Column
コラム
育休中でも住宅ローンは組める?審査のポイントや夫婦で申し込む方法も
更新日:2023.09.13
この記事では、育休中に住宅ローンを組めるのかを詳しく解説します。
近年では共働き世帯が増え、産休や育休の取得によって世帯年収が減少する懸念から、育休中に住宅ローンを組む際に不安を抱いている人は少なくありません。
この記事では、育休中に知っておきたい住宅ローン審査のポイントや、夫婦で住宅ローンを申し込む方法も解説するので、ぜひ最後までお付き合いください。
【この記事でわかること】
● 育休中に住宅ローンが組めるかどうか
● 育休中の住宅ローン審査のポイント
● 育休中に住宅ローンを夫婦で申し込むポイント
育休中でも住宅ローンは組める?
結論からいうと、育休中でも住宅ローンを組むことは可能です。
金融機関は住宅ローンの審査において、“安定して返済できるかどうか”といった点を重要視します。そのため、育休中の収入減をベースに審査しても十分な返済が可能であれば、住宅ローンの審査は通過できるといえます。
このように、育休中だとしても住宅ローン審査を通過し家づくりを進めることは可能です。
育休中における住宅ローン審査のポイント
育休中で住宅ローン審査を受ける場合には、いくつかのポイントがあります。
- 組めるかどうかの最終判断は金融機関によって異なる
- ローンの実行を復職後と定めている金融機関が多い
- 育休が住宅ローン審査でプラスに働くことはない
- 団信(団体信用生命保険)の審査に落ちるケースがある
上記4つのポイントをそれぞれ解説します。
組めるかどうかの最終判断は金融機関によって異なる
金融機関が住宅ローン審査の最終判断を行う際には、返済比率を重視するケースが多いといえます。
返済比率とは年間返済額と年収の割合のことで、住宅金融支援機構の調査によると、返済比率15~20%以内で住宅ローンの借入をする場合が一般的です。金融機関の返済比率安全ラインも同様に設定されていると考えられますが、実際に公表されているわけではありません。
育休中で住宅ローンが組めるかどうかは、最終的に金融機関の判断になることを押さえておきましょう。
※参考:住宅ローン利用者の実態調査【住宅ローン利用者調査(2023年4月調査)】│住宅金融支援機構
ローンの実行を復職後と定めている金融機関が多い
育休中は収入が通常よりも低くなるため、住宅ローンの支払いが難しいケースが多くあります。
そのため、住宅ローン自体を育休中に組み、実際の支払いは復職後からスタートする金融機関も珍しくありません。
この方法を採用している金融機関で住宅ローンを組む場合、安定して返済できるというメリットがある一方で、通常よりも金利が高く返済期間が長くなるというデメリットもあります。
育休中と復職後のどちらで返済をスタートするのが良いかは、十分に検討すべきでしょう。
育休が住宅ローン審査でプラスに働くことはない
育休は病気ではないため、ほとんどの場合、育休期間の終了と同時に復職します。そのため、復職後の収入が育休前と同等になることを前提に審査が進められる場合が一般的です。
ただし、育休中は収入が減少するため審査が厳しい傾向にあります。育休中であること自体、住宅ローン審査でプラスにはならず、金融機関によっては借入可能額が減少する可能性があります。
団信(団体信用生命保険)の審査に落ちるケースがある
育休中の人は、団信(団体信用生命保険)の審査に落ちるケースがある点にも注意が必要です。
団信とは、住宅ローンの債務者が死亡もしくは重大な障害状態になった場合に、住宅ローン残債の返済が免除される保険です。
団信に加入する際には、保険会社が提示する“告知書”で病気のチェックをします。高血圧症、血栓性静脈炎などを罹患していると加入できない場合があります。また、妊娠や出産は母体への影響が大きいことで、健康状態の悪化などによっては同様に審査落ちする可能性があります。
団信に加入できないと、金融機関から住宅ローンを借りられない可能性があるので、注意が必要です。
育休中の住宅ローン審査で重要視される項目
育休中に住宅ローン審査を受ける場合、以下の項目が重要視されます。
- 収入の安定性・継続性
