝の気持ちをしっかり伝えることで、新生活をよりスムーズに進めることが可能です。
この記事では、棟上げ・上棟式に向けての準備やかかる費用の目安も紹介します。棟上げや上棟式を万全の状態で迎えて新生活を始めたい人はぜひ最後までお読みください。
【この記事でわかること】
- 棟上げとは
- 棟上げから上棟式までの流れ
- 棟上げ・上棟式に向けての準備・マナー
棟上げとは?
冒頭で述べたとおり、棟上げとは建物の骨組み(柱や梁)が完成し、屋根の一番高い部分(棟)が上がる段階の工事を指します。
木造住宅などでは、柱や梁が組み立てられ、家の大まかな形が見えてくる重要な瞬間です。棟上げは上棟や建前とも呼ばれます。
- 棟上げが重視される理由
- 上棟式との違い
ここでは、上記の2つを詳しく見ていきましょう。
棟上げが重視される理由
棟上げが重視される理由は、主に以下の2つがあります。
- 建物の骨組みは建物全体の完成度に大きく影響するから
- 他の現場で作業している大工さんを集めて1日をかけて行う作業だから
以前の棟上げでは、普段は他の現場で作業している大工を集め、1日から数日をかけて柱や梁、屋根の骨組みを完成させていました。技術の発達によって作業負担が軽減され、1日かからずに完了するケースも増えてきています。
ただし、普段から現場にいる大工だけでは困難な場合も少なくありません。建物の骨組みの重要性に加え、多くの大工が1日かけて行う大がかりな作業であることが、棟上げが重視される理由です。
上棟式との違い
上棟式は、棟上げが完了した後に行われる儀式のことです。上棟式では、無事に工事が進んだことを感謝し、これからの工事の安全や家内安全を祈願するために行われます。
棟上げは工事自体を指すのに対し、上棟式は工事完了後の儀式を指します。
上棟式は神に感謝する機会であると同時に、現場の関係者に労いを示す機会でもあります。料理や飲み物を振る舞ったり、手土産やご祝儀を渡したりすることが一般的です。
棟上げから上棟式までの流れ
ここでは、棟上げまでの流れと上棟式の流れについて解説します。
- 当日の朝から棟上げまで
- 上棟式
順番に見ていきましょう。
当日の朝から棟上げまで
当日の朝から棟上げまでの流れは以下のとおりです。
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一般的に、棟上げ作業が開始するのは8〜9時、完了するのは16時頃です。
また、10時頃や15時頃に休憩、12時頃に昼食を挟みます。休憩や昼食のタイミングで差し入れをして労うと大工さんに喜ばれるため、おすすめです。
上棟式
上棟式は16時頃の棟上げが完了した後に行います。上棟式の流れは以下のとおりです。
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地域によって上棟式の流れは異なります。あくまで一般的な流れとして押さえておきましょう。
棟上げ・上棟式に必要な準備
棟上げ・上棟式に必要な準備として以下が挙げられます。
- 参加する人数を把握する
- 道具・小物を準備する
- 食事・お菓子を準備する
- 引き出物・ご祝儀を準備する
順番に見ていきましょう。
参加する人数を把握する
棟上げを行う人数や、上棟式に参加する人数を把握することは非常に重要です。なぜなら、適切な数のお菓子や昼食、手土産を準備する必要があるからです。
万が一、準備した品物の数が不足していると、失礼に当たる場合があるため注意が必要です。
参加する人数の目安は以下のとおりです。
参加者 | 人数の目安 |
普段から作業している棟梁・大工 | 2〜3名 |
応援で来てくれる大工 | 10名程度 |
重機の操縦者 | 1名 |
建築会社の担当者 | 2〜3名 |
建築会社に確認し、棟上げを行う人数と上棟式に参加する人数を明確にしておきましょう。
