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住宅ローンの団信(団体信用生命保険)とは?種類や保障内容・加入条件も解説
更新日:2023.03.02
この記事では、住宅ローンの団信について解説していきます。
住宅ローンを組む際に、多くの金融機関で団体信用生命保険の加入が融資条件の1つです。
しかし、団体信用生命保険にはさまざまな商品があり、金融機関によっても異なります。
この記事では団体信用生命保険の仕組みや商品の種類、選ぶポイントや注意点について解説します。これから住宅ローンを検討する人は、ぜひ最後までお付き合いください。
【この記事でわかること】
● 団信の仕組みと保障内容 ● 団信に加入する際の注意点と選び方 |
住宅ローンの団信(団体信用生命保険)とは?
団体信用生命保険とは、加入者が住宅ローン返済期間中に死亡した場合、残債の返済義務が免除される保険です。
多くの金融機関で採用されている保険となりますが、この章では団信の仕組みと一般的な生命保険との違いについて解説します。
- 団信の仕組み
- 一般的な生命保険との違い
以下で見ていきましょう。
団信の仕組み
団体信用生命保険は、住宅ローンの借入を受ける人が被保険者であり、金融機関を保険契約者と保険金受取人とする契約となります。
そして、ローン債務者が死亡、もしくは高度障害状態により就業不能となった場合に保障が適用され、保険金を使って住宅ローンの残債が免除(0円)になる仕組みです。
住宅ローンの残債が前提となるため、住宅ローンの返済期間満了や繰上げ返済などによって住宅ローン自体がなくなった場合、団体信用生命保険の契約も満了となります。
一般的な生命保険との違い
死亡や高度障害状態によって保険金が支払われるという点においては、一般的な生命保険とよく似ています。
一般的な生命保険は受取人が遺族もしくは家族になりますが、団体信用生命保険は金融機関が受取人となる点で違います。
そのため、生命保険に加入せずに住宅ローンの団体信用生命保険だけ加入している場合は、住宅ローンは免除されるものの、保険金が手に入るわけではないことに注意が必要です。
住宅ローンにおける団信の種類と保障内容
住宅ローンにおける団体信用生命保険には多くの種類があります。
代表的な保障内容として通常の団信以外にも「八大疾病保障付」「三大疾病特約付」「全疾病保障付」「がん保障特約付」があります。
そこで、この章ではそれぞれの保障内容について詳しく解説します。
- 通常の団体信用生命保険
- 八大疾病保障付団体信用生命保険
- 三大疾病特約付団体信用生命保険
- 全疾病保障付団体信用生命保険
- がん保障特約付団体信用生命保険
それぞれチェックしましょう。
通常の団体信用生命保険
通常の団信は死亡もしくは高度障害状態になった場合に適用されます。
高度障害の適用には金融機関によって定義が異なるため、必ず住宅ローン融資を受ける金融機関に相談しましょう。
また、団信は保障が追加されるにつれ金利が上乗せされます。
そのため、死亡もしくは高度障害状態のみ適用となる通常の団信では、金利上乗せがないという特徴があります。
八大疾病保障付団体信用生命保険
通常の団信に後述する三大疾病保障が追加され、さらに8種類の疾病に対して適用されるのが八大疾病保障付団体信用生命保険です。
三大疾病に加え高血圧症・糖尿病・慢性腎不全・肝硬変・慢性膵炎の重度慢性疾患が適用疾病となります。
この保障は、通常の団信に0.25%〜0.3%上乗せすると加入できます。
三大疾病特約付団体信用生命保険
三大疾病はがん・急性心筋梗塞・脳卒中となっており、死亡もしくは高度障害状態に加え、これらの疾病においても保障対象となるのが三大疾病特約付団体信用生命保険です。
三大疾病は多くの人がかかる病気だといわれているため、将来に不安がある人にはおすすめです。
ただし、三大疾病にかかったからといって必ず保険適用となるわけではなく、病気の進行度合いによって判断が異なります。
そのため、三大疾病保障付の団体信用生命保険を利用する際には、必ず適用条件を確かめましょう。なお、通常の団信に対し0.2%〜0.25%の金利上乗せで加入できます。
全疾病保障付団体信用生命保険
住宅ローン債務者の死亡や高度障害状態、全ての病気やケガが保障適用条件となるのが全疾病保障付団体信用生命保険です。
就業不能状態が1年を超えた場合や180日以上入院が継続した場合に保障を受けられ、ほぼ全ての病気やケガをカバーできます。
