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住宅ローンの返済期間は延長できる?メリット・デメリットも解説

更新日:2024.08.27

この記事では、住宅ローンの返済期間の延長について解説します。

住宅ローンを組む段階では、返済期間が短いほうがトータルの利息負担は小さくなるため、短く設定する人は少なくありません。しかし、返済期間が短いと月々の返済額は大きいため、返済が始まってから期間を延ばして負担を小さくできないかと疑問を持つ人もいます。

結論からいうと、住宅ローンの返済期間は延長できるケースがあります。ただし、条件によっては延長できないケースもいくつかあります。

この記事では、住宅ローンの返済期間を延長するメリット・デメリットも解説します。住宅ローンの延長を検討している人はぜひ最後までお読みください。

【この記事でわかること】

  • 【結論】住宅ローンの返済期間は延長可能
  • 住宅ローンの返済期間が延長できないケース
  • 住宅ローンの返済期間を延長するメリット・デメリット

【結論】住宅ローンの返済期間は延長可能

結論として、住宅ローンの返済期間は延長することが可能です。

返済期間が短いほうが利息負担は小さくなるため、住宅ローンを組む段階では返済期間を短く設定する人は少なくありません。しかし、子育て資金の増加や転職などでこれまでのような支払いが難しくなるケースもあります。

対策として、住宅ローンの返済期間を延長すると良いでしょう。返済期間を延長する方法として、以下の2つが挙げられます。

  • 同じ金融機関で延長するケース
  • 他の金融機関で借り換えを行うケース

同じ金融機関で住宅ローンの返済期間を延長する場合、まずは相談して延長の理由や現在の収入状況を説明し、審査を受けます。その結果、延長が認められると、新たな返済スケジュールが設定され、毎月の返済額が減少します。

また、他の金融機関で借り換えを行うことで、返済期間を延長する方法もあります。まずは複数の金融機関の条件を比較し、現在よりも有利な条件を提供している金融機関を選びます。

その後、新しい金融機関とローン契約を結び現在のローンを完済し、新しいローンの返済が開始されます。

住宅ローンの返済期間が延長できないケース

住宅ローンの返済期間は、延長できないケースもあります。

  • 完済時に規定の年齢を超える場合
  • 借入期間が35年を超える場合
  • 過去に住宅ローンの滞納履歴がある場合

上記3つを見ていきましょう。

完済時に規定の年齢を超える場合

住宅ローンを組む際、多くの金融機関では完済時の年齢に制限があります。完済時に規定の年齢を超えるように延長することは難しいでしょう。

例えば、完済時年齢が80歳までと定められている場合、現在70歳の人が10年以上の延長を希望すると、完済時の年齢が80歳を超えるので延長が認められないことがあります。

また、完済時年齢として多い75歳や80歳まで返済を続けると経済的に困難となるリスクが高いため、避けたほうが良いでしょう。

借入期間が35年を超える場合

住宅ローンの借入期間には一般的に35年という上限が設定されています。上限を超える延長は難しいといえます。

例えば、現在既に35年のローンを組んでいる場合、これ以上の延長は認められません。既に30年のローンを利用しており、10年の延長を希望する場合も、総借入期間が40年となるため延長は難しいでしょう。

過去に住宅ローンの滞納履歴がある場合

過去に住宅ローン返済で滞納していたり、督促を受けていても応じなかったりした場合は、延長が認められないことがあります。

金融機関はローン延長の審査において、借り手の信用情報を重視します。過去に滞納歴があると信用リスクが高いと判断され、審査が慎重になりやすいことが理由の1つです。

住宅ローンの返済期間を延長するメリット

ここでは、住宅ローンの返済期間を延長するメリットを3つ解説します。

  • 毎月の返済額を抑えられる
  • 団信の加入期間が延びる
  • 金利が下がることがある

順番に見ていきましょう。

毎月の返済額を抑えられる

返済期間を延長することで、毎月の返済額を減らすことが可能です。具体例として、以下のケースを考えてみましょう。

【条件】

● 借入金額:3,000万円

● 金利:1.4%(全期間固定)

● 返済期間:25年

● 返済方法:元利均等返済

※参考:借入希望金額から返済額を計算:【フラット35】|住宅金融支援機構

返済期間を25年から35年に延長した場合、返済額は以下のとおりです。

返済期間 25 35
毎月の返済額 11.9万円 9.1万円
総返済額 3,558万円 3,797万円

このケースでは、25年から35年に延長すると、毎月の返済額は約2.8万円減少します。

返済期間を延ばすことで、毎月の負担額が軽減され、家計に余裕が生まれます。特に子育てや教育費がかかる時期には、毎月の支出を減らすことで、他の生活費や将来の貯蓄に回せるでしょう。

団信の加入期間が延びる

団信の加入期間が延びることも住宅ローンの返済期間を延長するメリットの1つです。

団体信用生命保険(団信)は、住宅ローンの返済中に借り主が死亡や高度障害になった場合に、残りのローンを肩代わりしてくれる保険です。返済期間を延長することで、団信の保障期間も延びます。

特に働き盛りの年齢層では、健康リスクや予期せぬ事故のリスクも考慮する必要があります。団信の加入期間が延びることで、長期的な安心感を得られるでしょう。

金利が下がることがある

ローンの条件や市場の状況によりますが、返済期間を延長する際に金利が下がる場合があります。例えば、現在の金利が2.0%の30年ローンを組んでいる人にとって、金利が1.5%の35年ローンがあれば借り換えの選択肢となるでしょう。