- 職場復帰後の見込み収入
上記2点を詳しく解説します。
収入の安定性・継続性
安定かつ継続して収入を得ていることは、住宅ローン審査において重要なポイントです。
育休中の場合、収入が一時的に減少することが考えられますが、審査では収入の安定性と継続性が問われます。夫婦共稼ぎの場合、どちらかの収入が続くことで返済が見込まれますが、育休後の収入アップの見通しがあるかどうかも重要です。
ただし、育休中の収入が一定水準以上であり、かつ安定しているのであれば、問題なく審査を通過できるでしょう。
職場復帰後の見込み収入
育休中は収入が低くなるため、どうしても審査は厳しくなってしまいます。そのため、住宅ローン審査を通すために、復職後の見込み収入を考慮する金融機関がほとんどです。
見込み収入が考慮されると、育休中だけの収入よりも審査内容が良くなり、条件の良い審査結果になる可能性が高くなります。
育休中に住宅ローン審査を受けるうえで、復職後の年収は重要な項目です。
育休中に夫婦で住宅ローンを申し込む方法
育休中に住宅ローンを申し込む方法として、より安全な返済計画にするために夫婦で住宅ローンを組む方法があります。
夫婦で住宅ローンを組む方法には、主に以下の3つがあります。
- 連帯債務(収入合算)
- 連帯保証
- ペアローン
それぞれ解説します。
連帯債務(収入合算)
連帯債務とは、夫婦のうち1人は主債務者、もう1人は連帯債務者となる借入方法です。
この方法では2人とも住宅ローンを組むため、住宅ローン控除の利用も団体信用生命保険の加入も、それぞれができます。そのため、夫婦ともに収入が高い世帯にはおすすめの方法です。
連帯保証
連帯保証も、連帯債務と同じく主債務者は1人ですが、連帯保証人は主債務者が返済不能となった場合に返済義務を負うことになります。
そのため、住宅ローン契約は主債務者のみとなり、住宅ローン控除の利用や団体信用生命保険の加入を連帯保証人はできないので注意が必要です。
ペアローン
ペアローンは連帯債務と同様に、夫婦2人で住宅ローンを組む方法です。
それぞれが主債務者となる点が連帯債務と異なりますが、実際の運用はほとんど同じです。
ペアローンは、夫婦だけでなく親子でも適用できます。世帯全体の返済計画を最適化するためにも、ペアローンが有効になるケースは多いといえます。
育休中の住宅ローンに関するよくある質問
最後に、育休中の住宅ローンに関するよくある質問を紹介します。
- 育休中で所得ゼロでも住宅ローンは組める?
- 育休で収入がない期間も住宅ローン控除は受けられる?
- 育休中の住宅ローン申請で必要な書類は?
上記3つの質問にそれぞれ回答します。
育休中で所得ゼロでも住宅ローンは組める?
育休中の給与がゼロとなるケースでも、復職後の収入が高く安定しているのであれば、住宅ローンを組める可能性があります。
ただし、審査の内容は厳しくなる場合が多いため、注意が必要です。
育休で収入がない期間も住宅ローン控除は受けられる?
住宅ローン控除は所得税もしくは住民税の還付が控除額となります。
そのため、収入がなく納税していない期間が長くなると、住宅ローン控除は受けられません。
育休中の住宅ローン申請で必要な書類は?
育休中に住宅ローン申請をする場合、次の書類が必要となります。
- 見込年収証明書
- 育休前の源泉徴収票
- 育休証明書
- 運転免許証
- 健康保険証
すべての書類が揃ってから審査がスタートするため、漏れがないよう事前に準備しておくことが重要です。
育休中に住宅ローンを組む場合は長期的な資金計画を
ライフサイクルのタイミングによっては、育休中に住宅ローンを組むこともあります。なるべく良い条件で審査を通すためにも、この記事で紹介したポイントを押さえておくことが重要です。
また、育休中に住宅ローンを申請する手段にペアローンが挙げられます。ペアローンの方法には主に3つあるので、夫婦の収入状況などに応じてベストな方法を選択しましょう。
オンリーホームでは育休中の家づくりをサポートするために、多くの金融機関と提携しています。そのほかの家づくりに関するご相談にも対応しているので、家づくりに関して悩みや不安がある人は、ぜひ一度オンリーホームまでお問い合わせください。