ただし、全疾病保障付団体信用生命保険は取り扱っている金融機関が少なく、取り扱っていてもベースとなる金利が高いか、0.6%程度と上乗せ金利が大きいケースがほとんどです。
そのため、加入する場合は慎重に検討する必要があるでしょう。
がん保障特約付団体信用生命保険
通常の団信に加え、がんになった場合に団体信用生命保険が適用される保障です。
厚生労働省の発表によると、令和3年の死亡者における約28%の死因ががんでした。
※参考:第7表死因簡単分類別にみた性別死亡数・死亡率(人口10万対|厚生労働省
がんにかかる人は非常に多いため、がん団信は人気の保障といえます。
また、金利上乗せについても優遇制度を設定している金融機関が多く、0.1%前後の上乗せで加入できる金融機関もあります。
ただし、三大疾病や八大疾病の保障と同じくがんの種類やステージによって保障適用が分かれるため、注意しましょう。
住宅ローンの団信に加入する際の条件
住宅ローンの団信に加入するためには条件があり、誰でも加入できるわけではありません。
また、多くの金融機関が団信加入を融資条件としているため、団信に加入できなければ金融機関の選択肢は非常に少なくなるでしょう。
そこで、住宅ローンを検討する前にこの章で解説する団信の加入条件を押さえ、条件に該当するかどうかをチェックしましょう。
- 住宅ローンをこれから契約する人
- 健康状態などの条件を満たした人
以下に解説していきます。
住宅ローンをこれから契約する人
団信は住宅ローンを契約する人のみが適用対象です。
なぜなら、団信は住宅ローンに特化した生命保険であるからです。団信の保障がいかに優れていても住宅ローンを組まず団信だけ加入することはできないので、注意しましょう。
健康状態などの条件を満たした人
団信は加入者の死亡や高度障害状態、病気やケガといった「万が一」に備えるための保険となるため、そもそも加入時に健康であることが前提となります。
さらには健康である定義は金融機関によって異なり、加入者は健康と自覚していても金融機関が定める病気を患っていた場合は加入できないこともあります。
また、団信加入における健康状態チェックは、銀行の事前審査が通り不動産の売買契約締結後のタイミングで行われるため、必ず事前に団信の健康状態チェック内容を把握しておきましょう。
住宅ローンの団信に加入する際の注意点
万が一の事態に備えられる団信ですが、利用する際は注意点があります。
これから住宅ローンを検討する人は、この章で解説するポイントを押さえましょう。
- 健康状態は正確に告知する
- 免責事項をしっかりと確認する
- 契約内容は加入後に変更できない
- 解約後は再加入できない
- 借り換えの場合は新たに団信へ加入しなければならない
上記のポイントについて、順番に解説していきます。
健康状態は正確に告知する
健康状態は、虚偽の内容にならないように、正確に告知しましょう。
虚偽の申告をしたあとに病気が判明した場合、契約違反となって保証を受けられないばかりか、銀行融資の一括返済を要求されるケースもあるからです。
団信の加入申し込みをする際には、告知書と呼ばれる書類を提出する必要があり、告知書には金融機関が定める病気の治療有無が記載されています。
そのため、加入者は告知書に記載されている病気にかかったことがあるかどうかをチェックすることになります。
その際には、虚偽の申告をしていないことを十分に確認したうえで告知書を提出しましょう。
免責事項をしっかりと確認する
免責事項は必ず確かめましょう。免責事項とは、団信が適用される状態に加入者がなったとしても保険金支払いがなされない事項です。
例えば、通常の団信では債務者の死亡は保険金支払いの適用条件となりますが、保険加入後3年以内の自殺による死亡は免責されます。
それ以外にもがんのステージや種類によっても免責となるケースがあるため、加入する団信の適用条件は必ずチェックしましょう。
契約内容は加入後に変更できない
団信は保険契約締結後に内容を変更できません。そのため、通常団信に加入後にがんを患った場合であっても、団信が適用されないことになります。
このように、あとから団信でカバーできない保障内容を希望する場合は生命保険で補填することになります。
解約後は再加入できない
団信は、解約してしまうと再加入できない点にも注意しましょう。
団信が解約となるのは、主に融資を完済した場合か別の金融機関に借り換えした場合です。