金利が0.5%下がると、総返済額が数十万円から百万円単位で減少することもあります。

また、金利が下がることで、将来の返済計画も立てやすくなり、安心感が増します。

住宅ローンの返済期間を延長するデメリット

住宅ローンの返済期間を延長することには、メリットだけでなくデメリットもあります。

  • 支払うべき利息が増える
  • 退職後もローン返済が続く可能性がある
  • 借り換えできる銀行が限定される

順番に見ていきましょう。

支払うべき利息が増える

返済期間を延長すると、トータルで支払う利息は増える傾向にあります。前述のシミュレーションと同じ条件で計算します。

【条件】

● 借入金額:3,000万円

● 金利:1.4%(全期間固定)

● 返済期間:25年

● 返済方法:元利均等返済

※参考:借入希望金額から返済額を計算:【フラット35】|住宅金融支援機構

返済期間を25年から35年に延長した場合、返済額は以下のとおりになります。

返済期間 25 35
毎月の返済額 11.9万円 9.1万円
総返済額 3,558万円 3,797万円

毎月の返済額は約2.8万円減少していますが、総返済額は約240万円増加しています。このように、返済期間を10年延ばすだけでも百万円単位の利息が追加で発生することがあります。

毎月の返済額が減る一方で、長期的には大きな支出となるため、計画的な資金管理が必要です。

退職後もローン返済が続く可能性がある

返済期間を延長すると、退職後もローンの返済が続く可能性がある点がデメリットです。

例えば、返済期間の延長によって80歳で完済するプランに変更すれば、定年退職後も返済が続くことになります。

退職後の収入が減少する中で、ローン返済を続けるのは大きな負担です。退職後の生活費とローン返済を両立させるためには、収入源の確保や支出の見直しが求められます。

借り換えできる銀行が限定される

返済期間の延長によって、借り換えができる銀行が限定されることがあります。

特に高齢になってからの借り換えや長期間にわたる返済は、金融機関にとってリスクが高いと判断されることがあります。高齢者の場合、収入の減少や健康リスクが増えるため、返済期間が長いローンを提供することに慎重になるでしょう。

住宅ローンの返済期間を延ばすための手順

ここでは、住宅ローンの返済期間を延ばすための具体的な手順について、2つのケースに分けて解説します。

  • 同じ銀行で延長する場合
  • 他の銀行に借り換えする場合

順番に見ていきましょう。

同じ銀行で延長する場合

同じ銀行で住宅ローンの返済期間を延長する場合の手順は、以下のとおりです。

  1. 銀行に相談する
  2. 必要書類を準備する
  3. 審査を申し込む
  4. 審査に通過したら契約を締結する

まず、現在の住宅ローンを利用している銀行に返済期間の延長について相談します。多くの銀行では、顧客サービスセンターやローン担当者に連絡を取ると、手続きの詳細を教えてくれます。

次に、銀行から指定された必要書類が必要です。一般的には主に以下の書類が必要になります。

  • 収入証明書(源泉徴収票や給与明細など)
  • 身分証明書(運転免許証やパスポートなど)
  • 現在の住宅ローンの契約書

必要書類を提出し、返済期間延長の審査を申請します。審査では、収入状況や返済能力などが評価されます。

審査に通過すると、返済期間延長の条件や新しい返済計画が提示されます。契約を再締結すると手続き完了です。

他の銀行に借り換えする場合

他の銀行で住宅ローンを借り換える場合の手順は以下のとおりです。

  1. 借り換え先の銀行を選ぶ
  2. 必要書類を準備する
  3. 仮審査に申し込む
  4. 本審査に申し込む
  5. 審査に通過したら契約を締結する
  6. 受けた融資で元のローンを繰り上げ返済する

まず、借り換え先の銀行を選びます。インターネットや比較サイトを活用しながら各銀行の金利や条件を比較し、自分に最適な銀行を見つけましょう。

次に、仮審査や本審査のために必要書類を準備します。一般的に必要な書類は以下のとおりです。

  • 収入証明書(源泉徴収票や給与明細など)
  • 身分証明書(運転免許証やパスポートなど)
  • 現在の住宅ローンの契約書
  • 借り換え先の銀行からの指定書類

借り換え先の銀行に仮審査を申請すると、借り換えの可否が判断されます。その後の本審査では提出書類を基に、より詳細な審査が行われます。

本審査に通過すると、借り換えの条件や新しい返済計画が提示されるでしょう。契約を締結し、借り換え手続きを進めると、新たに返済が開始されます。

住宅ローンの返済期間を延長する場合は慎重に判断しよう

住宅ローンの返済期間を延ばすことは、毎月の返済額を減らし、家計の負担を軽減するための有効な手段です。

同じ銀行で返済期間を延長する場合も他の銀行に借り換えする場合も、返済期間を延ばすことで毎月の負担が軽減されます。トータルの利息支払いが増えることや、借り換えの選択肢が限定されることも考慮することが重要です。

住宅ローンの負担を減らすために返済期間を延長すべきかどうかは、専門家の助言を基に慎重に判断しましょう。

また、住宅ローンの返済負担が重くならないためには、ローンを組む段階で余裕のある計画を立てることが重要です。

住宅購入を検討していて資金計画に悩んでいる人は、オンリーホームにご相談ください。

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