道具・小物を準備する
棟上げや、上棟式に必要な道具や小物も準備しましょう。上棟式では、主に以下の道具・小物が必要です。
● 棟札
● 神酒 ● 洗米 ● 粗塩 ● 5円玉 ● お餅 ● お菓子 ● 紙コップ |
棟札は表に神様の名前、裏に上棟日や施主らの名前を記載する札です。建築会社が用意する場合も少なくありません。
神酒や洗米、粗塩は、上棟式で家の四隅に撒いてお清めをするために使用します。
5円玉やお餅、お菓子は上棟式で撒くためのものです。撒かない場合は準備する必要はありません。紙コップは、神酒を飲むときに使用します。
建築会社が用意するものもあれば、場合によっては不要のものもあります。準備が必要かどうかは建築会社に直接確認しましょう。
食事・お菓子を準備する
棟上げや上棟式では、参加者を労うための食事やお菓子の準備も必要です。準備する主なものは以下のとおりです。
● お弁当
● お菓子 ● 飲み物 |
棟上げの日に大工が取る昼食のためにお弁当を用意しましょう。労力がかかる作業を朝からしているため、揚げ物や味の濃いものがおすすめです。好みに合うように、複数の種類を用意するのが好ましいといえます。
また、棟上げの日に大工さんは複数回休憩を取ります。休憩時につまめるお菓子や飲み物を用意するのがおすすめです。
ただし、建築会社や大工によっては、何も準備する必要がないと言われる場合や、お茶だけ準備してもらいたいと言われる場合などがあります。準備が必要かどうかは事前に確認しましょう。
引き出物・ご祝儀を準備する
上棟式の際に、工事関係者や参加者への感謝として渡す、引き出物やご祝儀の準備も行います。
引き出物は、タオルやお茶セット、日用品などが一般的です。
また、工事関係者に渡すご祝儀は役職によって金額が異なります。棟梁は1〜4万円、現場監督は1〜3万円、大工は1人あたり2,000〜5,000円が目安です。
引き出物やご祝儀も必ず渡すものではないので、建築会社に問合せましょう。
棟上げ・上棟式当日のマナー
棟上げ・上棟式当日のマナーとして押さえておきたいポイントは以下のとおりです。
- 挨拶では感謝の気持ちを伝える
- フォーマルな服装が望ましい
- 事前に近隣の人に挨拶をしておく
順番に詳しく解説します。
挨拶では感謝の気持ちを伝える
上棟式の挨拶では、家づくりに関わっている大工や工事の関係者に感謝を伝えましょう。挨拶では以下の内容を話すのが適切です。
● 自己紹介
● これまでの感謝 ● これからの作業の安全への祈り |
上記の要素を含んだ挨拶の例文を、以下にまとめました。
【挨拶の例文】
施主の〇〇(名前)でございます。 この度は皆様のおかげをもちまして、無事に上棟式を迎えることができました。 家族一同、心より感謝申し上げます。 〇月の完成が待ち遠しい限りですが、 お怪我や事故がないよう、安全第一で工事を進めていただけますと幸いです。 引き続きよろしくお願いいたします。 |
感謝の気持ちを中心に据えつつ、工事の安全や今後の協力をお願いする内容にするのがおすすめです。乾杯前の挨拶では、長すぎないように要点を簡潔に伝えましょう。
フォーマルな服装が望ましい
一般的に、棟上げや上棟式は清潔感のあるフォーマルな服装が望ましいといえます。ジャージなどの過度にカジュアルな服装は避け、スーツやジャケットを着用するのがベストです。
適切な服装の例は以下が挙げられます。
● スーツやジャケットにネクタイの組み合わせ
● 長めのワンピース ● ブラウスとスカートの組み合わせ |
上棟式の際には、記念写真の撮影や近隣住民への挨拶を行う場合もあるため、服装には気を配りましょう。
事前に近隣の人に挨拶をしておく
棟上げや上棟式の事前準備として、近隣の人に挨拶をしておくこともマナーの1つです。