この場合、団信はあくまで住宅ローンとセットになるため、住宅ローンの借入がない状態で団信のみの再加入はできません。
そのため、繰上げ返済や借り換えによって団信が解約となる事例について、慎重に吟味する必要があるでしょう。
借り換えの場合は新たに団信へ加入しなければならない
住宅ローンを借り換える場合は、新たに団信へ加入しなければならない点にも注意しましょう。
条件の良い金融機関に借り換えを検討する人は多くいます。しかし、借り換えた時点で元の金融機関に対して住宅ローンを完済したとみなされるため、団信も同様に解約となります。
そのため、元の金融機関が扱っている団信だけを残すことはできず、新しい借入先で団信に加入することになるため注意しましょう。
住宅ローンの団信を選ぶポイント
住宅ローンの団信はさまざまな保障があり、どのプランを選ぶのかで悩む人も多くいます。
要因の1つとして、万が一に備えるための団信は、本人がどの病気にかかるのか、事前にわからない点が挙げられます。
そのため、団信の保障を決められず、住宅ローン審査を進められないケースもあるでしょう。
- 保険金が支払われやすい条件か
- 金利優遇があるか
- 緊急時にすぐに相談できる金融機関か
- 保障内容が充実しているか
ここでは、団信を選ぶポイントとして、上記4点について解説していきます。
保険金が支払われやすい条件か
保険金が支払われやすい条件の団信かどうかを確かめましょう。
団信によって保険金が支払われるかどうかは、適用となる条件を全て満たす必要があります。
例えば、がん団信であればがんにかかるだけではなく、治療日数や入院日数といった条件をクリアしなければなりません。
そのため、なるべく保険金の支払いがスムーズな保障内容を重要視することをおすすめします。
金利優遇があるか
金利優遇があるかどうかも、選ぶポイントの1つです。
団信は通常の団信に金利を上乗せすることで保障内容を追加できますが、上乗せ金利を抑える優遇制度を取り入れている金融機関もあります。
このような金利優遇制度には、保障内容を追加することによる支払額増加を抑える効果があります。
したがって、取り入れている金融機関を積極的に検討しましょう。
緊急時にすぐに相談できる金融機関か
緊急時に、すぐ相談できる金融機関かどうかも確認しましょう。
万が一の事態があった場合に団信を適用させるには、すぐに金融機関へ連絡しなければなりません。しかし、団信が適用される事態に遭遇することは多くなく、金融機関側もスピーディーに対応できないこともあります。
中には、担当者と連絡がつかずに放置され、数ヶ月間住宅ローンを支払ったケースもあります。
そのため、団信の適用が必要となった場合に専用の連絡回線がある金融機関を選ぶと安心です。
保障内容が充実しているか
保障内容が充実しているかも考慮して、団信を選択しましょう。団信は保険である以上、なるべく多くのトラブルに対応できることが望ましいといえます。
ただし、結果的に一生かかることない病気に関する保障を選んだ場合は、無駄な投資になります。
そのため、自分に合った保障内容を選べるよう、保障内容の種類が多い金融機関を選びましょう。
住宅ローンの団信に関するよくある質問
この章では、住宅ローンの団信に関するよくある質問を紹介します。
- 住宅ローンの団信はどこまでつけるべき?
- 団信と生命保険はどっちが得?
順番に回答していきます。
住宅ローンの団信はどこまでつけるべき?
住宅ローンの団信は、安心できる最低限の保障内容までつけましょう。
住宅ローンの団信は、通常であれば金利上乗せはありませんが、全疾病までつけると0.6%上乗せされます。
この場合、仮に2,500万円を35年返済で借入した場合、総額は約290万円増加します。そのため、安心できる最低限の保障内容で団信を選び、生命保険でカバーすることがおすすめです。
団信と生命保険はどっちが得?
団信と生命保険は、「どちらが得」とは断言できません。
団信は万が一の際に住宅ローンが免除となる保険で、生命保険は保険受取人に対して保険金が支払われる保険です。
団信の保険金は遺族や家族に支払われず、生命保険では住宅ローンの支払いが残ってしまいます。どちらにも特徴があるため、両方に加入するとリスクを避けられるでしょう。
住宅ローンの団信は加入条件や保障内容を確認しよう
住宅ローンは金利だけではなく、団信の加入条件や保障内容をしっかり吟味し選択する必要があります。
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