棟上げの当日は、声や音、多くの関係者の出入りが近隣の人にとって迷惑になる場合があります。事前に挨拶しておくことで、理解を得られます。
挨拶のタイミングは、棟上げの数日前に行うのが理想的です。挨拶の内容として、少なくとも棟上げ当日は音や人の出入りが発生して迷惑をかけることは伝えましょう。
菓子折りなどの簡単な手土産を持参すると、さらに印象が良くなります。
棟上げ・上棟式でかかる費用の目安
棟上げ・上棟式でかかる費用の合計は、簡易的な式を行う場合は10万円前後、盛大な式を行う場合は30万円前後です。
項目 | 費用相場 |
食事・お菓子 | 5万円程度 |
引き出物 | 3〜5万円程度 |
ご祝儀 | 10〜20万円程度 |
上記の内訳について、詳しく見ていきましょう。
食事・お菓子
食事・お菓子の合計金額は、5万円程度が目安です。昼食として用意するお弁当は1人あたり1,000〜2,000円程度、全体で3万円前後が相場です。
お菓子や飲み物は全体で1〜2万円程度あれば十分といえます。
引き出物
引き出物の合計金額は、3〜5万円が目安です。タオルセットなら1セットあたり2,000〜3,000円、お茶セットなら1セットあたり3,000〜5,000円程度です。
ご祝儀
ご祝儀の合計金額は、10〜20万円程度になるでしょう。ご祝儀の相場は、渡される人の立場によって異なります。
立場 | 1人あたりの相場 |
棟梁 | 1〜4万円 |
現場監督 | 1〜3万円 |
その他の関係者 | 2,000〜5,000円 |
ご祝儀はあくまで気持ちであるため、相場より低くても問題ありません。
棟上げ・上棟式に関するよくある質問
ここでは、棟上げ・上棟式に関するよくある質問に回答します。
- 上棟式はしなくても問題ない?
- 棟上げで餅まきを行う理由は?
- 棟上げと上棟式を別の日に行うことはある?
疑問の解消にお役立てください。
上棟式はしなくても問題ない?
上棟式は、一般的に行わなくても問題ありません。実際、予算や時間の都合などのさまざまな事情で、上棟式を割愛する人は増えています。
儀式を行わないことで費用を削減したり、スケジュールを短縮したりすることが可能です。
ただし、上棟式を行わない場合でも、工事関係者に感謝の気持ちを伝えることが非常に重要です。簡単な挨拶やご祝儀を渡すのがおすすめです。
棟上げで餅まきを行う理由は?
棟上げで餅まきを行う理由は、地域の伝統や風習にあります。
元来、餅まきは神様に餅を献上し、家にふりかかる厄災を祓ってもらうための習慣でした。習慣から派生し、上棟式で餅まきを行うようになったといわれています。
餅まきを行うことで、近隣の住民と交流して良好な関係を築いたり、工事関係者に感謝の気持ちを伝えたりすることが可能です。
棟上げと上棟式を別の日に行うことはある?
棟上げと上棟式を同じ日に行うのが一般的ですが、スケジュールの都合や天候、参加者の調整が難しい場合には、別の日に行うことも可能です。
例えば、棟上げの日程が突然決まった場合や、参加者が揃わない場合には、上棟式を後日に変更することがあります。
別日に行う場合でも、上棟式はできるだけ早い段階で行うのが望ましいため、棟上げからあまりにも長い期間を空けないように注意しましょう。
棟上げや上棟式でこれまでの感謝を伝えよう
棟上げとは、建物の骨組みが完成し、屋根の最も高い部分を上げる工程で、家づくりの大きな節目です。上棟式は、工事の無事を祝い関係者に感謝の気持ちを伝える儀式であり、工事関係者や地域住民との交流の場でもあります。
入念に準備して日頃の感謝を伝え、今後の工事の安全も祈願しましょう。棟上げや上棟式の詳細や、家づくりに関してわからないことがあれば、依頼先のハウスメーカーや工務店に相談しましょう。
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